身近に敵はいる《レオンハルト視点》
ヒルメリアを遠くより眺めていると、ピンクの髪の女セイレーン・アスカルトが声をかけて来た。
ふわふわ揺れる髪と普段より可愛い感じのモテる女で、最近は私の側近と仲がいいが、色恋というよりも友人に近い様子で接していて、私と同じ生徒会書記として優秀な奴だ。
「なーにしていますの、レオンハルト様。」
「別に良いだろう私が何していようと。」
生徒会の窓際からはヒルメリアが木陰で休んでいて、読書をする姿が見える。
大概はお昼頃は同じ場所だから見詰めていられるのだ、可愛いな。
セイレーンよりヒルメリアに視線を向けていれば、私に近づきセイレーンが横から窓の外を眺め
「うわーヒルメリアじゃんか、めっちゃ可愛いー!!」
は? いま言葉使いが変じゃなかったか?
とセイレーンを見ると私の婚約者を見る目は、恋しているようにうっとりしているようで驚く
なっ!! こいつ女だよな、何で恋の眼差しをしてやがるんだ。
まあこの国としては同性婚は許されてるけど···って違う、こいつ私の婚約者を狙ってないよな。
じと目でセイレーンを睨み付けてしると、私の視線に気づいたようで振り向き意味しんな笑みを向けてきた。
「なんですか、私の顔など見て。」
「お前・・・私の婚約者を狙ってないよな。」
「え? 私がヒルメリア様をですか、そんなことしませんわよ。」
ニッコリと悪意などないような物言いと笑顔に、気のせいかと「そうだよな、ならいい。」と告げた矢先
「な~んて言うと思いましたか、レオンハルト様。」
と一瞬安堵してからのフェイント的な発言に、セイレーンを見据えると先程の表情は一変して
真顔で私を真っ直ぐに睨み付けていた。
「いつか言おうかと思ってたんですが、私は転生者で···前世は男なんで、ヒルメリア様のこと譲ってくれませんか、レオンハルト様」
「は? お前って記憶持ちなのか!? って言うか、ヒルメリアを譲れだとふざけるな、誰がゆずるか!!」
「チッ融通が悪いなお前、でもそれだけヒルメリア様が好きなんだけどよ。」
「セイレーン、お前···それが素か?」
思いっきり私に牽制してきたセイレーンに、こいつ不敬罪で罰したくなるが、記憶持ちは大事にせよ。
と先代より伝わっているし、ここは学園で身分など関係ないようにが、常であるため我慢する。
「まあね、どうせ正々堂々と恋のライバルは潰すのが俺のもっとうだからさ。」
「それ、側近の前でもしてるのか?」
「はは···まさか、そんなことしてねーっての。まあ一人は知ってるけどな。」
「だからといって私が一人で狙って来てたわけか。」
「ああーそれは偶然だ、ヒルメリア様を一番に見れる場所って、生徒会室が良いかと思ってきわけ、
で···生徒会室に来たら、あー邪魔なライバルがいるから腹立ってさ。いまにいたるわけ、わかった?」
そう説明をしたあと、真顔からのいつもの笑みに戻り、私に指をたてて爆弾発言的な宣戦布告された。