忌災.4 正義執行
希少最硬金属でできた『籠手・足を守る防具・膝のプロテクター・胸当て・ホットパンツ・月桂冠』
それ以外は来ていた衣服をそのまま利用。
鎧を着ていれば恩恵を受けられる仕様なので、別に鎧以外を殴ってもそこまで意味はない。
ヒロインは地面を踏む。強く、強く、強く。
やる気は絶頂、モチベーション最高、情熱は最大。
今の彼女を表す言葉はこの世に存在しない。
地面を蹴る。
地面が抉れる。
並みの者は彼女をとらえることができない。
「うりゃぁぁぁぁぁあああああああ!!」
正義の拳が龍を襲う。
龍の頭が歪む。
その余波だけで空気の流れが一変する。
龍が吹き飛ぶ。
住宅地を突き破り、領外へ一直線。
「一体目」
彼女は次の標的を睨む。
対象は、黒龍は本能的恐怖を感じる。
だが、もう遅い。
先程よりも強い踏み込み。
地面を蹴る。
彼女が地面を蹴るのと同刻、黒龍は炎のブレスを吐く。
そのブレスを真っ向から打ち破り、ブレスが二つに割れる。
驚愕する間もなく、龍の眉間にクリーンヒット。
龍の肢体が瓦礫の山に突っ込む。
「二体目」
一匹の龍が空へ逃げる
一匹の龍が翼を広げ、空へ翔けようとする。
彼女はそれを逃さない。
跳躍。そのまま飛びかけた龍を地面にたたきつける。
地面にたたきつけられた龍が跳ねる。
彼女が地面に降り立った。
「うりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃ!!」
跳ねる龍に拳、蹴り、蹴り蹴り蹴り蹴り蹴り蹴り!!
対空コンボを決める。
かかと落とし。着地。
そして、
「サマァァアアアソルトォォォオオオ!!」
サマーソルトキック。
だが、これで終わる彼女ではない。
彼女は反対方向に駆ける。Uターン。そこからトップスピードで駆ける。
跳躍。
住居の形を維持した残骸の上をトップスピードで駆ける。
そして跳躍。
彼女は翼を広げずに天に昇る龍を足場としてさらに跳躍。
捉えたのは宙に逃げし黒き龍
「『昇天拳骨』ォォオオ!!」
逆鱗に入るアッパーカット
ぶち上げられる龍。
「残りィ!一体ィィィイイ!!」
斜めに飛んだことで最後の一体が俯瞰できる。
一騎打ち。
龍が無防備な彼女を倒さんと空を駆け上がる
彼女は不敵に笑い、拳を固める。
「ゴオォォォォオオオン!!」
「『墜天拳骨』ォォオオ!!」
上昇する龍と墜つる彼女の一撃が交差する。
「アァァアアアア!!」
彼女は龍を殴り切った。
影響そのままに龍が墜ちる。
ド――――ン!!
龍が地面に触れ、土が舞う。
少々の時間が過ぎ、彼女が地に降り立つ。
「ビクトリーーーーーー!!」
少しの余韻が過ぎる。
彼女は再び地面を踏み、跳躍。彼女は姿を消した。
かくして、黒龍襲撃という忌災は彼女の活躍により終わりを迎えた。