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1-13 双竜との邂逅

最近リアルが忙しくて投稿することが出来ずに申し訳ありません。

「......ここは......どこだ?俺は......そうだ。たしか【神代憑依(ゴットディペンデンス)】を使って骨と戦って......負けたのか?でもそしたらなんで生きているのか......?兎に角進むしかないか。ここにいてはなにもわからないしな。もしかしたら進んだ先に宝があるかもしれない。死んだあいつらの親に金を渡してやらなくちゃいけないしな......」


 暗がりの中を、俺は進む。そして、見てしまった。そこに鎮座する二体の生物を。


 始めは先に出てきた小鬼や骨の親玉かと思った。先程のように激昂し我を忘れなければ、消耗した今でも倒せる。そう思い安堵した。


 だが、現実は無情であった。目の前の二つの影。その正体は黒と白の龍であった。


 龍といえば、秘境魔境の奥地に生息し、稀に街道にでてくればSランク以上の者50人が集められ勇者を筆頭に討伐隊が組まれるという常人では敵うはずもない幻の生物だ。


 龍につけられたランクはX。


 だったら人のXランカーが討伐すればいいじゃないか、と思うかもしれないが、人間と魔物のランクの付け方は違う。単純に、同じランクの物を倒せる、というわけではなく、そのランクの者数人が集まって倒すことが可能なランク、というわけである。


 しかし、龍にも下位から上位、そして【唯一体(ユニーク)】と強さに幅がある。


 そして今隊長の前にいる龍は......勇者探検記にも出てくるかの有名な“神聖龍”と“暗黒龍”であった。


 だがしかし、最強最悪の龍と伝えられている暗黒龍は幼生体のようだし、勇者を助け導いたといわれる神聖龍も幼生体のようだ。


 気性が穏やからしい神聖龍はともかく、凶暴な暗黒龍までもが幼生体ということは不幸中の幸いだ。ろくに戦えもしないだろう。いける。速攻大技を叩き込めばいくら頑丈な鱗に身を守られている龍とて倒せるであろう。


 そう思い、言を紡ぐ。


「其は氷。万物をも凍てつかせる極寒の風となれ......【永久凍土(エターナルブリザード)】!」


 冷たい風が渦巻き、暗黒龍へと向かう。まずは一体。攻撃に秀でた奴を最初に潰せば勝利は確実だろう......そう考え、放った一撃。残魔力の半分を削る大技だが、あと一発放てる魔力が残ればいい。暗黒龍の死を見届けるため、目を向ける隊長。必滅の一撃がもう少しで届く......というところで、竜巻と龍との間に割り込む一つの黒い影があった。


 ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎


 《太刀花流武道術・一の型六式!緋鳳旋風(ひほうせんぷう)!》


 隊長の攻撃から漆黒(ナイト)を護るかのように星夜の刀から展開される紅の衝撃波。その姿はまるで子を護る親鳥のようであった。


 隊長の渾身の一撃を難なく受け止め、霧散させる星夜。自らの攻撃の命中を信じて疑わなかった隊長の顔には、驚愕、そして恐怖の色が浮かんでいた。


「よくも俺の配下(なかま)を狙ったな?その罪、決して軽くはないが......今は気分がいい。出口を“造って”やるから、とっとと逃げろ。いつまでもグダグダしているようなら......貴様の首は胴とおさらばしてしまうかもなぁ......」


 その言葉に腰を抜かしてしまった隊長。己の誇り(プライド)のためにも敵に慈悲をかけてもらうわけにはいかない......そう思いつつも、星夜が放った技の圧倒的威力に恐れをなしてしまっていた。戦っても破れるのがおちだ。だったら、恥も誇りも全てを捨てて逃がしてもらうのが良いだろう。暗黒龍、神聖龍とそれを従える男。この存在をギルドに伝えなくてはならないし......


「どうか......よろしくお願いします。」


「うむ。心得た。」


 星夜が右手を壁に翳すと、そこには今まではなかった穴が生まれていた。


 驚愕する隊長。だがしかし、うかうかしていては殺されてしまう。疑問をねじ伏せ、いそいそと立ち去ることにした......


「......これで俺のダンジョンの存在を周りに知らしめることが出来たであろう。ククク......ますます楽しみになってきたな......まあ、今日はもう疲れた。ステータスの確認は明日行うとするか......」


 そう言うと、星夜は奥の自室へと戻るのであった。

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