1-4 片翼との出会い
「さてと、まずはモンスターでも召喚してみるとするか......。」
そういってモンスターを召喚しようとした矢先、DCMが鳴り始めた。
「まったく、なんなんだ?」
画面を覗いてみると、【連絡】の文字が震えていた。タッチしてみると、そこから立体ホログラムが出て来、先程別れたばかりのコアの姿が浮かび上がった。
『申し訳ありませんが、マスターに伝え忘れていた事がございました。』
まったく、そういうものは始めに伝えておいてくれよな......。
『要件は二点。一点目は、モンスター召喚や部屋増築、拡張などダンジョンに関する行動を取る場合には、毎回 DPというものが必要になります。初回限定ですが、私からマスターに2000P贈呈させていただきますので、こちらをご活用なさってください。二点目は、モンスターについてです。先程少しばかり触れたかもしれませんが、DCMは☆が上がるごとに機能が解放されて行きます。モンスターに関しても同様で、☆が上がるごとに召喚可能なモンスターが増えてゆきます。当然、☆が高ければ高いほどより強く、便利なモンスターが召喚可能となりますので、精進なさってください。連絡が遅れたお詫びに、これを進呈させていただきます。では、ダンジョン製作頑張ってください。』
なんだったのだあいつは......。しかし召喚するのにDPが必要とはな。なんでもかんでも好きにできるわけではないのか。これは考えて行動せねばな......。
その時、DCMから軽快な音楽が流れ、なにかが表示された。
【能力付与チケット〈個人用〉】
【能力付与チケット〈配下用〉】
【モンスター召喚チケット〈レア〉】
どうやらコアからの品らしい。名前から察するに俺と配下に一つづつ能力を与えてくれるものと、配下を召喚することができるチケットらしいな。
〈レア〉ということはモンスターにはレアリティがあるのだろうか?
ふむ、配下用のはとっておくとして......俺用のチケットではコアの話に出てきた“敵モンスターをテイムすることができる”能力でも手に入れるとするか。
“能力付与チケットを使用されますか?”
「ああ。対象は俺で望む能力は“テイム”だ。」
“承認しました”
その言葉が表示され、ファンファーレが鳴り響いた。
DCMをすぐにチェックする。
そこには、能力:モンスターテイムLv.1と表示されていた。
「これでもしも敵との戦闘になった場合でも安心だな。よし、これでようやく俺の配下を召喚することができるか......。なにが選べるのであろうか。」
【召喚可能モンスター一覧】
・ 粘体:粘着質の物体。物理攻撃は効かないが、魔法に弱い。
分裂することができ、水場にいると効率が上がる。10DP。
・ 小鬼:二足歩行の醜い生物。力は弱く頭も弱いなんの取り柄もない。
命令には忠実だが、難しい命令はこなせない。15DP。
・ 骨人:骨。二足歩行の動く骨。自らの骨をつかった攻撃をする。
ゴブリンよりかは賢いが、所詮骨。20DP。
「......これだけかっ!?」
少ない。少なすぎる。いくらまだ☆が0だからといってこれは少し酷すぎるのではないであろうか。コアの嫌がらせかと勘ぐってしまう。
「......先に先程のチケットを使用してみるか......。」
先程の【モンスター召喚チケット〈レア〉】の詳細を読んでみると、召喚できるモンスターはランダムだが、強力なモンスターが出てくるらしい。
“モンスター召喚チケット〈レア〉を使用されますか?”
「頼む。」
そういうと、DCMが眩しく輝きだし......目を開けるとそこには、小さな角を生やしこれまた小さな翼をもった黒い生物が現れた。
7/11 サブタイトルを変更させていただきました。