一つの事件と一つの教訓
とりあえず状況を整理しよう。
私の名前は因果 律。高校一年生、15歳だ。
そして私は異世界転移した。以上。
情報が少なすぎる!!!
とりあえず、
ぐぅぅうううう・・・
「おなか減ったから何か食べよう」
幸い、転移した場所は緑豊かな丘陵の上。
近くに森もある。
そこに木の実がなっているでしょ。きっと。
☆
私は森の中を私史上最速のガチダッシュをしています。
なぜって?見たことがない獣に襲われているからです。
どうやら、獣のナワバリに入ってしまったみたい。
それよりもさぁ!?変質しすぎじゃないこの世界の魔獣!?
あの牙何??口下から頭以上の長さあるよ!?
やみくもに走りまくっていたら道が見えた。どう見ても人間が作った道だ。
つまり近くに村か街がある!!
私はその人工的に作られた道の通りに走った。
すっげぇ走っていると、視界の先の空間が歪んで見えた。
え?何あれ?
さらに走るとその空間がよりはっきりと見えた。
分かりやすく言うならば、陽炎もしくは逃げ水・・・・あんな感じ。
ん?誰か来た。甲冑来ているのを見ると兵士さん?中世っぽいなぁ。
なんか言っている。でも残念なことに、私には聞こえない。
獣の咆哮がうるさすぎるからねぇ!!
ブモォォオオオ!!だとか、ガァアア!!とかしか言わないけど、ものすごい音量だから私に近づく音が掻き消えていく。
「お前!!なにをしているんだ!?」
あ、やっと聞こえた!!
「助けてください!!襲われそうなんです!!」
「じゃあ、さっさと門の中に入れ!!」
あらやだ、理不尽!!
私は門の中に入ることに成功し、私と獣の間に兵士さんが入る。
やっとそこで私は走るのをやめる。
振り返ると、一人の兵士さんが刺突武器を以て応戦し、もう一人の兵士さんが魔物に向かって上でを伸ばしている。
「喰らえ魔物!!『火球』」
なんか唱えた兵士さんの手のひらから方陣が出てきて・・・・火の玉が出てきた!?
んん!?
え?この世界魔法があるの!?
・・・え?マジで!?
この世界に来て初めの教訓:「この世界には魔法がある」