1-5 初めての召喚
連続投稿です。
「なんだこいつは......?」
とりあえず俺は黒い生物にDCMを翳す。
【ステータス】
種族:暗黒龍〈幼生態〉
名前:ノーネーム
Lv:1
総合戦闘力:☆3
技能:なし
能力:暗黒魔法Lv.1
詳細:古の種族【龍種】の頂点に立つ二大龍種のうちの一つ。幼生態なためまだまだ力は弱いが、成長するにつれ強さは桁違いに上がって行く。
※名前を付けると、成長する速度が上がりますが、一度倒されてしまったら復活することはありません。名前を付けるか付けないかは慎重にお考えください。
......龍か!!!龍といえばひたすたでかいというイメージしかなかったが......こいつはまだ幼生態なのか......。だがしかし、成長の度合いは凄いらしい。育てるのが楽しみだな......。
最後の一文はコアからのメッセージか?名前か......。
成長する速度が上がるということは、名前を付けるなら早いうちに付けておいた方が良さそうだな。なにがいいか......。ふむ......。うむ、これにするか!
「おい龍。お前の名前は、今日から“漆黒”だ!」
途端、漆黒は蒼く輝き出した。
光が収まった時、漆黒の両翼には紅い蝙蝠の印が記されていた。
「お前には、これから俺が王になるために沢山働いてもらうこととなるだろう。だが、今はまだその時ではない。だから、力を蓄え成長しいつかはその名に見合うような龍となるのだ!」
「ピシャーーーーー!!!」
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「ようやく召喚することができるか......。」
DCMの【召喚】の項目を選び、粘体をタッチする。
“スライムを召喚しますか?”
「承認だ。」
いよいよ、自分の手で召喚できるのか。そう思うと星夜の心は少しだけ湧き上がった。星夜ももともとは純粋な青少年である。当然、RPGやらなんやらにもはまっていた時期はあった。勿論、剣道に支障がない限りの範囲で、ではあったが。
DCMが光を放ち始めた-----かと思うと、光消え失せてしまっていた。
「どういうことだ!?何故召喚ができない!?」
“召喚魔法陣【小】が設置されておりません。よって召喚は不発となりました。”
「またコアの不備か......。今度会ったら文句の1つや2つは言ってやらねばならないな......。おっと。これはなんだ?」
突如、空から真っ白い紙が降ってきた。
そこには、丁寧な字で簡単にこう書かれていた。
『なにかあったらDCMの【ヘルプ】をお使いください。使い方は、【ヘルプ】を押して質問事項を口に出せばいいです。』
...だからこういうのはもっと早くに言ってもらいたかったものだ......。
俺は急いで【ヘルプ】を押し、質問する。
「召喚魔法陣【小】はどこで買えるんだ?」
『召喚魔法陣等のダンジョン内での設置アイテムは、購入することで使用できるようになります。購入する場合は、【売店】を押していただくと購入画面へと移り、そこでマスターが欲しいものを言えばDPと引き換えに購入することが可能です。』
ならば早速購入するとするか。
俺は指示どうりに【売店】ボタンを押し、望む。
「召喚魔法陣【小】を一つ頼む。」
“500DPになります。”
......これが高いのか安いのかは判断し兼ねるが、まぁ先行投資と考えると悪くはない額であろう。
さてどこに設置するか......。まぁとりあえず部屋はまだ一つしかないんだし、ど真ん中にでも設置しておくか。
さて、今度こそ召喚が出来るのか......。
“スライムを召喚しますか?”
「承認だ。」
召喚魔法陣の紋様に黒い線が走る。
そこからでてきたのは某有名RPGに出てくる様な青いスライム......ではなく、赤黒く禍々しい色のスライムであった。
表記上、漆黒のことはナイトと呼ぶことにします。