婚約破棄されると思ってた
【あらすじ、お話し→お話】 幼い頃から貴方との約束は、いつも口約束ばかりだったわね、けして私に触れてはくださらなかった。
そう···いまだって貴方の瞳には、あのこだけを見ていたもの。
なら···何でわたくしなんかに、話しかけたりしましたの!
何でわたくしに婚約話を約束させたの!
こんな未来を見せつけるため!
いいえ、違うわね。
信じていたんだわ、口約束でも···貴方は、わたくしに好意を持ってくれていたんだと
でも違うんだといま自覚しました。
だって貴方はあのこを庇い、わたくしに冷たくも愛情などを持ってもいない瞳で見下し断罪しているのだから
狂わすほど恋した貴方は酷い人、そして憎いわ
「···そのような目もできるのだな、ヒルメリア・ブリアーナ。」
「ご託は良くてよ、王太子殿下。」
ふふ、えらく冷めたのね貴方に、憎い気持ちがあるけれど···もう、それだけ
どうせわたくしの悪は消えないもの、だから最後の演技を見せて差し上げますわ
わたくしは黒いオーラ演出し、悪に堕ちた女になる、あっ···ちょっと楽しいわね、ふふ
「さあーわたくしを罰しなさい、こんな女などいらない婚約など破棄すれば宜しいじゃなくて。」
そうなるなら、そうなっても別にいいわ。
貴方がその子を好きで結ばれるなら、もう別にどうでもいいもの。
さあ、悪を裁くならはやくしなさいよねえ!
もともと、好きでいたけれど、最初はどうでも良かったんだもの。
まあ人柄から仕草、口約束だけど約束はくれた。
触れず、愛情など貰ってなかったけど、大事にされたいと、寂しい気持ちから勘違いしたんだと
いまならわかるから。
裁かれたならわたくしは自由よね、もう束縛されないし、貴方に構う必要もないし
あら、罰されあとの未来って天国かしら?!
いけない今から断罪食らうのに、笑ってはだめよわたくし
それにいても、いっこうに断罪されないわね何故かしら
跪かされたままの状態で、上を向くと彼はあのこと何か話ているようだった。
おい、こら! いち令嬢をこんな体勢にしといて、イチャイチャしてんじゃないわよ!
イラッとして彼を見ていたら、わたくしの側で押さえつけていた二人が手を緩めて離す
は? 何であんたらまで離すわけ!?
理解出来ない二人に訝しげて睨めば、イチャイチャしてた彼とあのこから突拍子ないは発言をされた。
「君を許そう、ヒルメリア・ブリアーナ。」
「もういいです、許しますわ。」
は? え!? 何で···許しますの、意味がわかりませんわ!!
バッとイチャイチャの二人を見れば、互いに対照的笑顔があって、わたくしはこのとき逃がさないと言わんばかりの迫力に、つい近くの人物に怯えたのだった。