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1-10 vs聖魔

 ついに俺達のパーティーは二人にまで減ってしまった......どれもこれも俺がきちんと

 状況を見極めきれなかったから二人を死なせてしまったんだ......せめてドレッドだけでも生き延びさせてやらなければ......


「ついたぞ、隊長。大丈夫か?」


「あ、ああ...大丈夫だ、すまんな。」


「気持ちはわかるが、気持ちを切り替えろよ?まだ俺達はダンジョンの中にいるんだ。いつ襲われるかわからないんだから、いつまでもくよくよしてるんじゃない。」


 ドレッドを心配させてしまった。ドレッドの言うことも最もだ。早くここを攻略して、あいつらに墓を作ってやらなければ......


 そんなことを考えていると、まわりからカタカタカタカタと音が聞こえてきた。


「ドレッド?どうしたんだ?何の音だ?」


「ん?おれじゃないぞ?」


「......じゃぁ一体なんの音だっていうん「うわぁあっ」ドレッド!?」


 突如地中から現れたなにかにドレッドが引きずられて行ってしまった。慌てて追おうとするが、今度は白いなにかが生えてきて道を塞いでしまった。


 ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎


 俺は、どうやら骨人らしきものに引きずられているようだ。らしきもの、というのは、骨人らしく骨でできた身体をしているのだが、普通の骨人とは少しだけ色や格好が違うからだ。おそらく、この部屋の主なんだろう。


 骨系統には......土だな。


「其は橙。全てを還す砂塵の礫となれ......【土礫連弾(サンドバレッド)】!」


 地面から無数の礫が浮かび上がり、骨人を攻撃する。この魔法のいいところは、初級なので消費魔力が少なく、周りに土さえあればいくらでも発動できるところだ。


 礫の嵐が巻き起こり、砂煙が立つ。これにより、奴の手の中から脱出することができた。砂煙が収まるとそこには傷ついた奴の姿が......ではなく無傷で佇んでいる奴がいた。


「チッ.......少しでも傷ついていればよかったが......」


 まあいい、倒す手段はまだある。


 土でだめとなると次は......


「其は蒼。岩盤をも打ち砕く鋭き撃流となれ......【大波津波(ダイダルウェーブ)】!」


 これは、水属性中級に位置づけされている魔法だ。本来ならば周りに水を必要とする魔法だが、空気中、地中から掻き集めなんとか発動させた。普通の人なら発動させることはできないが、そこは俺の実力......とあとはこの杖の力によってなせる芸当だ。まあ少し無茶をしたぶん、魔力が底を尽きてしまったが、その分威力も上がっているはずだ。


 この技を喰らえば並大抵の骨人なら砕け散るはず......!


 しかし、現実は無常であった。波飛沫が途切れた時......そこにはまたもや無傷の聖魔の姿があった。


 そして徐に動き出す聖魔。倒し切ったと思っていたドレッドは、魔力の急な消耗もあり反応することができない。


「なかなかの技だったぞ......小僧......だが......技術が、修行が足りん!」


「骨が......喋っただと!?」


「特別に我が聖魔法(とっておき)を味合わせてやろう...感謝するがいい!」


「いや、別にいい。それよりもなぜ喋れるんだ!?器官が足りないだろう!器官が!どういう構造をしているんだ!」


 その質問には答えず、ドレッドの腕から杖を奪い取る聖魔。


「なかなかの杖だな......おい小僧、貰うってやる。感謝しろ。」


「なっ!?おいその杖は俺が、仲間が一生懸命材料から集め......「知るか。」返せよ!」


 聖魔に掴みかかるドレッド。だが、いくら接近戦が苦手とはいっても、人間と魔物では元の膂力に違いがありすぎた。軽く振り払われるドレッド。そして......


「楽しませてもらったぞ、小僧。これは礼だ。受け取れ。」


「っ!?やめろ......っ!」


「光り輝くは幾筋の矢。集い束なり我が(とも)を滅せ......【光穹烈穿(ホーリーレーザー)】!」


 聖魔の周囲の空気が歪み、輝き、次の瞬間そこから出現した光の矢がドレッドを襲う。魔法で防御しようとするが、残る魔力は空。なすすべもなく貫かれ......術が解かれた後、そこにドレッドがいたという存在を示すものはなにもなくなっていた。

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