いちいち、わたくしの胸キュンポイントをつつくな!
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どうだい引き受けてくれるよな? と言いたげな感じで首を傾げながらの捨て犬感を醸し出す表情の攻撃に
無駄にイケメンなせいで、己れの魅力を出す婚約者にキュンポイントをつつかれる。
男のくせに、なんだ···その態度は! 普段から表情筋を動かさないのに、可愛いじゃありませんの
ですが惑わされなくてよ、これはわたくしを嵌める罠だって、わかってるんだから!!
「手伝う義理はなくてよ、わたくしは生徒会の住人ではないんですから。」
生徒会ならわたくしの協力など必要はないはずだし、もとよりわたくしが何か出来るわけないわ
出来ることは自分たちで処理すればいいんだわ、あのこだっているしね。
「まったく素直じゃないが、あの頃よりいいな。」
警戒を含めて言い返してやったのに、反論すればするほど彼はクスクス笑い、わたくしの手を掴み
「生徒会の住人じゃなくても私の婚約者だろ、ならばれっきとした関係者だと思うけどな。」
と優しい声音と、微笑み軽く手の甲にキスされてしまう。
な、な···なにを、しやがりますのーーーー!!!
「おや···赤くなってどうしたんだい。」
ふふっとしてやったり感のレオンハルトの笑みに、カーッと熱の篭るのを霧散させようと手を離そうと足掻くも、離すきのないレオンハルトにムカッとして睨む
「赤くなってませんわ、いい加減に離してくださいませ!」
「いや、離してあげないよ。」
「子供ですか、あなたは。」
「うん、君の前じゃあ子供でいいかな、だから引き受けてくれるよね。」
「は? なんでそうなるんですか、って上目遣いで捨て犬感を醸し出さないで」
ジーっと見詰めるレオンハルトの表情と行動に、好きじゃないはずなのに可愛いとか、幻影の犬耳までみえはじめ、いちいちキュンキュンポイントが加算していき
わたくしを陥落させていく、本当にやだ···この人
「わたくしが手伝えば手を離して下さいますか。」
もういいわよ、今回だけならと気持ち的に諦め気味に言ったのに、レオンハルトは頷きながらも手を離そうとせず、抱きつかれ耳元で
「ふふ···引き受けてくれて嬉しいよ。」
と甘く言われ、わたくしは咄嗟に耳を手であてた。
「なにしやがりますのーーー!!!」
キッと睨むとレオンハルトはクスクス笑いながら身体を離し
「いい反応で、可愛いよ。」
「バカ、あんたなんか嫌いだよーだ!!」
べーと舌を出して、つい···いつもより言葉を崩して言い返してしまうと
レオンハルトの笑みに深みを増して、「うん、いい。」とか呟かれた。