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落第中年 invisible game  作者: アボリジナル・ バタースコッチ
14/22

第14話 サムハラ②

「おじさん、後片付け終わったって~」


小娘がそう言うと、松野は

「おお・・・それは有難い」と応じた。

外注とはいえ、「川中島」の囲っている”業者”は粒揃い、丁寧で迅速な仕事に定評がある。

彼は、最優先課題の解決を確信し、次の過程に移ることにした。


「そう言えば・・・貸金庫を開けてもらうことは可能かな」

という言の後、てのひらほどの大きさがある緑色の四角柱を背広の内側から取り出した。


「ん~、承知の助、それじゃぁ符号言ってもらってもいいですかぁ?」

平千佳はそういうと、店内奥にある引き戸を開ける。

ズラリと並んだ縦長の金庫達。

高さは丁度男性の平均的身長ほどであり、松野が爪先立ちしたくらいのものである。

中ほどに取手ハンドルと四角の穴凹、12個のボタン(”いろはに~ぬるを”)、そして回転錠ダイヤルがついていた。


◇◆◇―---------◇◆◇


別図1:ボタンの配置

㋑ ㋺ ㋩ ㋥

㋭ ㋬ ㋣ ㋠

㋷ ㋦ ㋸ ㋾


◇◆◇―---------◇◆◇


「い・り・に、回転ダイヤルは右に13を2回、左に28、右に55」

松野の声に合わせ、小娘は軽妙にボタン回転錠ダイヤルを扱っていく。


「ほ~い、あとはそれ頂戴~」

平の間延びした声が店内に響く。

「ほいさ」

それに応えて四角柱が彼女に投げ渡される。


数秒後、キィ という音がした後、

「開いたよぉ~」

との声に続いて松野は金庫の前へと移動する。


「げっ、何コレ?おじさん官憲じゃないよね・・・?それとも”S”とか王統過激派?」

(小娘が・・・余計な詮索をするでないわぁっ!!)

彼女の問いかけに、またもや己の沸点の低さを自覚しつつも松野は特に応えることもなく、金庫内を見回した。


(15式連発銃:1ちょう、12式半自動拳銃2ちょう、8式回転拳銃1ちょう全茎式フルタングの刀剣2振、15式銃剣1振、その他弾薬多数・・・)

萬屋の店員である小娘が狼狽するほどの備蓄・・・。(特に弾薬の量が尋常ではない)

そう、此処はそもそも松野がいくつか所有する拠点の一つであったのだ。

「隣の金庫ガンロッカーにも、弾がいくらか入ってるよ」

そう言って、松野は右隣のソレを指さした。


「本当に?弾々持ちすぎでしょぉ”おじさん”」

小娘はまたも困惑した。


正体不明の小男に狼狽える平を尻目しりめに、松野は台の上に銃火器を置いて、分解整備や清掃クリーニング、油を注したりした。

「これでよし」

そういうと彼は12式自動拳銃と8式回転拳銃を1挺ずつと15式銃剣をベルトに差したり懐に入れると、平千佳に別れを告げ、次の目的地へと向かった。

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