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プロローグ
なろう初投稿です。
とある吸血鬼の構える山の古城。
俺は逃げられなかった。
村が襲われ、俺は一人の吸血鬼の奴隷にされていた。
契約魔法により、毎日自分の血を吸血鬼に捧げる日々。
鎖にはつながれず、牢屋にもいれられていないし、自分用の部屋まで用意されていた。
自由を求め城から逃げようと何度試みたことか。
しかし、毎度毎度気づけば自分に用意された部屋にいる。
「時間だよ。アレックス」
アレックスは俺の名前だ。ここに来てから3年ほど経っただろう。
ここから逃げようなんて考えは既に無い。
このまま一生をここで過ごすのだろう。ずっとそう思っていた。
吸血鬼に呼ばれ、部屋を出ると、突然、辺りが振動する。
「侵入者か! アレックス、部屋で待ってなさい!」
城の内部に冒険者が入って来たのだろう
足音が近い
ここまで誰かが来たのは今日が初めてだ。
―もしかしたら、俺はここから出られるかもしれない―
俺はその思いを胸に秘め、主の間にて対峙する吸血鬼と冒険者達をそっと覗き見た……