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俺が魔法少女ルナだ!  作者: みずきなな
第七話 もしかして俺って役立たず!? 主人公補正はどこいった!
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バトルⅦ-Ⅴ

 ルナは夕暮れの湖畔にしゃがみ込んでいた。

 カーっと顔を赤くして、両膝を抱えるような形でしゃがみ込んでいた。

 そして、その横には血がついた下着が落ちている。


「み、見るなよ!」


 ルナは耳まで赤くしてフィレオに向かって怒鳴った。

 しかし、フィレオはまったく動揺する事もなく笑顔のまま。

 そして、ルナの恥ずかしさを払おうとしたのか、満面の笑みで言い放った。


【大丈夫ギョ。僕はルナの裸を見ても何も思わないギョ】


 その一言にルナが眉間をピクリと振るわせる。


 な…何も思わない? だと?

 いや、別に何か思って欲しいとは思ってなんかない。

 だけどどうなんだ? 俺は一応は女になっているんだぞ? それで何も感じないのはどうなんだよ!

 いや、いやいや…そうは言っても所詮は男だ。何もないなんて不全すぎる。


 ルナは疑うような目つきでフィレオの股間を確認した。

 薄い布生地の海水パンツのようなものを穿いているフィレオの股間は容易に確認が出来る。

 ルナはパチパチと瞬きをした。


 見間違いなんかじゃない…確かに何も反応してない…


 なんかちょと悔しいんだけど…

 恥ずかしさよりも悔しさが上回った瞬間であった。


【それよりも怪我は大丈夫ギョ?】


 ルナの背中に付いた血糊を見たフィレオから笑顔が消える。そして、ルナの背後へと回るとルナの怪我を確認し始めた。


【血は止まっているけど、これは酷い怪我だギョ!】


 フィレオの説明によると、俺の背中の傷は右肩から右太腿付近まで見事な程にスッパリと斬られているらしく、傷の深さは数ミリらしい。

 あとちょっと回避が遅かったら、今頃は俺は真っ二つだった。


【ルナ、痛くないギョ?】

「あ、ああ…そんなに痛くないな」


 フィレオは考えた。ルナは痛がっていないが、この傷で痛くないはずが無いと。

 これはルナが興奮状態でアドレナリンが大量に分泌しているからだ。

 このままだときっと、激痛に襲われる。


【ちょっと滲みるかもしれないけど、我慢するギョ】


 フィレオは右手を出すと、その上に向かって口から粘液を吐き出した。

 そして、その粘液を肩へと塗り始める。


「い、痛っ! 何やってんだよ!」

【応急処置だギョ】

「応急処置? って薬を持ってるのか?」

【違うギョ。僕の唾液だギョ】


 ルナは四つん這いのままザザザザザっと高速で砂浜を移動する。

 そして、くるりと方向転換をすると、四つん這いのままフィレオに対峙した。

 見た目、逃げた犬VS飼い主っぽい。


「だ、唾液だと!? お前のか!?」


 焦った表情のルナは頬をひくつかせながらフィレオに聞く。


【そうだギョ】

「ちょ!?」

【ルナ、そんなに嫌がらなくてもいいギョ。あれだギョ。僕の唾液には殺菌と怪我を癒す効果があるんだギョ】

「マ、マジかよ?」

【こんな事で嘘を言ってどうするんだギョ?】


 ルナはフィレオをまじまじと見た。瞳がうるうるしている。とてもじゃないが嘘は言ってるようには見えない。

 そうだ…こいつは俺を助けてくれて、そして守ってくれた奴なんだ。

 ここは信じてやんねーとな…


「わ、わかった…」


 ルナはゆっくりと元の位置へと戻って行った。四つん這いのまま。

 しかし、ルナさん…、まだ裸なんですが、さっきまでの照れはどこへ行ったのですか?


 ☆★☆★☆★☆★


【酷い怪我だギョ…あいつら、本気でルナを殺す気だったんだギョ…】


 フィレオが唾液を塗りながら悔しそうな顔をする。


「そうだよな…俺もそう思ってたんだ。あの時に俺はマジで殺気っていうのを感じた。だから全力で回避をした。けど、結果はこうなっちまったけどな…痛っ」


 ルナは痛みで表情を歪ませる。


【あ、ごめんギョ…でも、ルナが逃げたら途端に用なしなんだギョ? すごく酷い奴らだギョ】

「だよな…痛っ!」

【我慢するギョ…】

「大丈夫だ、問題ない…痛っ!」


 大丈夫じゃなかった。

 その後もルナは塗られる度に苦痛に顔を歪ませた。

 裸で四つん這いのルナに、ほぼ裸のフィレオがねばねば唾液を塗っている姿。

 傍からみれば…はい…怪しい二人でした。


 ☆★☆★☆★☆★


【よし、これで終わりだギョ】


 太腿まで唾液を塗り終える。

 ルナは先ほどよりも痛みが引いた気がした。いや、確実に痛みは引いた。

 とは言っても、痛いものは痛い。気絶するほどの痛みじゃなくなっただけだ。


「やばいな…痛みが引いたと思ったら、さっきより痛くなってきた…」

【興奮状態じゃなくなったんだギョ。それに、これで痛くないほうがおかしいギョ…】

「くそぉ…つくづく俺って運がねぇなぁ…」

【でも、敵の攻撃が止んだみたいでよかったギョ】

「そう言えばそうだな…」


 ルナは周囲を見渡した。

 確かに周囲には敵の気配がなくなっている。というか、さっきそこらに倒れていた敵まで消えている!?


「おいフィレオ! さっき倒した敵がいないぞ!」


 ルナが驚いた表情でフィレオに問うと、フィレオは冷静に笑顔をつくった。


【ああ、それはお星様になったギョ】

「へっ? お星様だと?」


 なんだそのメルヘンは!?

 魔族は死んだら天に召されてお星様になるのか!?


【ルナは知らないギョ? 一部を除く魔族は、命が尽きると星石という石に変化するんだギョ】

「おい、俺は魔法少女になったばっかりだぞ? そんなの知るはずねぇだろ!」

【なるほどだギョ。じゃあ、ちょっと待つギョ】


 フィレオは先ほど敵が倒れていた場所から星型の石を取り上げた。


【これが星石だギョ】


 確かに、フィレオの言っている話は本当らしい。俺に見せてくれた石は星の形をしていた。

 若干だが、スーパー●リオのスターに似てる気もするが、きっと気のせいだ。

 これを取って無敵になれたら、ソルは永遠に無敵状態になる。

 しかし、魔族なのに何故に星型の石に? そしてこれは死体なのか?


【この状態は死ぬ寸前なんだギョ。これが乾燥して砕けると魔族は死ぬんだギョ】


 言われてみれば、確かに星型の石は湿っていた。


「じゃあ…この状態から生き返る事もあるのか?」

【あるギョ。この状態から高度魔法で復活できるギョ】


 なんという魔界クオリティ…復活とかできるのか。


【そして復活した魔族は、前よりもワンランク強くなるギョ】


 おいまて…どっかで聞いた設定だぞ? 何だそのドラゴンボ○ルみたいな設定は!


【おまけで、真っ二つにされても、爆発しても、普通の状態で復活するギョ】


 な・ん・だ・と!?

 何でもありありすぎるだろ! どんな状態からでも復活とか、ゲームかよ!


【でも、復活魔法は超高度魔法だから、そうそう復活は無理なんだギョ】


 だよな? じゃないと魔族が最強になるよな!? っていうか、天使もそういう魔法があるのか?

 なんか、人間って一番不利じゃねーのか? これ…

 っていうか…なんかこの姿勢…疲れた。


【ルナ? 何か震えてるけど、寒いギョ?】

「いや、ちょっと四つん這いに疲れた。薬(唾液とは言わない)を塗り終えたんだし、姿勢を変えてもいいか?」

【もちろん、いいギョ】


 ルナはゆっくりと体を動かす。少し動く度に傷が痛む。

 痛みを堪えて体勢を変え砂浜に傷ついてない方のお尻をやっとこさでつけると「ふぅ…」と一息ついた。

 そして、体についた砂を右手でぱんぱんと払っていて気が付いた。視線を自分の体へと向ける。


 忘れてました・・・俺、全裸でした。


 しかし、何故か恥かしいとは思わなくなっていた。

 というか、俺が全裸なのにフィレオが何も反応しないから恥ずかしがるのが虚しい。

 だけど、流石にずっと裸はまずいよな。そろそろ何か纏わないと…

 周囲を見渡すと、少し離れた場所に例のメイド服を発見。


 そうだ、あれを着ればいい。下着なんてなくってもいいだろ。


 ルナは体を起こそうとする。しかし、先ほどの四つん這いのせいか、立ち上がると同時に体が痺れて体勢を崩してよろけてしまった。

 そのまま砂浜へとうつ伏せに倒れる!


「うわぁ!」

【危ないゴ!】


 寸前でフィレオがルナの体を支えた。


「フィレオ…す、すまん」

【砂が傷口に砂が入ったら大変だギョ。気をつけるんだギョ】


 フィレオは本当に心配そうにルナを見ている。


 ギュッとルナを支えるフィレオのたくましい腕。

 その腕はしっかりと俺の…俺の!?

 なんで胸をしっかり掴んでるんだよ!


「お、おい胸!」


 ルナは顔を真っ赤にして叫んだ。


【胸?】

「そうだ、胸だよ! 俺の胸! 胸! 胸! お前の手!」

【……】


 フィレオは覗き込むように自分の手がルナの何処に触れているかを確認した。

 すると、しっかりと右手でルナの胸を包むように持っている事が判明。


【ああ…この感触は胸だったギョ?】

「な、何だその反応は!」

【えっと…ルナは胸が無いから、触っていたなんてぜんぜん気がつかなかったギョ♪】


 満面の笑みのフィレオ。


「……い…いや、少しはある…よな?」


 笑顔が引きつるルナ。


【いやいや、お世辞にもあるなんて言えないギョ♪】


 ………プチッ。

 ルナは無言でフィレオの手を払うと、体勢を立て直して立ち上がった。


【ルナ? どうしたギョ? 顔がなんか怖いギョ?】


 ルナは無言で左拳を握りしめる。


【ど、どうしたギョ? あ! だ、大丈夫ギョ! 僕は胸がまったく無くってもルナを…】


 《ゴブッ》っと鈍い音が響いた。

 ルナはフィレオの顎を左拳で打ち抜いた。

 フィレオは痙攣すると、直後に白目をむいて「ドサリ」とその場に撃沈。


 ルナ VS フィレオ

 ルナWIN!


「な…なんか超絶むかついた…」


【な、何をしているのですか!?】


 背中ごしに聞こえたのはソルの声。

 そこへソルが登場。ソルは森の中から戻ってきたのだ。


「へっ? ソ、ソル? いつの間に!?」

【ルナ様!? 何で裸なのですか? そして何でフィレオ様が倒れているのですか?】

「え、えっと? これには深い訳があって…」

【こ、これは!】


 ソルはルナの足元から血まみれの下着を拾い上げる。


「あっ! それはあれだ! ソルがいない間に敵が来て…」


 ルナが弁解の台詞をソルが遮る。

 そして、真剣な表情で右手で「ストップ」をかけた。


【ルナ様、ご説明はいりません。私、どういう状況だったのか理解が出来ました】

「えっ? どう理解したんだよ?」


 ソルは小さく首を振りながら言葉を始めた。


【フィレオ様が、ルナ様がテラ兄様の手に落ちる前に我が物にしようとしたのですね…】

「へっ!? ど、どうしてそういう解釈になる!?」

【ルナ様、大丈夫です。解ってます。 だから、誤魔化さなくっても大丈夫ですよ…ルナ様も今は私と同じ女性なのですから…大変でしたね…】

「いやいや、話が見えないから!」

【下着を強引に切り取られ………そして…無理やり裸にされ……そして…行為に及んだ……ああ、ルナ様の操はもう……】


 ソルは両手で顔を覆って俯いた。


「ちょ、ちょっと待て! すこぶる勘違いしてるぞ! 俺は敵に攻撃されて…だ、だから、それですげー痛くて!」

【そうですね、私はまだ経験はありませんが、始めては痛いと聞いております……】

「だ、だから待て! フィレオは俺を襲ってないからな!?」


 ハッと口を押さえたソル。


【で、では……まさか合意の上だと言うのですか?】

「まてええええええええええい! 合意とか合意じゃないとか!? ソルの根本的な解釈が間違ってる! っていうか、そういう方向に何でもっていく!」


 超絶顔が真っ赤にして否定するルナ。ソルは先ほどまでの表情から一転、満面の笑みを浮かべた。


【あははは。ルナ様をからかうと本当に面白いですね♪】

「へっ?」

【男性なのに純情なんですね。もういっそ女の子になったらどうですか?】


 つま先から頭のてっぺんまで真っ赤になったルナ。


「ちょ!? ソ、ソルゥゥゥゥゥゥ!」

【ルナ様、真っ赤ですよ? 可愛いですね】

「や、やめろぉぉ!」


 ☆★☆★☆★☆★


 今回の戦績。


 ルナ  撃退 00 鋭利は刃物で負傷。

 ソル  撃退 34 負傷なし。

 フィレオ 撃退 07 ルナの手によって気絶。

 逃亡 9


 続く

ついにばれたぞ嘘つき天使?

新キャラ夜音ちゃんの活躍もおたのしみにねっ!

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