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第十三話 桜舞う中で

 こころコ 第十三話 桜舞う中で



 「今日から3年生かぁ・・・実感がわかねえな・・・。」

学級会で入学式の話をしている中、八志智が呟いた。

 「クラス替えも今年はなかったしな。また奈留たちと一緒かよ・・・はぁ・・・。」

ため息をつきながら、額に手を当てた。

 「・・・それでは、みんなそれぞれの役割を始めてください。」

仮の学級委員長がそう言うと、みんな立ち上がって教室から出ていった。

 「アヴィスちゃんと鈴ちゃんと宗助と八志智と私は体育館裏の雑草抜きよ!!」

今日も奈留は、張り切っている。

 (めんどくさっ・・・しかし、やらないと生徒指導室に呼ばれてわけのわかんねえ作文書かされるんだろうなぁ・・・。)

八志智は渋々体育館に向かった。



 「そういえばさ、近頃エリーザちゃん見ないね。アヴィスも見てない?」

雑草で泥のついた手を掃いながら、奈留が訊いた。

 「みてないよ。」

アヴィスの制服に泥が付いているが本人は気にしていないようだ。

 (クリスマス以来、エリーザの姿を見なくなった。フェニックスの言いつけで自分から戦えなくなったからだろう・・・。まあ、そのおかげで平和だが・・・。)

 キーンコーンカーンコーン

 「チャイムが鳴った。んじゃ雑草抜きはここまで!みんな、手洗いにGO!!」

奈留はダッシュで蛇口に突撃した。



 (学校と部活が終わって奈留たちと別れた後、アヴィスと宗助と俺はいつも通りの軽い冗談を交えながらの授業の話や先生の愚痴をしながら帰り道の桜並木に差し掛かった。)

 「それがね・・・・・!!」

アヴィスがいきなり話を止め、立ち止まった。冷めた顔をしている。

 「どうし・・・!!」

宗助も何かの気配を感じ取ったらしい。

 スゥッ・・・

桜の木から誰かが下りてくる。足が浮いている、天使のようだ。しかも二人だ。

 「僕はオルビー。」

 「ワタシハ ネオン。」

オルビーとネオンは八志智たちの方に軽く会釈した。

 「さっそくで悪いんだけど・・・アヴィスさんだっけ?今、遂行中の契約を破棄してほしいんだけど、ダメ?」

 「 ?? 」

アヴィスは状況が分からなくて困っている。

 「破棄シナイト、ワタシタチノ契約ノ邪魔ニナル。ソノ場合、アナタヲ削除スルコトニナリマス。」

ネオンが片言な喋り方で言った。

 「さくじょ・・・・ってなに?」

アヴィスには削除の意味が分からないらしい。

 「こうゆうことさっ!!!」

シュッ  カランッ・・・

アヴィスの頬擦れ擦れを何かが通り過ぎ、地面に当たる音がした。最初は虫かと思ったが、振り返って見ると、コンクリートに切れ目が入り、10cmくらいの長さの針が突き刺さっていた。

 「この針には猛毒が仕掛けてある。まともに二度食らえば確実に死ぬ。・・・時間をやろう。次に会うまでには破棄する準備をしておけ・・・。」

そう言うと、オルビーとネオンは飛び去っていった。

 「・・・・・。」

アヴィスたちはただ、その場で立ち尽くすだけだった。



 第十四話に続く・・・


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