ようこそ!
-side光輝-
気がつくとそこは見知らぬベッドの上だった。
ーー死んだのか・・・?ーー
俺がそう考えた瞬間、となりでシュウ、と音がした、反射的に振り向く、
それが間違いだった。
「いでぇっ!?」
首に激痛が走る、ああ、母ちゃんに本気のチョップ食らった時の痛みだな、うん
そんな感じの事も反射的に考えた、後々思う・・・馬鹿だ。
「大丈夫かい?傷口が開くよ、しばらく寝てな。」
女の人の声だ、天使?羽生えてたりすんの?かわいいの?
目の前にスッ、と影が映る、次に俺の前に見えたのは女の子だった。
「調子はどう?」
笑顔でそう聞いてくる、いや、今俺母ちゃんのチョップで死にそうだわ。うん。割とマジで。
「安心してね、ココは変なトコじゃないから、病院でもないけどね」
その子は俺と同じくらいの背で健康的な顔、金色の髪、そして・・・
ーー巨乳・・・だと・・・?ーー
なんてこった、ドストライクだ、結婚してくれ。・・・・・後々思う、・・・馬鹿だ
「あはは、やっぱり何にも分かんないよね、・・・ま、しょうがないか」
おう、まだ何にも分かんないぞ、もっと知りたいなあなたの事。
「体は?立てるかな?」
「あっ、はい大丈夫ッス」
言われたとうりに立ち上がる、そして今さら気がついた、「異変」に。
「あ・・・?なんだこれ?」
手が真っ黒だったのだ、右腕だけ。焼けた時の黒さじゃない、ホントに黒。
絵の具でも塗りたくったような黒さ、そして一本白い線が肩から腕の甲にかけて伸びている、そしてその腕の甲には白い円が描かれていた。
「わぁお、珍しい腕だね、・・・符術されちゃってるね。」
いや、もっと驚いて欲しいわ、俺が一番驚いてっから、それとエンチャントてなに?
「あ、そだ、あなたの名前聞いてなかったね、あたしは天津 瀬礼奈、よろしくね!」
元気だ、驚くほど元気だ、何でこの腕のことスルーできんの?・・・セレナちゃんか、イイ名前だ。
「お・・・俺は久我 光輝、高一ッス。」
思わずフツーに返しちまった、どうしてこうなった。
「久我君ね・・・ok、登録かんりょっ!はい握手!あ、右手でね。」
右手?こっちの黒いほう?。え・・・と。
言われたとうりに右手を差し出す、そして彼女の華奢な手を優しく取る・・・つもりだったんだが。
「いっっっっったあああ!」
と言って彼女は右手を押さえる、え・・・?あれ・・・?
俺力加えてないぞ?
「あ・・・・はは、武器の威力もばっちしだね」
・・・え?これ武器なの?そうなの?
ってか大丈夫なの?
「気にしないでね、これただの儀式みたいなもんだから。」
「儀式・・・?」
「は〜い久我君、九十九狩猟者組合へようこそ〜、あ・・・ごめんね一方的で、まぁ武器が目覚めちゃったから使命みたいなもんね〜」
・・・はぃ?九十九?ギルド?武器?使命?・・・・え?
「じゃ最後に刻印をおしまーす、せーの・・・」
持ち手の長いスタンプがおれの右手にロックオン、
「え・・・ちょ・・・ま・・」
「せーい!」
キュイイイイン
そんな音が響いて俺の右手の甲に{TUKUMO}ってかんじの印がおされた。
これ・・・・変なもんじゃないよな?
「おめでとう!これであなたも世界を守るハンターでーす!」
「はぁ・・・?」
「ようこそー!我が家へ!!」
セレナちゃんがそう叫んだ瞬間、クラッカーが一斉になった、
「「「「ようこそ!!」」」」
「はあ・・・・・?」
俺の頭は壊れてるんだな、ああ、帰ったら病院いこう。
-sideout-