閑話 セイレーンからの先制攻撃は結構ダメージがあったようだ 後編
セイレーンの奴がヒルメリアを隠すように前に出るなり
「あら、いつもの余裕綽々な貴方が、えらく動揺してますのね。」
とヒルメリアにくっついて勝ち誇った笑顔で言われイラッとする。
確か動揺はしているさ、セイレーンとヒルメリアが仲良さそうに一緒だったからだ。
「···ぐっ···私は別に、動揺などしていない。」
ふーん、と言いながら顎に手をあて
「そうかしら、その不機嫌な顔は負け犬のようよ。」
とか指摘され、言葉に詰まる。
くっそムカツク奴だな。
冷静に顔には出さないようにしたが、こいつは私への先制攻撃を仕掛けていると確信した。
ここで油断すればセイレーンに負ける。
ジロッと舌打ちをしたのち睨んでやると、セイレーンは余裕綽々な態度でニヤリと不敵に笑みを浮かべるなり
ヒルメリアの肩に手をあて近づき親しげな態度で声をかけていた。
なっ! 私のヒルメリアに触るな。
ギリギリと手を握りしめ苛つきましたを我慢してセイレーンの動向を見守れば
私は耳を疑いたくなるような驚きと動揺が一気に走る。
「ほーら、ヒメちゃん。扉の前じゃなくて椅子に座ろう!」
「そうですわね、レンも一緒に座ろっか。」
「···ふふ···ですね。」
ん!? ん? は、はあああああーーーーーー!!!
ヒメちゃん、レンってなんだ!!
それは愛称か、愛称呼びなのか!!!
ふ、ふ、ふざけんなよーーー。
私など、このかたヒルメリアとしいあってから幼い頃まで【レオンハルト様】呼びなのだぞ。
なんでセイレーンが愛称呼びされてやがるのだ!!
それにヒルメリアもヒルメリアだ、こいつは一応は女性だが
心は男なのだぞ、軽々しい愛称呼びなど私は許さんし不愉快だ。
ガタッと怒りのあまりに机に足をぶつけたが、いまの私には気にする余裕がない。
そんな私への当て付けか、セイレーンはヒルメリアとコソコソと会話し、手を引っ張り仲の良さを見せつけてきて一緒に並んで座るとヒルメリアは悪い気がないようで、私には見せない笑顔をセイレーンに向けていた。
チクチクと痛む心と先制攻撃でダメージを受けるような痛みが交差し
負けるかと奮起した。
「···絶対に負けねえ。」
セイレーンがその気なら、喧嘩は買ってやる。
私はヒルメリアを男だろうと女だろうと渡さない。
彼女は私だけの女性なのだから。
私は立ち上がりスタスタとヒルメリアの隣に無言で座れば、セイレーンがへえーそうくるんだって顔をされたが、お前だけには譲らんと不敵に笑ってやった。
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私とセイレーンとの攻防はヒルメリアを挟んだ状態で説明することで
静かな戦闘はきって訪れた。
「で、ここで盗難があったわけだ。」
「ヒメちゃん、ここがね爪があったんだよ。」
互い互いに書類を近づけてヒルメリアに身体を密着して説明すると
ヒルメリアは交互に向いては話の聞き役に徹し
ときおり考えては意見をくれ、事前の対策案や自身の立案などをくれた。
やはりヒルメリアは、其処らへんにいる女生徒とは違い、きちんとした物事を考えてくれ
私の間違いを指摘してくれるなと、改めて感心する。
それに普段からの無表情とは違い素で恥ずかしそうな素振りをする所などキュンキュンする。
が、セイレーンがイチイチ邪魔してくるせいで不愉快と不満がつのっていた。




