前作設定集
前作を読まれていない、読者様の為の簡易設定集になります。
マグナ王国
小説の舞台、その中心となる王国。
歴史の古い国で、精強なる騎士の国として知られる。
解放戦争
マグナ王国国王であった父王を殺し、玉座を纂奪したハインリヒ五世。
この纂奪王の支配からの解放、王家の正統性の回復を掲げ、行われた戦争。
解放軍が勝利を収め、ハインリヒ王を排斥。
王家正統の血を継ぐ、カール三世が国王として推戴されることとなった。
カール三世
マグナ王国国王。本作第1話時点で、四十四歳。在位四五年。
在位期間の方が、年齢より数ヶ月長いという、特異な経歴を持つ国王。
この経歴は、解放戦争の際、『遠国の魔女』の行った献策が原因。
まだ母親の腹の中にあった胎児の時に、産前戴冠を経て、王位に就いた。
その即位のエピソードから、産前王の異名を取る。
遠国の魔女
本名、長谷川 雫。前作主人公。
この世界にトリップする以前は、日本の女子高生だった。
重度の歴女であり、あらゆる時代、国の戦史に精通する。
トリップ後は、カール三世の父、コンラート王子に仕え、数々の献策を行った。
嘗ての解放戦争で、解放軍を勝利に導いた最大の功労者。
ただ、敵はおろか、味方からも魔女と畏怖された、異色の英雄。
解放戦争後は、早くに両親を亡くしたカール三世の後見人に。
摂政として、幼き王の代わりに、政を取り仕切った。
しかし、成長したカール三世が親政を望んだ結果、王都を追われることに。
コンラート
纂奪王ハインリヒの兄であり、本来王位を継ぐ筈だった、元王太子。
側近として、『遠国の魔女』を取り立て、重用した。
弟を倒すため決起して、解放軍を率いることに。
しかし、志半ばで戦死。『悲運の王太子』と呼ばれることとなった。
七将家
建国王と共に、マグナ王国の礎を築いた英雄たちの末裔。
首都近衛軍を除く、王国正規軍第一~第七軍の軍団長は、建国以来の慣習として、常に七将家の当主が就任する。
その為、第一~第七軍は、正規軍とは名ばかりの、七将家の私兵軍団と化している。
一個軍団、公称ニ万にも及ぶ軍勢を保有し、また、建国に携わったという、絶大な権威を有する。
これらから、名実共に、七将家は王家に準ずる家門となっている。
前作では、ラザフォード、フーバー、マクシミリアン、レグーラ、ギュンターの、五家が登場。
ただし、フーバー家は、前作中に一族全員が処刑され、既に断絶している。
リリー・ギュンター
第七軍軍団長。王国軍における階級は大将。七将家の一、ギュンター家当主。
解放戦争直前に父を、解放戦争中に兄を失い、急遽ギュンター家当主に就任。
ギュンター家当主就任に伴い、第七軍の軍団長の地位に就いた。
この軍団長就任の際、少佐から大将へと、六階級特進という、マグナ王国史に残る、前代未聞の野戦特進を果たしている。
解放戦争終盤では、解放軍の副司令を務めた。
この時の、名目上の総司令官が、未だ産まれていないカール三世であった為、実質的な総司令官であった。
解放軍総参謀長を務めた、『遠国の魔女』とは、戦友の間柄。
魔杖
解放戦争中盤に、『遠国の魔女』が開発した新兵器。
火の秘薬を用いた武器。つまり、銃火器の類である。
解放戦争中は、開発時間、開発費用を抑えるために、最も原始的な銃火器の一つ、ピーシュチュラが採用された。
この新兵器の導入により、騎士でも、傭兵でもない、庶民上がりの民兵を、短時間で戦力化することに成功した。