宣戦布告と協定2《レオンハルト視点》
ブックマーク、評価ありがとうございます。ちょっとしたヒロインと婚約者レオンハルトのやりとりです。
ヒロインが男の転生者なため、無駄に中身が男らしいです。
「本当に羨ましいかぎりだよ。」
想像は遮断したが、女性同士のスキンシップは、たまに激しいとか噂的に友人に聞いたことがある。
「リアクション低くねえか。」
「·····女性同士のスキンシップに他意などないだろう、それにだお前も過激なことしてヒルメリアに対し嫌われる行為などするとは思ってないんでな。」
まあ過激なスキンシップなどたかがしれてるし、あまり変な行為をこいつがするとは本気で思えなかった。
セイレーンは私の言葉に、呆れながらも小声で呟きつつも
すぐに私の方向を向き合った状態で見つめられた。
「つくづくレオンハルト様ってレオンハルト様だよな。」
「は? どういう意味だ?」
「ああー気にすんなって、こっちの話しだから。」
軽く私の質問をかわす態度に首を傾げていたら、セイレーンは何か閃いたのか小悪魔な悪い笑みを浮かべ
「なあ、レオンハルト様···俺ってば良いこと思いついたんだが、乗る気ないか?」
「話しの条件による、不利益になることは呑まないつもりだ。」
「ふふーん、これ···ぜってえお互いに利益はあると思うぜ。」
パチンとウインクするセイレーンのにやけ顔が不安になるも
このあとに聞いた内容により私はセイレーンと協定を結ぶことにした。
互いにけして不利益にならないやり方で、私がもっとも欲したものを導き出す約束のもとでな。
****
ふと思い出して私は口許がにやけていると、いつの間に来ていたのかセイレーンが横にいた。
「ことはなされたって感じだな、その顔だらしないぞ王子として。」
「しょうがあるまい、ヒルメリアが素を私にぶつけてくれるのだぞ、表情など崩してな···我慢などできぬ。」
「まあ···わからんでもないけど、少しは自重しろよ。ストーカーみたいでこわがれるぞお前。」
確かにヒルメリアの居所を掴む為とはいえ、聞き込みからの追っかけっこに、ヒルメリアを捕まえてる行動は犯罪一歩手前と側近連中にも呆れ気味に注意されたっけな。
「しょうがない少しは自重しよう、少しはな。」
せっかくのヒルメリアの表情を見れるチャンスと追っかけて捕まえたときのリアクションなど
こう心が騒ぐのだ、逃げると捕まえてたくもなるからな。
それにヒルメリアに我慢してたぶん、いま触れずにいられようか。
フフフと笑顔を浮かべていると、呆れるような溜め息を吐かれセイレーンに向けば、本気で呆れられていた。
「まあいいけど。それよりもっだ、俺との噂いい加減に消したのかよ。」
「ああ、そのことなら大丈夫だ、根回しは済ませている。あの断罪モドキも劇の練習にしといたしな、どうせ同じ構成の催しに提案してたし、今頃は受諾されてるだろうさ。」
「あとセイレーンとの関係も、役作りでやってたと側近どもに投げているから大丈夫なはずだ。」
ヒルメリアをせっかく自分のものにするのに、噂など払拭させることは重要だったからな。
「手際の良いこって、まあ誤解が溶けるんは俺もありがたし、それにヒルメリア嬢にこれでアタックできるからな、まずは友達認定してもらって、じっくりと口説こうっと。」
あー良いこと聞いたと言わんばかりに、私から離れていくセイレーンの肩を掴むと
ちょっと不機嫌そうに振り向いて、なに? と目で訴えてきた。
「···まさかと思うが、その事を確認して宣戦布告しに来たわけじゃあるまいな。」
「あたりまじゃん、それが目的で来たんだよ。ライバルとは正々堂々がモットウだって言っただろう。」
ニシシといたずらっ子な笑いに、やはりセイレーンはセイレーンだったなと呆れたが
こうゆう奴は嫌いじゃない
「いいだろう···私もヒルメリアが好きだから譲らんぞ。」
「上等だ受けて立つ。」
お互いに笑み、私はセイレーンの肩から手を離れしたら、セイレーンはじゃあな、と手をヒラヒラ振って去って行く。後ろ姿も顔も女性なのに無駄に中身が男らしい奴だと思っていた。
次の話しは主人公のヒルメリアに戻ります。