「六本腕」対「二本腕」ー1
前回と同じ脳内BGM
ふぅ。間に合ったみたい。
あの後、学園の寮に向かってダッシュ、イージス装着、屋根を疾走、現着。
エドワルド・・・だっけ?王子様がやられるの多分よくないから間に合ってよかった。
さぁて、王都での初陣だ。
「メタトロン?誰だお前は?」
「正義のヒロイン様」
「なんじゃそりゃ!?」
「王子様?さっさと逃げないと――」
私に向かって振りかざされた腕を私は片手で抑える。
「―—肉塊になりますよ?」
「足が折れて歩けないのだ」
・・・・そうだったそうだった。
「なら、王子にさらなる怪我が無いようにしなければなりません――ね!!」
一打。
六本腕のカイリキ怪獣、カイリキ君(仮称)は殴られたところを抑え、動かない。
目標:とりあえず王子に負担がないように、かつあの怪人を倒す。
「騎士たちが攻撃してもひるみもしなかった奴を・・・・」
無視無視。
「イージス。行くよ」
『作戦はあるのか?』
「殴り切る。以上」
『なんだそりゃ!?』
イージスが微動し、反対意見を言うが無視
大きく踏み込む。
カイリキ君をこの場から離す。ちょうどカイリキ君の後ろに!!
地面を蹴る。
カイリキ君にタックル!!
カイリキ君は抑えようとするけど、ただ石畳に跡が残るだけ。
「GARURRUUUUUAAAAA!!」
「うるさい!!!」
うるっさいカイリキ君に私は拳を当てようとしたが、腕に阻まれた。
「固ッ!!」
「萎・え・る!!!」
三連撃!!
また腕に阻まれる。
・・・腕が多いってずるい。
『来るぞ!!』
「!!」
六腕同時攻撃!?
「反則ゥゥウウウ!!」
『言ってる場合か!!』
とっさに、腕でガード。
「!!」
やっば!
攻撃もメッチャ重い!!
カイリキ君は一度攻撃をやめる。
・・・不満をあらわにした顔が腹立つ。
「・・・来ないの?じゃあ、こっちの番!!」
拳に力を溜め、シンプルなラッシュ。
手ごたえアリ!!
「―—!!」
ラッシュの途中に強引に攻撃をねじ込んできた!?
ヤバイ、押される!!
『おい、まずいぞ!!』
「!!ガハッ!!」
私の腹に一発。
私のラッシュが止まる。
そうなると来るのは当然―—
――カイリキ君のラッシュ。
最後のアッパーによって私は宙を舞う――そのまま、地面にたたきつけられる。
『おい、無事か!?』
私は立つ。
カイリキ君のラッシュによるけがはもうほとんど完治している。
イージス凄い!!
あの一撃で私の身体にも損傷無し。
すっごい防御力
・・・ん?防御力?
ん~~~~このやり方、私嫌いなんだけど・・・・
「イージス。あとどのくらい耐えれる?」
『いや、まだまだいけるぞ?そんなことよりお前は大丈夫なのか?』
まだまだいける。
よし。言質もとった。
「大丈夫。私は倒れない。倒れちゃいけない」
『・・・無理すんなよ』
「大丈夫」
私は笑う。
ヒーローは常に笑顔でなくちゃ。
『何か手があるのか?』
「作戦名!『攻撃は最大の防御』!!」
『・・・・・それ、ただのごり押しじゃねぇか!!』
「尚、受けるダメージは無視!!」
『すんな!!傷つくのは俺なんだぞ!?』
「大丈夫。コラテラル、コラテラル」
『意味わかんねぇよ!!』
「さぁ、反撃の時間よ」
カイリキ君が嗤う。
もしかすると私の喋っていることが理解している?
・・・・上等!!
私はその場で踏み込む。
地面を蹴る!!
――【『勝敗』≠『腕の本数』】って教えてあげる!!
連続攻撃と連続攻撃がぶつかる。
『六本腕』対『二本腕』
イージスがラッシュを受け止めれる間に決める!!
より早く、より鋭い一撃を、カイリキ君の身に刻み込む。
「うりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃ!!!!!!!!」
徐々に、拳と拳がぶつかる回数が増えていく。
まだ!まだまだ!!
「うりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃ!!!!!!!!!!!!」
カイリキ君の拳のが引き下がっていく。
イージスが悲鳴を上げているが、無視!!
このまま、拳をその身にぶつける!!
「うりゃりゃうりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃ!!!!!!!」
ついにカイリキ君のラッシュが止まる。
ここ!!
「うりゃりゃうりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃ!!!!!!!」
私は後ろに飛ぶ。
一時退却。
カイリキ君の六本腕はひしゃげ、体中に拳の跡が残る。
まだ終わらない!?
あれだけ殴ったのに・・・・
瞬間、カイリキ君の損傷のほとんどが治った。
「何あれ!キモッ!!イージスと同類?」
『バカ言え、アレと同じとか絶対嫌だ』
「だよねぇ。なんで完治したんだろう?」
無駄口叩いている間にも、細部の治癒が果たされていく。
『・・・右胸にある水晶玉から魔力を感知した』
「・・・え?あれファッションじゃないの?」
『なわけあるかぁ!!』
私は構える。
「とりあえず、あの水晶球が怪しいってわけね」
『応』
「なら、作戦続行!!」
イージス:『その作戦名変えない?』
文字数の密度で連打の密度を表しています。
追記:水晶玉のことすっかり忘れていました。
追追記:文章量を少なくして、テンポを速くする。