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6、子供は苦手です

橘 信司は子どもが苦手だった。


信司は今日は朝から店<猫様が主役>を開いていた。

すると、親子連れが現れた。

信司は親子の首に来店時間を書いた紙をぶら下げた。


「この店では猫様が主役です、お子様から目を離さないで下さい」

信司は笑顔で、親に釘を刺した。


注文は、パンケーキと紅茶のセットだった。

いつも通り、信司はパンケーキを焼き上げ、ヘタウマな猫の似顔絵を描いた。

すると、そのとき信じられないことが起きた。


「ぎにゃああああ!!!」

にゃーきちの叫び声だ。

信司は慌てて、台所から飛び出して様子を見た。

子どもがにゃーきちの尻尾をひっぱっていた。


「貴様! 何しやがる!!」

信司は子どもをにゃーきちから引き離すと、子どもの首根っこを掴んで叫んだ。

「猫様に手を上げる不届き者は子どもでも容赦しねえぞ!!」

親はあせって、子どもと信司の間に割って入った。


「子どものしたことですから。申し訳ありませんが、許していただけませんか?」

親の言葉に、信司は頷かなかった。

「そんなことは関係ない! 猫様を脅かす者は敵だ!」

信司の剣幕に子どもは泣き出してしまった。


「今回はみのがしてやるが、今後は出入り禁止だ。 よく顔をおぼえておいたからな」

信司は子どもにも容赦なかった。

信司はパンケーキと紅茶のセットをテイクアウト用に包んで、親子に持たせると店から追い出した。


「にゃーきち。痛かったですね・・・・・・私の注意不足で申し訳ないです」

信司はしんみりとした口調で、にゃーきちに話しかけた。

その日は、子ども連れのお客は断ることにした。


一日が終わった。


お客は、朝の子連れを含め12人だった。

信司は猫たちを優しくブラッシングして、その日の営業は終了した。



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