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第62話 「3日目11時45分」

20180104公開


 時間が開きましたが、久々の更新です(^^;)

 ただ、1カ月の間、毎日20回くらいのアクセスのみがされていました(各話へのアクセス無し)。

 もしかして、ブックマークをされておらずに、更新したかどうかの確認の為にアクセスされていたんでしょうか?

 ちょっと謎です(^^)


20180104:ペンネーム修正

 



 黒ポメの集落に保護されていたのは、とある部活動が全国的に有名な高校の学生たちだった。

 彼らも授業中に『召喚』された点は俺たちと同じだったが、実体化した場所が問題だった。

 黒ポメの集落から見ると南に行った先の草原だ。

 そこにはトリケラハムスターではなく、毛が少ない羊もどきと草食の豚もどきが群れを作って生息していた。

 俺たちが狩場にしている草原よりも獲物が多く、しかもトリケラハムスターよりも狩り易いせいで、異なる2種類の肉食の種族が生息している地帯だった。

 槍で武装している黒ポメでさえ、犠牲になる者が出る様な草原に放り込まれた高校生たちはいきなり狼もどきの集団に襲われた。

 割と固まって実体化したが、パニックになった彼らは算を乱してバラバラに逃げた。

 その過程で、授業をしていた現国の男性教師と男子校生5人が犠牲になったらしい。

 集落近くまで逃げて来た『被災者』を発見した黒ポメが保護と同時に捜索隊を派遣したが、喰い散らかされていた遺体の数から保護された20人以外に逃げ延びた『被災者』は居ない様だ。



 そして今、予期せぬ再会が目の前で行われている。 

 『召喚』に巻き込まれた高校生は、清水有希しみずゆき君のクラスメートだったのだ。

 場所は、黒ポメたちが集会や訪問者の宿泊などに使う大きな建物の中だ。

 8㍍×7㍍ほどの広さが有るので、34畳くらいは有るだろう。

 特筆すべきはこの集会所が高床式と言う事だ。

 日本でも高床式倉庫などが縄文時代に現れたが、その流れを汲んだものと言う気がする。

 まあ、俺も写真で見たくらいで詳しくは知らないので、後で山本氏けんじゃか佐藤先生に訊いておこう。

 


「有希っち、めちゃ強そう!」

「楓ちゃんと水木ちゃんとこの家族に比べたら、私なんか、弱いって」


 そう言って、有希君がこっちを見た。

 釣られて、有希君を囲んでいた13人の灰色のブレザーとスカートで身を包んだポメラニアンもどきがこっちを見た。

 背中に当たる視線には、『なに、この猫みたいな可愛い生き物!』という感情、『これで強いの?』という不審、『こんな可愛いのに強いんだぁ』という驚きと、その他にも様々な感情が混じっていた。

 無視するのも変なので、振り返ってみんなを見た。

 1人、顔をとろけさせている子は無類の猫好きなのだろう。

 下手な反応をすると、変な誤解を与えるので、敢えて軽く頭を下げるだけにする。

 慌てて、全員が頭を下げたが、さっきの子が1人だけ満面の笑顔で手を振ってくれた。

 うん、猫好きに悪い人間は居ないから、きっといい子だろう。

 サービスに猫耳を動かしてやる。

 反応は、上々だった。

 楓と水木に逢ったら、もっと好反応が期待出来るな。

 さすがにこっちをじっと見続けるのも失礼だと思ったのか、もう一度頭を下げてから彼女たちは再び会話に戻った。


「でも、奇遇だね。七海ちゃんの授業参観に行ったのに、こっちで逢うなんて」

「うん、そうだね。心配かけてごめんね」

「そういえば、七海ちゃんは?」

「おかげさまで、無事だったよ」

「もしかして七海ちゃんもドラゴンになったの?」

「ううん、みんなと同じ種類だよ。でも、毛は白いから印象が違うかも」

「えー、見てみたい!」


 盛り上がっている女子生徒と違って、俺の前に座っている男子生徒たちは口数が少なかった。 

 女子生徒たちが、たくましくも気持ちを切り替えたのに対して、未だ犠牲になった友達の死を引きずっている様に見える。

 とはいえ、いつまでも落ち込んでいて貰っても困る。

 今後の事を考えると、俺たちの集落を造る中心になって貰わないといけないからだ。


「さっきも言ったが、明日の朝には俺たちの集落に来て貰う。未だ住居も足りない状況だが、少なくとも言葉が通じるだけでも気が楽になる筈だ」


 俺の言葉に何人かが頭を上げた。

 最初に俺に話し掛けて来た男子生徒が少し考えた後で質問をして来た。


「住居が足りないと言う事は、幾つかは建てたって事ですか?」


 彼の言葉の意味を理解したのか、更に数人が顔を上げた。


「ああ。子供たちの寝床にしている。まあ、テントみたいなものだがな。これからの話し合いにもよるが、木の板が手に入ればちゃんとした家を建てる気だ」


 テント代わりなら河原に落ちている流木でも構わないが、本格的な住居を作るにはちゃんとした木材は不可欠だ。

 木材は伐採してもすぐには使えない。乾燥させないと反るからだ。

 それに、木を板状にするには専用の道具が必要だ。俺たちの手持ちの資材では不可能だ。黒ポメの集落頼りと言って良い。

 まあ、木造だけでは無く、簡易レンガで家を作る方法も試す予定だ。

 簡易レンガの作り方は山本氏けんじゃがネットの動画で見たらしいので、その真似をする予定だ。

 問題は手に入り易い河原周辺の土が簡易レンガ作りに向いていなかった場合だ。向いていなかった場合は結局のところ黒ポメから回してもらう木材が重要になって来る。



「宮井さん、僕からもいいですか?」


 山本氏けんじゃがそう断ってから、男子生徒たちに話し始めた。


「この中で、俺TUEEEEEという言葉を知っている人は居るかな? 知っていたら手を上げて欲しい」


 さすが、山本氏けんじゃだ。

 俺とは全く違うアプローチを仕掛けてくれた。

 そして、驚いた事に全員が手を上げた。


「それでは、自衛蒸巣じえいむす砲丸ほうがんという名を知っている人は?」


 5人が再び手を上げた。


「僕がその自衛蒸巣・砲丸です」


 その5人の反応は見物だった。

 きっと、金井さんがこの場に居たら、『リアクション芸人として合格やで』と言ったに違いなかった。



お読み頂きありがとうございます。


 時間が開きましたが、久々の更新です(^^;)

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