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1-7 開放

 さてさて今日はなにをするかな......


 あ、そうだ。ダンジョンの開放はもうできるのだろうか?


 暇だし召喚も配置も一通り終えたわけだし丁度いい。コアにでも聞いてみるか。


「コア召喚。」


『お呼びでしょうか、マスター。』


「ダンジョンの開放ってもうできるか?」


『可能でございます。ダンジョンは1ヶ月もすれば自動的に解放されますが、マスターの意志により早期開放することが可能です。早期開放することにより、ダンジョンの設備が整う前に攻められ滅んでしまう恐れはありますが、開放日が早ければ早いほど早期開放ボーナスが貰えます。』


 ふむふむ。メリットは特典の付与、デメリットは敵の侵略、か......。


 早かれ遅かれ敵と戦うことにはなるわけだし、モンスターの配置ももう終了してるし、DPももう少ないからすることもないし、開放するとするか。


「ではコアよ、開放を実行せよ。」


『畏まりました。』


 ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎


「いやー今日は大量だったな!」


「そうだね!うまい具合に仕留める事が出来たし......今夜はご馳走かな♪」


「終わった気でいるのは早いぞ、エリー。まだ魔物は出てくるかもしないんだし、警戒は怠るなよ?」


「大丈夫だよ♪だってサーシャがいるもん!」


「そうにゃ。私がいる限り敵を察知できないにゃんてことはにゃいんだにゃ!」


「全くお前達は......帰ったら宴会でも開いてやるから、もう暫く頑張ってくれよ?」


「「「了解!」」」


 俺たちは帝国のギルド“龍の息吹”に所属しているBランクの冒険者だ。


 自慢ではないが、同期の中では一番優秀だと噂され、憧れのAランクへの昇格もそう遠くはないと言われている。


 今は討伐推奨がSランクからの依頼を受け、依頼を成功させて帰る道中だ。


 初めてランクが上の依頼を受け、無事に成功させれるか不安だったが......無事に成功することができ、本当に嬉しい。良い仲間を持ったようだ。


「なに立ち止まってるの?たいちょー?」


「ああ、すまんな。本当にいい仲間を持ったものだな......と思ってな。」


「私達は、隊長が率いてくれるからこそ力を発揮できるんだにゃ。これからもよろしくにゃ?たいちょー♪」


 ふふふ、嬉しいことを言ってくれる。仕方がないから今夜は奮発して普段は食べることができない鉄甲蟹でも食べさせてやるとするか......


「っ!?なにかが震動してるにゃ!警戒するにゃ!」


 突然、サーシャが毛を逆立てて注意を促してきた。サーシャが判断を間違えたことなどないから、心配だ。新手の魔物でないといいのだが......


「!!!あれをみるにゃ!」


 サーシャが指し示す方に目を向ける。そこには、今までの冒険者活動のなかでみたことのない光景がひろがっていた。


 俺たちの前方には、巨大な山がある。ただ、それまではただの変哲もない山であった。だが、震動と共に突如山の中腹あたりに謎の空洞がせりあがってきていた。おそらくあれは新手のダンジョンであろう。俺たちも何度か潜ったことがあるが、新しく出来る場面を見るのは初めてだ。


「どうする隊長?冒険者の義務として、未発見のダンジョンはギルドに報告しなきゃならないが......一度潜ってみるか?体力も魔力も減っているが、できたばかりのダンジョンはまだ魔物が育っていないと聞いたことがある。運が良ければ宝も取れるかもしれないし、一度潜ってみないか?」


 そうだな......多少消耗しているとはいえ、俺たちはAランクだ。できたてほやほやのダンジョン程度ではやられることもないか。流石に帝国に近いとあっては、危険度も正確に伝えた方がいいかもしれないしな......


「よし、そうするか。お前達、着いてきてくれるな?」


「「「勿論!」」」


 この時の俺はどうかしていたかもしれない。宝と名誉に目が眩んで、正しい判断が出来ていなかったのかもしれない。周りに持て囃され、浮かれていたのかもしれない。自分たちだけで攻略しようとなどせずにギルドに報告してから他のメンバーと共に行けばよかったものを......嗚呼エリー、サーシャ、ドレッド。不甲斐ない俺を許してくれ......

7/22 変更:ランクをAからBに変更し、文を少々追加しました。

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