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俺が魔法少女ルナだ!  作者: みずきなな
第四話 魔界の王子に拉致されたんだけど?こういう展開ってありなのか?
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バトルⅣ-Ⅴ

【さぁ行きましょう!でもこの格好じゃちょっとあれですよね…】


 確かに…ちょっとあれかもしれない。


【あっ!そうだ!】


 怪物少女はルナが渡したシーツをびりびりと裂き、その布を胸と腰にくるりと巻いた。


【これでOKです!】


 いや、裸の上にそれはちょっと露出度が高すぎるんじゃ?

 実はかなりきわどいのですが、いやぁ…読者の皆様にお見せ出来ないのが残念です。


「えっと?本当に案内してくれるのか?その格好で…」

【はい!案内します。この格好じゃ駄目ですか?】

「駄目じゃないけど…」


 まぁいいか…

 と言う事で、怪人の少女と移動を開始したルナ。


【そうだ、私の自己紹介ってまだでしたね?】

「あ、ああ、そうだな」

【私はソルと申します。魔界第四王女です。宜しくお願いします】

「ああ、宜しく。で、俺は知ってると思うけどって!おい!」


 ソルの台詞を聞いて驚愕するルナ。ちょっと反応が遅いぞ?

 ルナは思わず立ち止まってしまった。


【どうかされましたか?】

「え、いや?今なんて言ったんだ?王女とか言ったか?王女って魔界の王女だよな?王女が何でメイド服?」

【はい、私は魔界の王女です。そしてメイド服とは何でしょうか?】

「いや、俺がいま着てる服を人間世界ではメイド服っていうんだけど?」

【ああ、なるほど!人間界ではそれを冥土服と言うのですか?】

「あ、いや、漢字が違うよ?冥土じゃなくってメイドね?」

【あ、はい!明度ですね!あと、このお城ではそれが正装なのです。魔界の王子の命令なんです】

「だからメイド!っていうかそれが正装かよ!」


 あいつの趣味か!やっぱりあいつは変態だ!


「なるほど…妙に納得した」

【あの…貴方のお名前は?】

「えっと?俺はルナだ。一応、魔法少女ルナって言われてるらしい。ちなみに魔法少女だけど魔法は使えない。そしてさっきも言ったが元は男だ」


 その一言に、というか、多分最後の所にかなりの反応を示したソル。

 何故か満面の笑みを浮かべた。


【ふふふ…素敵ですね…男性なのに女性なんて】

「へっ?何が素敵なんだよ?」

【全てです…】


 ソルはそう言うとルナに抱きついてきた。もにゅもにゅと薄い布一枚で覆われた裸体がルナを別の意味で襲う。


「ちょ、ちょっと待って!何で抱き付くんだよ!」


 まさか…元が男って魔界の王族に受けがいいのか!?


【だって…素敵だから…】

「いや、何でそうなるの?どこが素敵なの?っていうかさ、出口に向かうんだろ!」

【あ、そうですね。仕方ありません…行きましょうか…】


 待て…仕方あるだろ?と突っ込みたかったがやめておいた。


 少し走った時、目の前に人型怪人が現れる!


 蜥蜴怪人A

 蜥蜴怪人B

 蜥蜴怪人C

 が現れた!


 こいつら、RPGでいうリザードマンか?という事は雑魚?(なんて失礼な)


「あっ、やばい…武器庫にいたのに武器を持ってくるの忘れた」


 両手が超解放的なルナ。というか素手です。

 しかし、右拳がすでに回復しているのに気が付いた。


「俺の回復力が半端ねぇな…」


 自分の回復力に感心している間にも蜥蜴怪人は突っ込んでくる。

 蜥蜴怪人の得物は槍だ。


 素手と槍じゃちょっとリーチの差がありすぎるな…

 なんて考えていると、ソルがニヤリと笑みを浮かべた。


【私にお任せを…】


 そう言うと先ほどの鉄球を振り回し始めたソル。

 おい、さっきは持ってなかっただろ!何処に隠してた!


【ソ、ソル様?何を?】


 蜥蜴怪人はソルに気が付いて立ち止まる。しかしソルは躊躇しない。


【御免なさい…貴方達の事は忘れません】

【えっ?】


 《ガツン》と重低音が響いた瞬間、蜥蜴怪人Aが壁と鉄球に挟まれて潰れた。


【ま、待って下さいソル様!】

【今は待てないです…】


 ぶっちゃけソルは強かった。蜥蜴怪人をまるで間違って最後のダンジョンに出てきたスライムのように一撃で蹴散らした。

 ちょっと待て…めっちゃ強いじゃないか!

 俺に負けたのは何だったんだ?と言いたくなった位だ。

 そして言っていいか?そいつらはお前の味方じゃないのか?ソル王女様?


「おい…いいのか?こいつらは仲間じゃないのか?」


 ソルはニコリと微笑む。


【今の私は貴方の仲間なのです。という事は?もうそれ以上は言わずともご理解いただけますよね?】

「あは…あはは…あは?」


 おい、これでいいのかよ!何だこの展開は!


 初戦が魔界の王子が率いる軍団と死闘でいきなり負けるし、魔界に拉致されたかと思えば、今度は魔界の王女が仲間になるだと?

 いつからこの小説はファンタジーになったんだ!


【貴方達!死にたくなければそこを退きなさい!我が主、ルナ様を邪魔立てする事は許しませんよ!】


 そして何で俺が主になってるんだよ!

 読めない!どうしてこうなったのか解らない…


【ルナ様、敵を倒しました。進みましょう】


 ほら!知らない間に様までついてるし!敵は全滅してるし!


【ルナ様?進みますよ?】

「は、はい」

【さぁ…こちらへ…】


 ソルは頬を桜色に染めた笑顔でルナに手を差し伸べた。

 いや待て…その表情は何だよ?って、まさかないよな?えっ?


「あ、大丈夫です。一人で歩けますから」

【いえ…私が導きます。いえ、導かせて下さい…】

「いやいや、本当に大丈夫だから…」

【もしかして…ルナ様は私がお嫌いなのですか?私はこんなにもルナ様を愛しているのに…】

「へっ?アイ?アイ?お猿さんだよ?」

【ルナ様…私、ルナ様を好きになってしまいました…】


 ちょっと待って下さい。もう辞めて下さい!お願いですから!

 何でこうなるの?何で俺に惚れるの?意味がわかんねーし!

 魔界の王子も魔界の王女も何がどうなってるんだ!

 おまけに…俺のボケもスルーされるし!

 ルナは激しい頭痛に襲われた。


「ちょっと待って…頭が痛い」

【でも…なぜ私はルナ様を好きになったのでしょう?】


 わかんねーのに好きになったのかよ!

 本当に何で好きになったのかこっちが聞きたいよ!


「それなら言っておくぞ?今なら引き返せる。今なら無かった事にしてやる。今まで倒した敵も俺のせいにしていい。お前は…ほら、俺に洗脳を受けて操られてた事にするとかどうだ?」


 ルナがそういうとソルは見るからに不満な表情になった。


【そういうのは嫌です!】

「じゃあどういうのがイインダヨ!」

【そうですね…私が一目惚れしたって事でOKです!】

「全然OKじゃない!」


 そんなこんなで二人はバルコニーのある部屋に突入した。

 そこはすさまじく広く、豪華な部屋だった。

 ルナは部屋の中を見渡す。


 まるでお姫様の部屋って感じだな。って…まさか?


【ここは私の部屋です】

「やっぱり!」

【…敵がくるまで、私も旅の支度をしますね】

「えっ?旅って?」


 どういう意味?まさか、俺についてくるの?魔界の王女様が?


【私、貴方について行きます】


 や、やっぱり!


「ま、待て!いいのか?それでいいのか?王女だろ?魔界の王女だろ?敵の魔法少女と一緒に逃亡とか、やっちゃ駄目だろ?」

【いいのです!私はこういうシチュエーションは嫌いじゃないですし…それに私は…】


 そこまで言ってとても寂しそうな表情になったソル。

 それと同時に《ドガーン!》と激しい爆発音がした。

 爆発音の方法を見るとドアが消し飛んでいる!

 ソルはすぐに鉄球を構えた。


【まさかお前がルナの手引きをするとはな…ソル!】


 聞き覚えのある声。そう、この声は魔界の王子。


【テラお兄様!】


 まさかの王子と王女のご対面!っていうか、王子に名前があったのかよ!

 そして、名前のあった王子様は一人で来たらしい。仲間の姿がないな。

 いや、きっと近くに待機してるんだな…気配は感じる。


 そん事を考えている間にソルとテラが睨みあいを開始してた。

 でも、見ている俺にもわかるな。ソルの額からは汗が滲んでいるが、テラは表情には余裕が見える。

 そう、この二人の力の差は圧倒的だ。

 俺はこの二人と戦ったし余計にわかる。

 もし、このまま二人が対決したら…


 第五話に続く!

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