金とスマホと家賃
「続いては、アンアンが選ぶ抱かれたい男一位にも輝いた、ムラカワアオイさんです」
「おいおい、歌で一位で、抱かれたい男でも一位かよ。こりゃたまらんな」
「いや、僕みたいな男が選ばれて、これもファンの皆様のおかげです」
「何、カッコつけてんだよ。いいこと言うよな」
「ところで、ムラカワさんはご自分でさくし作曲なさるということなんですが、この曲は、どういったときに作詞されたんですか」
「中学生の頃の話です。焼却炉で好きだった小林という同級生とキスを交わして、その時、焼却炉で火傷を負い、救急車を小林が呼んだんです。僕は、搬送され、その病院の医者に殴られました。その時、悔しくて悔しくて、作った特別な曲なんです」
「そうか、そういう悲しい話があったのか」
「はい。とても、悲しくてやりきれない思いでした」
「ムラカワさん、スタンバイのほう、よろしくお願いします」
「はい」
「アオイ、その小林の為にもその悔しい思いの為にも、頑張って歌ってくれよ。ムラカワアオイ君です。『金とスマホと家賃』」
冬が来たぞ
刺身定食の季節
鼻毛をたくさん
ほじり続けろ
冬が来たぞ
餃子持ち帰りの季節
そんなものは国会に押し返せ
ワンダフルポリス
逮捕されるぞ
金とスマホと家賃
私の現金じゃないけれど
「ありがとう、アオイ」