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閑話 反論出来ず、セイレーンに挑発される。《レオンハルト視点》

私の中にある憤りはヒルメリアが退出したことに気づいた瞬間に机を叩きつけておさめるも、側ではセイレーンの勝ち誇った表情を視覚に入れば怒りが、ぶり返しそうに上昇しかかる。

はあー落ち着け、落ち着くんだ。

ここで表だって感情を出せば、この男の思惑に嵌まる可能性もある。


そう己れに言い聞かせ深呼吸をしセイレーンを見据える。


「あれ···ヒルちゃんがいなくなったのにさあーえらく冷静なのな。」


クスクスと愛嬌のある可愛い感じの仕草をする女性の姿はあれど、中身は男性の転生した魂を持つ奴でヒルメリアを奪い兼ねないライバルだと知っているせいか、苛立ちしかない。


「何がヒメちゃんだ、愛称で呼ばれるなど私は許してないぞ!!」

「····プッ、それって殿下が愛称で呼ばれないから羨ましいって聞こえるんだけど。それにさあ殿下の許可は必要ないと思うんだよな、だってヒメちゃんからお友達宣言を貰ったし愛称の許可は同意のもとで完了してるから、口出し無用かと俺は思うけど。」

「·········」


セイレーンの言葉は正論すぎて反論出来ず苛立ちから舌打ちが漏れる。


「やれやれ情けねえな。こんなことで反論出来ずにいるとは、つくづくヒルメリアを預けられなくなるよ。」


ピクッ


「まったく俺を恋敵だと認識させるために、わざわざ俺の秘密を話してやったのに···宣戦布告した意味ないよなー、やれやれ心が狭く器の小さな王子様だよな。」


ピクッピクッ


「あーでも、それも良いかもな。殿下が正直じゃないぶんは俺が友達として触れたって文句はないし、女性同士色々と接するのもありか、ありがとうよ殿下。」


「ふ」

「ん?」

「ふざけるな!! 人が黙って反論しなかったぐらいで、挑発されねばならんのだ。そ、それに貴様····ヒルメリアに何をする気だ、不埒な真似などさせぬぞ···!!!」


あまりにも我慢のならない物言いと言い分にさすがに冷静など要られず言葉にすれば、セイレーンがニヤリと悪戯が成功した表情を浮かべる姿があった。


「ハハハ、すっげえ独占欲だねえ。けど···やっとこさ本音を出したのかよ。やっぱり器が小せえ男だな。」

「····お前こそ、ヒルメリアの前では猫被ってるではないか!」

「そりゃあーー大好きな女の前でこんな口調だと、警戒されるんでね。

せっかくお友達から始めよう計画がおじゃんになるのは困るんだよ。」


お友達計画ねえ、いっそのこと素を出して嫌われろと思うが

こいつのほうが一歩ヒルメリアに近づい有利なため敗北感が否めないのも事実。

私も策を練って、この状況を打開せねばヒルメリアとの溝は深くなるばかりだろう。


だがムカツクが一歩リードの地点にいる、こいつからしたら余裕綽々で壁となり邪魔し、

小馬鹿と見下ろす顔が、さあ俺のところまで来れるのかねえ~とほくそ笑んでいるように見える。

同じ男(魂の奴)とは、けして二重の意味合いで····こいつには負けられないと決心した。


****


互いに牽制と新たな気持ちに奮起してたとき、バンッと生徒会の扉が勢い良く開け放たれた。


「おい、レオン···いるか!!」

「マティアスか、どうした···お前がそのように慌てるなど珍しいな。」

「確かに普段より多く動揺してるよな。」


うん? セイレーンの奴····いま男口調のままで話してないか?

チラリと奴の方を見れば、俺の思ったことを汲み取り真っ直ぐ頷いて見せる。


「マティアスは俺の幼馴染み何で、殿下に話して事実は知ってるぜ。」

「そうなのか、マティアス。」

「まあな。っていうか、いまレンの事は置いておけ···結構大変な事になってるんだ!!」


マティアスは余計な話題を省かせ、此処に来た理由を述べた。

学園に設置されている4ヶ所の結界の魔道具が壊され、魔物が生徒を襲いあちこちで負傷したりしていると報告を受けたらしいのだ。


どういう事だ、俺が調べていたときと情報が違う合致しない。

やはり何者かが中より手引きしているってこと····ならば今ヒルメリアは一人ってことではないのか!

俺は嫌な推測に行き着き、背中に冷たい寒気を感じた。


「おい····魔物の目撃と負傷した生徒の安否、ここまでの経緯をもっと詳しく話せ。」


ヒルメリアの事がすっごく心配だが、俺がやらねばならぬ役割があり理性を我慢する。

きっとブルームの奴が機転をきかせ動いてくれているはずだ。

なんだかんだでヒルメリアのことを気にかけているからな。


そう己れに言い聞かせてマティアスに告げると、ことの詳細を詳しく話し始めた。


俺とマティアスの様子にセイレーンは、すぐに何が起きているのか知ったように黙って外を眺め

「もうすぐ、あのイベントが始まるんだな。」と聞こえない呟きを溢していた。

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