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夢現の幸せ時間1

ブックマークありがとうございます。

なんとも自然に手を差し伸べられてしまい戸惑うも、しゃがみこんだままなのは側にいる相手に悪いかと

マティアス様の手に自分の手を置くとグイッと引っ張って立たせてくれました。


「ありがとうございます。」

「気にしなくていい、俺もやり過ぎたしよ。」


ちょっとばかり照れくさげながらも己れの非を認める姿が少し可愛いと思いクスクスと笑ってしまう

そんなわたくしの反応に何を思ったのか「これが素なんだよな。」とか呟かれて深い溜め息を吐かれました。

ですが手に視線を向けたせいか、マティアス様の声などスルーしていました。


何故って···だって思い出して下さいませ、わたくしは先程マティアス様に立ち上げてくれたのですわ。

その事から導き出される答えは一つ、わたくしとマティアス様の手は何故か離される事なく握られているのです。


このままでいれば、マティアス様の事を好意的に思っていらっしゃる女性方の誤解を生んでしまうとおもうのです。急いで離されなければ、マティアス様にもご迷惑をおかけするきがしますもの。


「···マティアス様···あ、あの···手を離してくださいませんでしょうか。」


ジッと手元に視線を向けたままでの願いに、マティアス様は少しの沈黙のあと小さく笑声と一緒に


「このままで店に行こうか、その方が面白そうだしな。」


と楽しげな声と共に歩き出すせいで"え、あ···あの、それはこ、困りますわ!"と怒鳴ったのに聞くきがないのか

わたくしの意志など無視して歩く。ですが掴む手は強くはなく優しい感じで進む気遣いが

紳士然としていて困り、もういいやとやけくそ気味に抵抗せずについていきました。


****


案の定行列ではわたくしとマティアス様のことを女性方がボソボソと呟いていらして

なんとも居心地が悪く、ほら···やっぱりわたくしなんかと一緒に、それも手なんて握ってるから

分不相応にもマティアス様の横にいるんじゃないわよ。

とか思われていることは必至ですもの、だから別段にマティアス様の面白いことあるわけないのに。


チラリと横を見れば今頃、きっと不機嫌になって、あら反応が違いますわね

どちらかと言えば機嫌が良い? って感じかしら。


不可解だわ、マティアス様の何処に機嫌が良くなる要素があったの、はなはだ疑問だわ。


ジッと見て首を傾げていると、わたくしの視線に気づいたのか、こちらを振り向く目が見事に合う。


「なんだ···俺などに熱い視線を送るとは、そんなに見惚れるか?」

「は···い? 何でそうなるんですの違いますわ。」

「そうか···それは残念だ。ならば何故に俺を見ていたんだ?」

「マティアス様が機嫌良いのが気掛かりでして、どうしてかなーっと思ったのですわ。」


ちょっとばかりマティアス様の言葉に否定しましたが、事実見惚れることはなくとも格好良い分類であることは認識していますし、わたくしとは分不相応の相手である。

だからわたくし自身が疑問に思ったままを話したのですが、余計に機嫌が良くなってしまい

ただ一言「秘密だ。」とだけの返事のあと前方に顔を背けられてしまいました。


わたくしは何が秘密なのよ! 

じれったく、格好つけて言ってんじゃないわよ。


とか文句が出そうになるも、並んでいる女性方から

「嫌ね、痴話喧嘩なら他所でやってほしいわ。」とか「見せつけるわけ、ムカツク。」と耳に入り

グッと我慢した。確かにはたから見れば恋人同士の痴話喧嘩だものね、でもわたくしとマティアス様とは

そんな関係ではなく、ここのケーキの新作に惹かれただけだと口に出して言いたい。


ですがマティアス様の機嫌を壊すのは得策ではないのでいいませんけど。


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