1-3 DCM(ダンジョンコントロールマシーン)とは
『ではマスター、まずはダンジョンの形状はいかがしますか?』
「形状だと?一種類だけではないのか?」
『いえ、現在は、地上だけですが、その中にも樹海,洞窟,墓場などいくつもの種類があり、ランクが上がるにつれて解放地域が増えていきます。一度場所,形状を決めると変更することは不可能なので、ご注意ください。』
ふむ。最初は無難な洞窟にするか?いや、それでは面白味にかける。それなら今俺は吸血鬼になったことだし...
「おいコア、最初のダンジョンは墓場だ。」
これなら雰囲気にも合うだろう。
『かしこまりました。初ダンジョン作成記念に、こちらの道具を差し上げます。」
「これはなんだ?どうやって使うんだ?使用用途は?」
『こちらは、DCMといい、これを使って御自由にダンジョンを制作することができる優れものです。』
「DCM......そんなものがあるのか......。ん?それではお前はなんだ?必要あるのか?存在価値がないなら、置いてくぞ?」
丁度いい。この怪しげな奴が使えないなら捨てて行くかな......。
『いえ、マスター。私は、マスターがお造りになられたダンジョンの環境を整える役割を担っております。ダンジョンは、造りたいように造ればいい、というものではありません。モンスター同士の相性、住みやすい環境、ほかにも色々とすることがあります。私を捨てる、捨てないはマスターの自由ですが、連れて行ってくださった方がマスターにとってもいいともうのですが......。』
ちっ、しょうがない。連れて行ってやるとするか。
「わかった。お前を連れて行くが、俺のやることに余計な口出しはするなよ?あと、なにかをするにしろ俺の許可を求めろ。逆らったら捨てる。いいな?」
『イエス、マスター。』
ともかく、これで俺のダンジョンが造れるのか......。どれ、すこしDCMをいじってみるか。何ができるのやら......。
【現在のステータス】
マスター名:太刀花星夜
ダンジョン:墓場のダンジョン☆0
戦力:マスターのみ
総合戦闘力:☆5
技能:太刀花流武闘術
能力:吸血,影魔法Lv.1
制作してからの日数:一日目
etc......
「ここに出ているステータスとはなんだ?」
『説明します。まず、マスター名はそのままマスターのお名前が表示されます。ダンジョンは、マスターがお造りになられたダンジョンが表示され、隣の☆は現在のダンジョンのランクが表示されます。戦力は、マスターのダンジョンにいる戦闘要員が表示されます。総合戦闘力は、☆1から☆20まであり、現在はマスターしかいらっしゃらないため☆5となっております。技能欄には、マスターが所持なされている技能が記録され、能力も同様に記録されます。そして、制作してからの日数とは、マスターが初めのダンジョンを造られた時からの経過日数が表示され、一定の日にちを達成されますと日数ボーナスが配布されます。』
「☆の強さはどうなっている?また、技能と能力の違いはなんだ?」
『☆は、1〜5が初級,6〜10が中級,11〜15が上級,16〜20が最上級となっており、これでダンジョンの強さを測ることができます。一概には言えませんが、技能とは主に武術に関係するもので、能力は主に魔法や種族に関係するものと捉えておいてください。』
「☆が上がるとなにかいいことでもあるのか?」
『☆が上がると、DCMで使える機能が増えます。機能が増えることにより得られる恩恵は、ダンジョンを運営するに当たって便利なものばかりですので、是非お早めに上げることを推奨します。』
これで今の所の疑問点は解消されたな。では、俺だけのダンジョンを作るとするか......。モンスターを配置すれば☆も上がるだろうし、俺自身も鍛えれば更に強くなれるし総合戦闘力も上がる......設備とかはコアに任せるとして、まずは俺のモンスターでも召喚してみるとするか......。
『最後にマスターにこれを。』
そういって渡されたものは、一冊の古びた本と禍々しい刀であった。
『これは、前マスターが所有していた品です。所有者を倒されたということは、それはもうマスターのものとみて差し支えないでしょう。』
今気づいたけどこいつなかなかにいい性格しているな...。まあありがたく受け取っておこう。断る理由もないし、武器も欲しかったところだしな。
『ではマスター、お望み通りのダンジョンが造れることを、影ながらお祈りさせていただきます。なにかあったら、【コア招集】とでも呼んでいただければ、すぐに参ります。マスターのダンジョンが世界一となれますように......。』
勿論だ。
7/6 訂正:スキルを能力に変更しました