表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/17

第7話 next

「"ネオ・クレイムスラッシュ"」


 岩壁の上で小さな翼竜の断末魔が響きわたる。


「今日も仕事終了だな!」


「やっと終わったー。帰ってから寝るか」


「ちょ、晩御飯には起きてよ」


 冒険者見習いとして、アレス達とともに依頼を受けるようになってから、早くも一週間。毎日の鍛練や筋トレ、アレスの脳筋発言にも流石に慣れてきた頃だった。


「アレックス君、今日も荷物よろしくね!」


 ミネアは毎回欠かさず、日課のように俺に話しかけてくる。いつも通りそりに載せた荷物を引きずりながら、街へと帰る。



「なぁ皆、そろそろこの街去らないか?」


「アレス、急にどうしたの?」


 晩御飯を食べているときに、アレスが呟くように言った。


「そうだそうだ、アレス、ここ来てまだそんなに経っていないだろ? それに、アレックスの鍛練とかも大丈夫なのか?」


「アレックスのは大丈夫だ。そもそもここに長く留まるつもりは無いって言わなかったか?」


「確かに、最初はね。 元々ここに来たのはヴァンパイア討伐の為だったし」


「確かに、ここにいる理由ももうないか。とはいえ、離れるのは名残惜しいけどな」


「じゃあ、次はどこに行くか?」


「どうせなら、放浪するのもいいんじゃない?」


「アレックスもあまり世界を知らないからいいんじゃないか?」


「アレックス君はどう思うの?」


 正直言って、ここでの生活は、過不足なく不自由もない。だが、せっかくならいろんな所を見て回りたい。3年間も城に引きこもっていたわけだからな。


「俺的には、ずっとここにいなくてもいいかな」


「そうなんだ、じゃあアレス、次はどの街に行く?」


「近場で情報が集まる所に行こう。面白そうな話が聞けるかもしれんし、その次に行く所を探すにもいい」


「そうだな、じゃあミネア、アレックス、支度するぞ」


「明日には出発する? シェイドは酒場のかわいいお姉さんに挨拶しなくていいの?」


「なんで知ってんだミネア!」


「はは、シェイド、ちゃんと挨拶しとけよ?」


「いや、まぁわかってるよ……」



「それじゃあ、忘れ物はないな?」


「当然!」


「アレスこそ無いよね?」


「もちろんだ、じゃあ行こうか!」


 入り口の門を出て、住み慣れた街を後にする。どこまでも広がる青い空と、風に流れる雲に導かれるがまま、歩みを進めた。

 その先に待つ命運を彼らは知らずに……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ