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第四話 チャボ ♂ ♀ ダッチ ♂ セキセイインコ ♂♀有り ハシブトガラス ♂

簡単なキャラクター紹介をします。 チャボのおすぎ(八歳)…中年のおっさんキャラです。嫁の尻にしかれてます。 チャボのめん子(八歳)…よく喋るおばさんキャラです。図々しいです。 ダッチ(ウサギ)のぴょん吉(五歳)…人間であれば三十後半で独身です。タチが悪いです。 インコ(六ヶ月)…小生意気なガキです。前部のピッチが少し憎たらしくなった感じです。 ハシブトガラスの黒丸(二歳)…無責任で適当なチンピラキャラです。カラスの見た目そのまんまです。

 俺は、谷本と一緒に部屋の掃除をすることにした。谷本にも文鳥にも好ましくない位汚かったからだ。

 三時間ほどで掃除は終わった。四五リットルのゴミ袋が一〇個は必要になった。

 掃除の途中意識を無くし、文鳥の声が聞こえたりもした。意識を失う度に、谷本に小突かれたりもした。

 俺は谷本に別れを告げた。

 谷本が俺を呼び出した訳が気になったが、きっと、大した用件ではないだろう。

            

 俺に妙な力が宿ったのはいつだろうと考えると、小学校5年生が最古の記憶だ。

 当時、飼育委員だった俺は、毎日のようにウサギとニワトリの世話をしていた。

 しかし、あるとき意識を失い、つがいのニワトリとウサギの言い争いが聞こえた気がする。

 松本は、昔の記憶を思い出すことにした。


めん子:ほんっとにもう、だらしないねえアンタは!

おすぎ:うるさいなあ、お前は。 

めん子:何よ。いっつも寝てるか食べてるくせに!

おすぎ:俺たちはニワトリだぞ。寝るか食べるかしかないだろう

めん子:『寝るか食べるか』! 聞いて呆れるね! 低血圧でカラスの鳴き声で起きるくせに! ニワトリっていいたいなら、朝日より早く起きて、『コケコッコー』って鳴いてみな!

おすぎ:はいはい、わかったわかった。

めん子:それにしても、なんて意地汚いトリだよ。飼育係の人が毎日エサをくれるのに、なんで外に生えてる雑草なんか食べるんだい!? あたしゃあみっともなくて情けなくなるよ!

おすぎ:仕方ないだろう。あのエサはパサパサしてて不味いんだ。

めん子:うるさい!そんなとこをカラスの黒丸に見られたらどうする気だい!? ご近所のいい笑い物だよ!

ぴょん吉:おおい! 夫婦ゲンカならよそでやれ。

インコ:そうだ、そうだ。よそでやれ−。

めん子:黙りな。いい年して独り身のウサギめ!

ぴょん吉:それを言うな!学校に金が無いから、メスウサギが来ないんだ!

めん子:そっちの方が良いね! 毎日のように交尾されたんじゃ、小学生に毒だよ! 第一、そんなモンを見せつけられたらたまんないよ!

ぴょん吉:そっちが大分ご無沙汰だからって、八つ当たりすんな! おすぎのダンナ、このトリになんか言ってやれ!

おすぎ:すまん。

ぴょん吉:誤ってどうすんだよ!

インコ:ひとりみ、ひとりみ−。淋しいウサギは死んじまえ−。

ぴょん吉:黙れ! 噛みつくぞ! コラ!

インコ:はねるだけのでっぱがいきがるな−。

ぴょん吉:このやろ……。

インコ:ひとりみでっぱ

ぴょん吉:もう我慢出来ねえ! 噛みつく!!

黒丸:カカカ。また一段と賑やかだな、この小屋は。

めん子:黒丸。アンタ何しに来たんだい!?

黒丸:冷やかしさ。

カカカ。おすぎのダンナ、今日の喰いっぷりは、また一段と豪快だったな。

おすぎ:見てたのか……。

黒丸:おう。見てたも何も、しっかり見届けさせて貰ったぜ。手始めに、隣の学校のニワトリ共にタレ込んでやったぜ。

めん子:ああ、さいあく。もう、おしまいだ!

黒丸:カカカ。アイツ等飛び回って喜んでたぜ。ついでに、伝書鳩とツバメ共にもタレ込んどいたからよ、明日にゃ全国区だ。

ぴょん吉:おい、黒! 『山王子どもランド』の『ラビーちゃん』はどうしてた。

黒丸:ああ、あの白ウサギね。カカカ。よ−く聞け独り身出っ歯。生まれたての仔ウサギの世話をしてたぜ。

ぴょん吉:うわあああ、もうイヤだ。俺の人生もう終わりだ!

 ガリガリガリガリ

めん子:おい、ぴょん吉。オリをかじるんじゃないよ。また、前歯を折るよ。

インコ:はぁ折れ、ひとりみ−。

 ガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリ……。 

            

 確か、あれが俺の最古の経験だ。

 あのときは変人扱いされ、精神科に連れて行かされた覚えがある。

 俺はあのときを境に飼育委員の仕事をしなくなり、先生や両親に散々叱られた記憶がある。

 もう、日が暮れかけてきたな。早く家に帰ろう。

この話はtemsoさんに原案を頂きました。これを小説と言って良いかどうか悩み所ですが、笑って頂けたなら嬉しいです。ご感想、ご意見、ご要望などお待ちしてます。

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