表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

71/153

71 幕間 なかなかに絶景よ?

※エクレール視点になります

『てすてす。こちらエクレール、聞こえますかぁー?』


 鬼神討伐直後に気を失いミーア達に抱えられ、今はアイシャ達の部屋で一人死んだように眠っているレイドへと声をかける。


『…………』


 返事は無し。


『おーい! ヘタレ童貞ムッツリ無職さーん』


 ふむ……これでも反応は無し、と。

 どうやらしっかり眠っているようね。


 最後の魔法は予定外に魔力の消費が激しくて、少しばかり生命力を吸い過ぎちゃった気がしなくも無いけど……私のせいでは無いと思いたい。


 まぁ、この子は意外と頑丈だし大丈夫でしょう。


『ちょぉーと失礼しまーす』


 レイドの体を操り、パチパチと目を開き閉じる。

 視界は良好、体の稼働も問題は無さそうかな。


「よっ、と」


 おもむろに立ち上がると、全身の動きを軽くチェック。

 おーけー、良い感じね。


「さて、……」


 ()()()()()()()()


 限られた時間の中で出来る事を……やるべきことをやりましょうか。


 と、そんな覚悟を決めた直後、おあつらえ向きに戻って来たのはミーア、アイシャ、メイ、サクラの四人娘。


「レイドさんっ!」


 部屋に戻ってくるなり私の……レイドの立ち姿を見つけて全力で抱き着いてくるミーアと、それに続く三人。


 風呂上がりの少女達は顔を上気させ、浴衣に身を包んだ姿はなかなかにエロい。

 アイシャなんていつもはさらしで抑えつけている隠れ巨乳がこれでもかと言う程自己主張してるし、濡れ髪が雫を垂らすのも私的に良きところだけど……


 ツッコミ役のレイドが居ないと寂しいものね。


 あの照れながらも目線を女子の体から外さないムッツリ具合は気持ち悪いけど、それをからかうのはそれなりに楽しい。


 まぁ、今日に限っては居ても困るんだけど。


「心配かけてごめん。今起きたところだよ」


 言いながら一人づつ頭を撫でていく、もちろん目線は一人一人しっかりと合わせて微笑みながら。

 こう言うちょっとした事で乙女心とは動くもの。


 女子が包容力のある男に惹かれるのはいつの世も変わらない……はずよね?

 特にこの子達って初心でチョロい節もあるし。


「レイド君、もう体は大丈夫なの?」


「大丈夫よ……大丈夫だ。それよりも皆に話しておきたい事がある」


 おっと……あっぶねぇ……。

 メイの純粋過ぎる瞳につい素が出ちゃったじゃない。


 童顔ロリ枠の真っ直ぐな眼ってズルいわよね。

 しかも狙ってんのかって言いたくなるくらい、良い感じに浴衣がはだけちゃってるし。


 この身長差で上から覗き込めば……ふふっ、残念だったわねレイド。隙間から覗く乙女の柔肌はなかなかに絶景よ?


 ……って、やっぱりツッコミ役がいないと虚しいだけだわ……。

 私は美少女を愛でるのは好きだけど、同性相手に興奮したりはしない。

 いつものノリはあくまでレイドと楽しむためのものだったりする。


「話したい事、ですか?」


 不思議そうな顔でオウム返しを行うサクラ。

 この子はねぇ……どうしようかしら?


 一応頭数に入れておくか?

 かなりチョロいっぽいし、ひょっとしたらワンチャンいけるかもしれない。


「ああ、これからの事についてだ」


「これから……」


 上気した顔を更に赤く染めたアイシャが意味深に呟く。

 そー言えばこの子はチューしただけで責任とれとか脳内お花畑なお子様だったわね。


 無駄に胸だけ発育してる割には考えが浅はかと言うか、経験値が無さ過ぎると言うか。


 ま、それがお望みなら当然責任は取らせますよ?

 あくまでもハーレム要員としてだけど。


「そう……これからの俺達について、大事な話だ」


 一拍の間を置き、思わせ振りに全員を見回す。


 私には時間が無い。


 レイドが起きる前に、この子達の気持ちをハッキリさせておく必要があるからだ。


 ハーレム要員足り得るか否か。

 ミーアはもう放っておいても固定メンバーみたいなもんだけど、私としては最低限アイシャとメイは加入して欲しい所。


 幸い街の空気は悪夢からの解放からか、お祭り騒ぎの空気が漂っている。

 ちょいと酔わせて、この子達の本音を洗いざらい吐いてもらいましょう。





 私には時間が無い。







 でも、それ以上にレイドには時間が無いのだ。






 結局解呪出来なかった暴食の呪い。

 鬼神を仕留める為に使い過ぎた生命力。





 その影響は予想外にレイドの体を蝕み……

 もう数日の猶予も無く、暴食の魔人復活の窮地に私達は立たされていた。






 だからこそ、レイドには大人の階段を上らせてあげたい。





【作者からのお願い】

お読みいただきありがとうございます!

もし少しでも面白い、続きが気になる、と思って頂けましたらブックマークと

↓の評価☆☆☆☆☆よりお好きな数の星をつけてもらえると励みになりますm(__)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ