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「自由への鐘」・「ホワイトアウトのむこうがわ」
「自由への鐘」
そとをみた
まどからそとを見た
ミドリの木々が風でゆれて、手を振っている
わたしは、彼女に会釈した
そとをみた
まどからそとをみた
そらはオレンジ色に変わっていた
もうすぐ一日がおわる
彼は、わたしの自由を祝福してくれているのだ
鐘がなった
これは自由を知らせる福音だ
わたしは、自由への逃亡を決意する
そこはそこは、ユメのセカイ
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「ホワイトアウトのむこうがわ」
しろきものは地にへと降り注ぐ
そのしろさは、すべてのものをオブジェに変えていく
白は無であり、死でもある
そして、白は再生でもあるのだ
緑の木々は樹氷へと変わり、水は氷へと生まれ変わる
丘は白くなだらかになり、視界は白くかわっていく
わたしはここで生きているのだろうか
それとも物として存在しているのだろうか
それはわからない
すべては、ホワイトアウトのむこうがわ




