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俺が魔法少女ルナだ!  作者: みずきなな
第十一話 『魔法少女チーム』対【魔法少女混合チーム】 ここはシリアスだけどごめん!
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バトルⅩⅠ-Ⅱ

 金色の鎖が《チャキンチャキン》と、まるで生き物のように一直線にルナを目指して伸びてゆく。


【なっ?】


 ルナは咄嗟に身を躱すが、まるで誘導されるように鎖は逃げるルナを確実に捕らえた。そして、そのままルナの胴に巻きつき、両腕ごと締め上げた。

「よしっ!」


 魔法少女の一人がぐっと鎖に力を篭める。そんな魔法少女と自分を何度か見てルナはやっと気がついた。

 あれ? 俺ってまさか罠にかかったのか?


【こんちくしょう!】


 そう、ルナはその性格をなぜか魔法少女たちに熟知されており、簡単な誘導に引っかかったのだ。結果、簡単に魔法少女たちの言動に踊らされてたあげく罠に引っかかってしまったのだ。

 そして、もはや死語と思われる叫び声と共に力を入れるが鎖は切れない。

 見れば魔法少女が二人で鎖を手に持っている。そして、鎖はほのかに発光していた。


 その鎖を見てルナは理解した。

 この世に光る鎖なんてないよな? じゃあこれって魔法の鎖か!


「ルナの動きは封じました!」


 顔を強張らせるルナをよそに、鎖を持つ片方の魔法少女が叫んだ。


「動きを封じたからって油断しちゃ駄目よ。ルナは魔族の中でもトップクラスの戦闘力なんだからね」


 もう一人の鎖を持つ魔法少女が表情を険しくする。


「わかってる。油断はしないわ」


 ぎゅっと締まるルナに巻きついた鎖。


【痛たたたたっ! 痛いって!】


 文句を言うが鎖は緩まない。

 くっそ痛い! 締めすぎだろ! 俺はMじゃないぞ!

 痛みに顔を顰めるルナ。


「作戦Bに移るわよ!」

「OK! ルナを倒せば賞金は7億ね! 山分けでいきましょう!」


 ルナを取り囲む魔法少女たちがお互いに励ましあう。そして…

 ルナは魔法少女たちのある一言に、痛みも忘れて目を丸くして口をぽかーんとあけて呆気に取られてしまった。


【な…7億だと? 俺の賞金が7億!? 何だそれ! 今年のジャンボ宝くじかよ!」


 ルナは思わず金額に突っ込んだ。ピンチなのに突っ込んでしまった。痛いのに突っ込んでしまった。

 まさかの突っ込みに反応に困った魔法少女たち。そのうちの一人が、


「き、金額だけは同じだね」


 なんて微妙に反応してくれたりしてくれた。


「馬鹿っ! 何で反応してんのよ!」


 その隣の魔法少女が慌ててその魔法少女に怒鳴る。


「えっ? 反応しないと悪いかと思って…」

「悪くないからっ! いちいち敵のボケに突っ込まないでいいからっ! それより作戦開始よ!」

「ご、ごめんなさい…」


 反応してくれた魔法少女が怒鳴られて顔を真っ赤にした。どうやら天然な子らしい。

 そして、その魔法少女の謝罪を合図に全員が再び戦闘態勢に入った。

 ルナはと言うと、【くそっ! わたりてつやめぇぇぇ!】なんて無意味に心の中で叫びながら全身に力をこめている。


「む、無駄ですよ! この鎖は100人乗っても大丈夫なんだからねっ!」


 何か突っ込みどころが満載な台詞を吐いたのはさっきの天然系魔法少女だ。しかし、


【うがぁぁぁぁ!】


 ルナが唸り、そして緋色の目が光ったかと思った瞬間、魔法の鎖が砕け散った。


「きゃぁぁぁ!」


 鎖を制御していた二人の魔法少女がバランスを崩して地面に転げた。

 魔法少女二人の魔力を注ぎ込んだ鎖がまさか切れるなんて思っていなかった周囲の魔法少女だち。そんな魔法少女たちに動揺が見えた。


「魔法の鎖が砕けたっ?」


 一人の魔法少女が驚愕の表情を浮かべている。そして、先ほどの天然系魔法少女も驚きを隠せない。


「100人乗ってないのに…」


 違う方向で驚いていた。


 ☆★☆★☆★☆★


【遅いですっ!】


 ソルの鉄球が魔法少女の一人を弾き飛ばした。

 重量級の打撃武器を正面に受けた魔法少女は野次馬の人垣の中へと転がり込んでしまう。


【その程度の実力で私を倒せると思っているのですか?】


 ソルが冷たい視線をその魔法少女におくると、倒れていた魔法少女は悔しそうな表情でソルを睨みかえす。が、言葉が出てこない。

 外野はのんきな物で、まだこれが撮影かと思っているらしく、「すげぇリアルだな」なんて言っていたりする。

 そして、魔法少女はピンクのステッキを杖がわりにすると、ふらふらと立ち上がった。が、


【貴方はもう休んだ方がいいわ】


 ソルの言葉と同時に、その魔法少女にまるで光のドーナツのような魔法がいくつもぶつかった。

 ナゼにドーナッツ型なのか? しかし、その理由はわからない。

 結果、その魔法は格闘ゲームならば18連コンボくらいに連続で魔法少女に当たりまくり、言葉にもならない悲鳴を上げて魔法少女はその場に崩れ落ちる。

 またしても戦闘ドレスが飛び散っていた。それも正面が。しかし、ルナは残念ながら近くにはいなかった。残念ですね。ルナさん。(byナレーション)


 再び戻ってルナ。


「漆黒の魔法少女ルナ! かくごっ!」


 ルナに向かって紫色の戦闘服の魔法少女が大きな剣を振り下ろした。


 は、早いっ! 連邦のモビルスーツは化け物かっ! なんてアホな冗談を心で叫びつつニヤリと微笑むルナ。


「ルナっ! これでも食らえっ!」


 凄まじいスピードで空中から振り下ろされた大剣がルナに迫る。


【見えるっ! 俺にも見えるぞっ!】


 同時にルナの瞳が赤く光り、大きな漆黒の鎌が紫色の電撃を放ちながら振りぬかれた!


「えっ!?」


 その斬撃のスピードに驚く紫色の戦闘服の魔法少女。なんとか防御姿勢に移行しようとしたが、斬撃は大剣を真っ二つに折り、戦闘服をも簡単に引き裂いた。


「きゃあぁぁぁ!」


 紫色の戦闘服が切り刻まれ、魔法少女は血飛沫ちしぶきをあげながら意識を失い墜落する。

 もう戦闘服が破れたとかそういう問題じゃない。戦闘服はずったずったで前ははだけてもろ見え状態になった魔法少女。

 しかし、そんな魔法少女を見て焦ったのはルナだ。マジで焦る。下着を見る余裕も無く焦りまくった。


 なっ!? 何で? 軽く振りぬいたはずなのに?


 血まみれの魔法少女を、二人の別の魔法少女が救援に来た。そして、引きずるように後退してゆく。


「レイカ! レイカ! 大丈夫? レイカ!」


 魔法少女を引きずりながら、涙目で叫ぶ救援の魔法少女。

 どうやらルナが倒した魔法少女の名前はレイカと言うらしい。

 短髪でボーイッシュなシンプルな戦闘服の魔法少女。しかし、今は顔面蒼白で戦闘服は真っ赤に染まっていた。


「うぐぐっ…」


 墜落の衝撃で意識を取りもどしたレイカが苦しそうに唸る。


「早く! 早く止血しないと!」

「……わ、私に…構わないで…いい…」

「駄目だよ! 私達は仲間でしょ!」

「………くっ」

「どんな時だって…私たちは一緒だって言ったじゃん!」


 叫ぶ魔法少女の瞳から一粒の液体がこぼれ落ちる。


「……」

「だから…だから、貴方が構わないでって言っても私は構うからっ! 助けるからっ!」

「………あっ…ありがとう…」


 そのままレイカは涙を見せたまま意識を失った。

 その会話を聞いたルナの額には汗が滲む。


 ええと…これって何?

 あれっ? 俺ってもしかしてすっごく悪役な立ち位置だったりする? いや、確実に俺が悪者だよなこれは?


 周囲の野次馬はどう見てもルナを厳しい目で見ている。

 子供からは恐れられ、そして魔法少女たちには温かい視線が向けられていた。

 しかし、そんな中でもルナを支持する奴は一人もいなか…いや、いた。「おおおっ! ルナ! カッコイイぞ! ダークサイド最強!」と目を輝かせているいかにもオタクな男性だ。

 男性は手を振りながらルナに満面の笑みを振りまいていた。


【あ、ありがとう】


 ダークと言われ微妙に嬉しいような嬉しくないような…しかし、思わずお礼を言ってしまうルナ。すると、正面から魔法少女の力のこもった怒鳴り声が聞こえた。


「よくもレイカを!」

「ルナぁぁぁ! 許さない!」


 ルナはハッと気がつくと、無数の魔法弾が背後から迫っている事に気がついた。

 なっ? 魔法攻撃だと?


【やばっ!】


 反応が遅れたっ! と思った矢先だった。その魔法弾がまるでコースを間違ったかのようにルナに当たる前に四方に散開するじゃないか。


【えっ?】

『今は戦闘中です。余所見は現金です…』


 ルナの背後には厳しい表情の少年少女の姿があった。そして、唇からは血が滴り、瞳は涙でいっぱいになっている。心の中でかなり葛藤したのだろう。

 ルナは【現金じゃなくって厳禁だろ】と、素で作者の漢字の間違いを突っ込みたくなったが、突っ込むのをやめた。


『僕はルナさんの担当だから…決めました。一緒に戦います』


 目を真っ赤にして、涙を流しながら笑顔でそう言った少年少女。

 何かその表情に心臓が跳ね上がるルナ。胸が熱くなってしまった。


 そうか、こいつはこいつですごい苦悩して、考えて、そして俺を助けてくれたんだ。

 俺は…そう、俺はこいつとペアなんだ。こいつとは切っても切れない間なんだよ。

 ここで俺が攻撃を躊躇しててどうする? ここで躊躇したところで何にもならないだろうが。

 相手が傷ついて俺が心を痛めても、こいつはら攻撃の手を休めてくれるのか? 無いだろ? じゃあ、この躊躇は何になるんだよ? 何もならないだろ。おい俺…


 ルナは自分に問いかける。

 夜音が死んでもいいのか?

 ソルが死んでもいいのか?

 少年少女が死んでもいいのか?

 ルナは大鎌を持つ手に力をこめた。


 答えは否だ。嫌だ。俺は……


 ルナは鎌を構えると唾を飲み込む。

 こいつらを護るんだよ! こいつらは俺の仲間なんだ!


【お、お前ら! 死にたくなければ引けぇぇl!】


 水平に一閃。たったそれだけで紫色の真空の刃が魔法少女たちへ向かって高速で飛ぶ。

 数人の魔法少女がその真空の刃に巻き込また。そして血を噴出し倒れた。


「ルナぁぁ! よくも!」


 憤慨する残った魔法少女たち。しかし、さっきルナに反応した魔法少女だけは神妙な顔で様子を伺っている。


【黙れっ! お前らが攻撃をしかけてきたんだろうが!】


 ルナは叫んだ。

 そう、これは戦闘なんだよ。やるかやられるかなんだ。俺だって魔法少女になったばかりの時にテラと死闘を繰り広げたじゃないか! 死にそうになったじゃないか!

 俺は戦うしかないんだ。そう、アムロだって大好きなララァを殺さなきゃ駄目だったんだ。あの台詞を思い出せ! これって戦争なんだよね! そうだよ! 戦争なんだよ!(いや、戦争じゃないです)


【うぉぉぉぉ!】


 ルナは咆哮を上げる。そして、激しい暗黒のオーラに包まれた。

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