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もんだい3 たんていへん

 アクセスありがとうございます。

 子供の頃見た悪夢というのは、思い返してみれば結構生々しい内容が多いです。不条理なほどダイレクトに、その時感じる恐怖を反映していて、気が狂ってしまいそうに怖いです。目を覚ました時には汗びっしょりで、その後一人で眠ることができなくなり、親の布団に潜り込むという経験が、誰にも一度くらいあると思います。なければそれはその人が強い子供だったということですが、悪夢を見ても頼る親の布団がないというのは、これはもう子供にとっては悲劇でしょう。そうした子供は悪夢にまつわる不安を根本から解決しなければならず、でも子供だからなかなかうまくいかなくて、だからその不安を少しでも紛らわせようと、暴走しがちに悪さなんかします。そして悪い子は嫌われます。当然です。いじめられたり、逆に孤高のいじめっ子になっていたり。どっちにせよあまり健全じゃありませんよね。

 けれどそんな中で、心を許せる友達や先生が一人いて、その人がその子の親代わりになって子供に言い聞かせたりしたら、その子はどれだけ救われることでしょうか。なんだか綺麗ごとになってしまいましたが、第四話。どうか今回もお付き合いください。

 凶器は刃物、現場は教室。

 被害者は工藤直治。

 一馬が手にしていたのは過剰に大振りな料理包丁だった。おそらくこんなところだろうという、一馬の勝手なイメージである。

 それを使って、夢の中の一馬は工藤の首を切り落としていた。それが簡単な行為ではないことは、一馬にも分かっていた。工藤の首の筋肉は硬いうえ弾力まで備わっており、ただ強く力を入れるだけでは上手く切ることができない。しかも包丁を錆びさせない為、定期的に血液を布で拭ってやらなくてはならなかった。

 工藤の肉が飛び散り、一馬の足元で跳ねる。どの程度切断できたのかは一馬にも分からない。中央の骨らしきところに辿り着いていないことを考えると、まだ半分に達していないらしいことが分かる。まったく夢の中なのだから、もう少し綺麗に落ちてくれれば良いのにと、一馬はそんなことを考えるばかりだった。

 どうして自分が工藤の首を切断しなくてはならないのか、一馬にはまったく分からない。そもそもこの工藤は本当に死んでいるのか。首を切り落とすことに成功すれば、自分は確実に工藤を殺すことに成功するだろう。だがしかし、そんなことが上手く行くとは思えなかったし、また意味もないように感じられる。体中をばらばらにして、それが何の役に立つのか。教室を血だらけの肉だらけにしておいて、ばらばらにした死体を個別に持ち運んで証拠隠滅、等とほざいたところで戯言だ。頭の悪いことこの上ない。

 一馬はその場で叫びだしたいほどの恐怖心に襲われながらも、作業を再開する。どうやら、そうしなければならないようになっているらしい。これは自分の夢の中だから、そのようなルールを組んだのはどう考えたところで自分自身であろう。とにかく自分は、誰にも見られずに工藤の首を切断し、教室を密室にしてからここを出なければならないのだ。

 ……もしかして、自分はこれを望んでいたのではなかろうか?

 一馬の頭にそんな考えが過ぎる。

 ……人を殺す夢なら今までに百回は見た。だけれど、自分がどんな

殺人を犯したのか、分からなかった。せめてそれが知りたかった。だから自分は、こうして夢の中で工藤を殺害しているのではないのか?

 その時、教室の扉が開く音がした。

 すくみ上がり、振り返ったところで一馬の意識は飛んだ。


 「犯人はあなたです」

 眼鏡をかけた髭の男が言った。椅子に腰掛けた男は、工藤の生首を両手に抱える彼に指を突きつける。

 「はい。そうです」

 一馬はそう返事をした。

 そこは法廷だったが、登場する布陣は奇天烈を極めたものだった。まずおかしいのは裁判長席で、そこには一馬が座っていた。どういうことか分からないが、この裁判の裁判長は工藤の首を抱えた自分であるらしい。裁判長席のすぐ前に安楽椅子で腰掛けたその探偵風の男は、裁判長である自分に向かって「犯人はあなたです」とほざいているのだ。訳が分からない。

 「証拠はこちらにあります。見てください」

 探偵は弁護人席に向かって歩いていった。弁護人席に座っていたのは首のない男だった。これは工藤だ。一馬はすぐに理解する。

 首を切り取られて微動だにしない工藤から、探偵は鍵を一本もぎ取った。それを掲げて見せると、傍聴人達が一斉にそれを覗き込む。傍聴人は一馬のクラスメイト達だった。中の一人が言った。

 「それは何の鍵ですか?」

 西条だった。この男は夢の中でまで、物事をこんな風に引っ掻き回してくれる。

 「教室の鍵です。そうですね?」

 嘘だ。一馬は思った。そんな訳ない。それが教室の鍵だとすると、犯人はどうやって鍵を閉めたのだ。

 「はいそうです」

 解答は以外なところから放たれた。自分の抱えている、工藤の首が喋ったのだ。

 「それは教室の鍵です。私が持っていました」

 「では。木曽川一馬氏が持っている教室の鍵でしか、扉の開け閉めはできなかったということですね?」

 「はいそうです」

 工藤の首は答える。一馬は絶望的な気持ちになった。

 「では聞きます。あなたを殺したのは誰ですか?」

 工藤の首は答える。

 「木曽川一馬です」

 探偵はにやりとして言った。

 「それでは今から名探偵たる私が推理を披露します。非常に論理的な推理ですので、皆さん良く聞いてください」

 傍聴人達は自分の席を飛び出し、一目散に探偵の近くに擦り寄った。探偵の安楽椅子を囲って、皆が目を輝かせている。探偵はそれらの期待の視線を受けて、満足そうに微笑むと、自らの推理を語り始めた。

 「この事件の被害者は工藤直治です。なので、工藤が犯人だと言っている木曽川一馬こそが、犯人であると考えられます」

 探偵が言うと、擦り寄っていた傍聴人達は歓声を上げながら両手を打ち鳴らした。探偵はこの上なく嬉しそうな顔で葉巻などを吸い始める。仰々しく煙を吐き出すと、葉巻を一馬の方に向けてこう言った。

 「彼が犯人です。では、捕まえてください」

 傍聴人たちは一斉に一馬に飛び掛る。憎悪を湛えた目を爛漫と輝かせ、我こそは我こそはと一馬に向かって突進して来るのだ。一馬は内臓を吐き出しそうな恐怖を感じた。自分の抱えている生首を覗くと、慈悲の表情を浮かべてこちらを見返して来た。

 この誰もかもが敵に回った状況を覆す力は自分にはない。

 誰も助けてくれないし、救ってもくれない。

 所詮、一人なのだ。

 一馬は潔く諦めて、裁きを受けようとした。その時だった。

 「待ちなさいっ」

 検事席から声が聞こえた。


 「待ちなさいっ」

 教室で工藤の首を切り落とす一馬に声がかかった。一馬ははっとして振りかえる。ここに来るときに開けてしまった教室の扉から、灰村灯がこちらを覗き込んでいた。


 目を覚ました一馬を襲ったのは、尋常ならざる頭痛だった。

 寝汗が酷い。今までで一番嫌な夢を見たと一馬は思った。頭痛の方もそれに併発して起こったものなのだろう。

 電話が鳴る音がするので、一馬はベッドを起き上がる。二階に置かれた子機を手にすると、「はい木曽川です」と言った。

 「木曾川くん? こちら動堂中学ゆるぎどうちゅうがくです」

 「はい」 

 だろうと思っていた。

 「今日さ。学校休みなんだよ。理由は明日来たら話すから、今日はゆっくりしといて」

 「……分かりました」

 ゆっくりしといて、とは随分と暢気なことである。

 ……工藤の死など、所詮は他人事なんだな。一馬は思った。若い体育教師が一人死のうが、学校にそこまでの損失はない。そりゃあ学校で殺人事件が起こったとなれば色々と問題にもなるのだろうが、あのかつらを被った校長は、それすらPRに変えてしまうようなところがあるらしいからなと、暢気というならそんなことを考える一馬の方である。

 ……自分が疑われるかもしれないのに。

 「明日は体育館に行ってね。荷物は何もいらないから」

 「はい」

 「分かった? それじゃあ」

 「ええ。明日」

 一馬は受話器を置いた。そして自分の部屋に戻り、机に置いてある教室の鍵を拾い上げた。

 これが合鍵なのかそうでないのか、それは一馬には分からない。ただ言えることは、こんなものを持っていても良いことなど一つもないということだ。

 あの犯行を成立させるには、二つある鍵の内一つが必要だし、警察だってそれを持つものを探していることだろう。こんなものを持って名乗り出たら真っ先に自分が疑われるに違いない。何せ自分は、あの教室にたっぷり証拠を残してきているのだ。

 まず血黙りに足を突っ込んだ時の足跡がそうだし、切断された工藤の腕や頭を触った時の指紋もそうだ。教室に入るところを誰かに見られた心配はないが、それでも捜査線上に一度でも自分の名前が挙がってしまえば、指紋を調べられて次の瞬間には取調室に連れて行かれる。そうなってしまえば追求を逃れる自信はない。最初に犯人だと疑われた奴が犯人にされるのだ。警察組織とはそういうものではなかろうか。

 こんな鍵、捨ててしまおう。一馬は思った。金槌で粉々にして、それからトイレに流すのが良いだろう。砂場の土に混ぜてしまうのも良いかもしれない。

 誰かに押し付けるという手もある。そうしてしまえば自分が疑われる心配はなくなる。そして押し付けるなら、素行が悪く今にも人を殺しそうな顔をした奴が良い。人望がないことも第一条件だろう。一馬はクラスメイトを一人一人思い浮かべた。

 最後に、灰村灯の名前が浮上する。

 ……彼女がもっとも相応しい気がしてならない。保健室登校で、愛想が悪く誰とも接点を持たない彼女なら、誰にとっても都合の良い犯人役に成りえないだろうか。

 そこまで考えて、一馬は首を振った。

 そして金槌を取り出して、教室の鍵に向かって打ちつけ始めた。


 犯人を捜しだそう。それが思い付いたのは、翌日になってからのことだった。

 体育館で一馬が最初に聞かされたのは、工藤が死んだという事実だった。

 ああやっぱり死んでいたのだな、と一馬は漫然と思う。当たり前だ。首を切り落とされて生きている人間はいない。

 有益な情報はそれだけだった。現場の状況についても最低限しか触れられなかった。一馬にはそれが不満だったが、考えてみれば好都合な点もある。あまり多くの人が情報を得すぎていては、それだけ自分が疑われる可能性も高まる。

 犯人は恐らく自らが疑われない為に万全を期しているだろう。だからこそ、教室でばらばら殺人などと大胆なことをやらかすのだ。そうに違いない。だが調子に乗っていられるのも今の内だ。それを知らしめてやらねばならない。

 倒すべき外敵の存在を確信した時、一馬の集中力は飛躍的に上昇する。昔から一馬はそうだった。これはという敵さえ存在していてくれれば、その問題はほとんど解決したようなものである。ただその敵を見付け、自分が犯人だと吐かせてしまえば良いのだから。

 「先生は気の毒だね」

桐家が言った。

 「殺人事件発生だ。まるで探偵小説みたいじゃないか」

 「黙れよ」

 「不謹慎だってか? そう言うなよ。先生の死を本当に悲しんでいる人が、どれほどいると思う?」

 だから、なんだというのだろう。所詮戯れ言だ。黙らないのなら聞き流すのが一番良い。

 「例えば先生が転勤になったとかじゃ、このクラスの誰もそこまで悲しんだりはしない。衝撃を受けたりはせず、ただ担任が変わるものと淡々として受け入れることだろうね。だのに……」

 桐家は歩きながら、やけに暗い顔で話を聞いている皆を仰ぎ見た。泣き出す生徒までいる。

 「この湿気た空気はなんだってんだ? しかもどこかぴりぴりしてもいる。ようするに彼らの悲しみは、人が死んだっていう衝撃的な事実を受け入れる為の儀式なんだ。誰が死んだって連中は同じだけの涙を流すに違いない。人間の死に慣れている人間は、こんな風に嘆き悲しんだりしない」

 「偉く饒舌だな」

 一馬が言うと

 「部長の真似事さ」

 少し寂しそうな顔をして、桐家は言う。

 「じゃあおまえは、どうしてそう平気な顔をしているんだ? 人間の死に慣れているとでも?」

 「慣れてるよ」

 桐家はあっけらかんと

 「テレビのニュースを見てみろよ。人間は毎日のように人の死に触れているんだぜ? ようは、それを意識して実感するか、漫然と受け流すかの問題さ。どっちが心無いと思う?」

 「詭弁だな」

 「それでも良いよ。たとえ詭弁としてでも、認めてもらえればね」

 「ミステリ研究会の人間はどいつもこいつも、小説の中で人が死ぬたびに、現実で死んだのと同じだけの衝撃を受けているのか?」

 「さあね。放課後にでも聞いてみるよ」

 「放課後って……。今日は部活ないだろ。というかさせてもらえないに、決まってるじゃないか」

 「そんなの関係ないよ」

桐家は言った。

 「鍵かけときゃばれない」

 つくづく性根の腐った男だ。


 だがしかし、ミステリ研究会がその日も活動を行っていたことは、一馬にとって好都合なことだった。

 体育館での道徳の授業がそこでお仕舞いになり、部室へと向かう桐家に一馬は声をかけた。

「自分も一緒に連れて行ってくれと」

桐家は嬉しそうに破顔して、一馬の手を取って言った。

 「一緒に犯人を探そう」

 一馬は唾を吐きそうになった。こんな奴に協力してもらっても、工藤が浮かばれない。

 ミステリ研究会の部室にたどり着き、一馬はその人数の多さに驚いた。前に来たときよりも、さらに多い。どうしたことだろうか。まさか、工藤の死に影響されて部活動に出席してきた部員がいるとでも言うのだろうか。ふざけた連中である。

 部員の中でも異彩を放つのは、奥で本を呼んでいる大柄な生徒だ。何故か紙袋を被っている。目の部分に開けられた穴から文字を追っているのは分かるが、それにしても奇矯なことこの上ない。

 「木曽川君ではありませんか」

 一馬を見付けて、灰村輝が嬉しそうに席を立った。

 「もしや。研究会に入られるのですか?」

 「やめといた方が良いわよ」

 灰村陽が言った。

 「こんなところに一人で入って来たって、意味ないわ。ここの部員なんてね、何をする訳でもなく、本のある部屋で群れてるだけに過ぎないんだから」

 床に女の子座り、灰村陽はその手に見覚えのある厚い本を抱えていた。『密室卿伝説』百の密室で百の密室殺人を目論む密室卿の話で、一馬はいつかこのあらすじを桐家に説明され、あきれ返った記憶がある。

 「いいや。今日は入部を申請しに来た訳じゃない」

 一馬は言った。

 「じゃあ何よ」

 陽は今度は床に寝転がった。傍にちらかしていた本の一つを手にとって、頭の後ろにやる。随分と行儀の悪い女である。

 「宗一。どうしてこいつ、連れて来たの?」

 悪戯仲間の名前を呼ぶ。桐家は両手を晒して

 「彼が希望したから。まあ話を聞こうじゃないか」

 一馬はなるだけ意図を悟られないように、綺麗ににこりと微笑むと、輝の方を向き直って言った。

 「ちょっと聞きたいことがあるんだ」

 「何ですか?」

 輝はそれに微笑み返す。桐家がいぶかしげに一馬を見た。灯は質問が自分に向けられていないと分かると、興味をなくしたかのおうに視線を本の方に移した。陽にとって、一馬はよほどどうでも良い人間らしい。

 「この間、君、職員室に行ってたよね」

 何気なく一馬は問うた。しかしながら輝は

 「何のことです?」

 と首を横に倒した。

 「事件の日の、放課後だよ。見たんだ。聞きたいのはその時の職員室に……」

 「だから」

 輝は目をぱちくりさせて

 「何のことです?」

 ……違うのか?

 白を切っているようには見えない。いいや、彼は演劇部の人間だという。これくらいの演技はお茶の子さいさいといったところのはずだ。一度ドラキュラ伯爵を演ずる彼を見たことがあったが、まさに迫真の演技といった具合で、一馬はそれにすっかり騙されてしまったのだ。

 「どーしたいの? あんた」

 陽が言った。

 「どうして、輝に職員室に言ったことを認めさせようとしてんの?」

 一馬はぎくりとした。

 「こいつは職員室には行ってないよ。ねぇ名探偵?」

 言って、陽は紙袋をかぶった男の方を見た。

 男は本を読む手を休めて、ぽつりと

 「ああ」

 と言った。

 「こいつはずっと部室にいた」

 「ほれみてみ」

 陽は床で寝返りを打つ。そしてうつぶせ状態で顔を上げて、上目遣いで一馬を見た。

 「あんた、疑ってんだ。輝のこと。それで訊いたんでしょう? 職員室から鍵を盗んだのは輝で、それを使って犯行に及んだんだってね」

 図星だった。

 「バカじゃないの? あんたらの教室の鍵は事件の日の朝にはもう盗まれてたんでしょ? だったら事件発生の日の放課後の話したって、無駄じゃない?」

 「それは……」

 輝が自分のポケットに、教室の鍵を放り込んだから。

 あの時放り込まれたのは前もって盗んでおいた方の鍵。となると、犯行の為には鍵はもう一つ必要だ。輝が犯人だとすると、それを盗みに行く為に職員室に訪れたはず。

 事件があった日、学校にいる間中、自分の体に一瞬でも触れることができたのは輝だけだ。胸ポケットなんて箇所に、体に触れずに鍵を放り込める訳がない。そして事件のあった日の放課後のあの時、輝は呆けている自分に、横側からぶつかって来たではないか。

 しかし、白を切られた。

 揺さぶりは失敗した。甘かった。でもだからって、表情の一つも変えないというのは……。

 「それとさ。事件の日の放課後職員室に行ったのは、あんたの方じゃないの?」

 陽は言った。

 一馬は背筋をなめられたような悪寒を覚え、硬直する。陽はそれを嬉しそうにして見やると、人をバカにした表情で

 「その時ナマクラ先生に鍵が盗まれたことを聞かされたの?」

 一馬は頷く。

 「嘘だぁ」

 陽は言った。

 「そもそもどうして職員室に行ったのよ? その訳を教えてよ? ねぇ。答えれんの? あんたには答えれんのさぁ?」

 「姉さま」

 輝が優しい声で言った。

 「それくらいにしておきましょう」

 その一言で、陽は不自然なほど素直に引き下がる。ほんの少し眉をひそめるだけで、弟の忠告に沿うようにだんまりだ。

 「木曽川君。この僕に、何か疑われるような素行があったのかい?」

 一馬は何も言わなかった。

 何も言わずに、部員達に背を向けて部室を後にする。

 誰かの嘲笑が聞こえたような気がした。


 「やあやあ」

 部室から出て来た一馬を待ち受けていたのは、ミステリ研究会の長、西条未明の姿だった。

 「さえない顔をしているね。そんなんじゃ灯ちゃんにバカにされちゃうよ? こんな時こそしゃんとしたらどうだい? ねぇワトスン君?」

 「……何の用だ?」

 「灯ちゃんが呼んでたよ」

 西条は含みもありげに

 「行った方が良いんじゃないかな?」

 行くものか。

自分は一人だ。あんな探偵ごっこのガキなんぞに干渉されてたまるものか。一馬は懸命にそう言い聞かせた。

「……あいつ。今も保健室に来てるのか?」

「そうだよ。呆れたことに」

 まったくだ。

しかしその呆れた彼女にある程度の推理力が備わっていることは、一馬も認めていることだ。だからといって、あいつに頼るということは、つまり自分が一時的に鍵を所有していたことを彼女に告白することに他ならない。それはつまり、あいつを信頼するということだ。

 ……できる訳がない。

 そう思う。

 「ねぇ木曽川君。さっきの会話、悪趣味ながら盗み聞きさせてもらったよ。犯人を捜しているみたいだね?」

 一馬は答えない。これは自分の戦いなのだ。誰にも頼るつもりはないし、誰にも干渉されたくない。誰にも助けを求めないし、誰の救いも期待しない。

 それを忘れてはならない。

 誰かを頼る甘えを覚えてしまえば、そのままその誰かに自分の運命を委ねることになる。そしてそれは、破滅への道を行くことに違いないのだから。

 「別に灰村さんを頼れとは言わないよ。今回は、君が一人で動いているみたいだからね。だけれど考えてみなよ。彼女ほど、職員室の鍵を盗むのに適した人材はいないぜ?」

 「……どうして?」

 一馬はそこで返事をしてしまった。

 それが、一馬の西条に勝てない所以だった。西条はおかしそうに笑って

 「保健室登校のあの子は授業中もだいたい自分の自由に動けるんだぜ? 保健室と言えば職員室に一番近い部屋だ」

 「……だからって」

 話は放課後のことだろうが。そう言おうと思って、気付いた。

 自分のポケットに鍵を放り込める人間。灰村輝の他に、もう一人いる。

 灯だ。あいつなら、話の隙を見て自分のポケットに鍵を放り込むことくらいやってのける。何せ自分たちがいつも会話しているのは、ほんの僅かな距離でしかない。その上、彼女は自分に、本を取れだの体制を変えてくれだのと要求してくるではないか。

 「……そうですね」

 一馬は答えた。

 「行ってみます」

 そう言って保健室の方に向かう一馬に、西条が後ろから声をかける。相も変わらず、飄々としたムカつく声色だった。

 「行ってらっしゃい」


 「あたしは犯人じゃないわよ」

 一馬が保健室に入った、その途端に灯はそう言ったのだ。

 白い布団をかぶって、頭だけ出してこちらを向いている。快適そうだなと一馬は思った。灯はいつでもこうしているのだ。

 「なんだか知らないけれどね。西条の奴が、君がここに来たらまっさきにそれを言えって。そしたらそんな顔をするわよって言ってたわ」

 つくづく気味の悪い奴だった。

 「気にしない方が良いわ。あいつはただ格好つけたいだけで、何か目的がある訳ではないんだから。君の目的の障害にはなりっこないわ」

 「……黒子みたいな奴だな」

 「狂言回しだと、あたしは思ってるけどね」

 灯はそこで大きな欠伸をして

 「雲を掴むように飄々としているというよりは、蜘蛛を掴むように気持ち悪いのよ。踏み潰してやりたくなるわ」

 「同感だ」

 一馬は少し笑った。

 どうして笑うことができたのか、それは自分にも分からない。ミステリ研究会という一馬にとっての敵地から解き放たれ、安心したような気になっているのかもしれない。

 いけないな、と思う。

 この保健室だって、研究会と同様、気を抜いて良いようなところではないのだ。

 一馬は改めて、ベッドに横たわる灰村灯と相対した。無邪気で綺麗な白い顔、白い布団に飛び散った黒い髪。真白い保健室の中の黒い頭は、まるで一馬を見据える眼球のようだった。

 「お疲れ様」

 灯はそこで、にこりとして笑った。

 「大変だったでしょう?」

 「何を知っている?」

 「あなたのこと全部よ。全部西条から聞いてるのよ、研究会の連中は知らないけどさ。だから」

 灯は言って、布団の中でもごもごと体を動かすと

 「……やっぱ一人じゃしんどい。ねぇ木曽川、ちょっと体起こしてくんない?」

 一馬は眉を潜めた。

 「どうしてそんなことまで俺がやるんだ?」

 「いいじゃん、別に?」

 「俺を呼び付けるのに西条のことを使ったり」

 「使えるものは使うわよ」

 「自分じゃ何もできないのか?」

 「何でも自分でできるつもり?」

 灯は軽蔑したように

 「バカじゃないの?」

 「ふざけるな」

 一馬は頭に血が上った。どうしてこんな、探偵ごっこで遊ぶことさえ、自分一人ではできないような女にバカにされなければならないのか。

 自分は戦っているのだ。こんな女の、バカげた探偵ごっことは違う。自分の人生、その存在を賭けて戦っているのだ。それをこんな、……こんな自堕落な……。

 「何怒ってんの?」

 灯は鼻で笑うように

 「そんな風に斜に構えて、心の中でだけ居丈高に、子供みたいに喚き散らして怒ったところで、誰も助けてくれないわ。そうして君は一人で勝手に世の中を憎んで、勝手に孤立して、勝手に堕落していくんだね」

 ……堕落だと?

 それは人に頼った者が、自ら動くことを怠った末に辿り着くものだ。自分は違う。この女にだけは、そんなことを言われる筋合いはない。

 まったくふざけている。

 「百回でも千回でも唱えることね。君は無力、君は無能、君は自分じゃ何にもできない。人間なんて動物と一緒よ。こんな非常時になるまでは、あなたは一匹狼でいられたけれど、こんなことになっちゃったら、寄ってくる人を遠巻きにできない。しちゃダメなのよ」

 「……何が言いたい?」

 一馬は問うた。灯は答える。

 「助けてやるっつってんの」

 「ふざけるな」

 一馬は我慢ならなくなった。

 「おまえの助けを借りてどうなるっていうんだ? おまえに何ができるっていうんだ? そもそもおまえは何を知っているんだ? 俺の何を知っていて、……俺の何が分かっていてそんなことをほざくんだ?」

 「あたしの勝手よ。あなたに止める権利はないわ」

 灯はあっけらかんとして

 「早く体を起こしてよ」

 「……おまえが犯人なんだろ?」

 一馬は言った。

 「おまえが工藤を殺したんだろ? だからおまえは知ったようにそんなことをのたまうんだ。俺のことを陥れた上、からかっているんだ。違うか?」

 確証はない。自分の言い分がまったく理路整然としていないことは、一馬にも良く分かっていた。

だがしかし、自分のポケットに職員室の鍵を放り込んだのは灯しかありえないのだ。灰村輝が違うとすれば、必然そうなる。

 「違うわよ。バカじゃない?」

 灯は自分の体にかけられている布団に目をやった。

 「これ、ひっぺかしてみて」

 「は?」

 「いいから。これ、ひっぺかして」

 「……何がしたい?」

 言いながら、一馬は灯にかぶさっている白い布団をひっぺかした。

 灯のスカートから生えた二本の足は、見るも無残な姿をしていた。

 そこにあったのは足の色が変るほどの量の古傷。最近のものらしい、巨大で深々とした蚯蚓腫れが、それは膨大な量。打撲傷の数々は、視覚に耐えないほどだった。

 その光景に、一馬は思わず絶句する。

 白い足を幾重にも塗りつぶすような切り傷の数々。手の届くところ全てに傷を施し、それが終わればまた最初からやり直し。それが何回も何千回も何日も、何年間も繰り返されたような傷跡だった。

 むき出しになった足の爪は砕かれ、再生中のようだ。不自然な方向に曲がった右の親指は、これは骨が折れてでもいるのだろうか? 

 一馬が特に驚愕したのは、一センチほどの太さの針を貫通させたような傷跡だ。傷だらけの足のそこら中、釘でも打ち込んだかのような跡が、それはおびただしい程。一馬はその数を数えようとして、すぐにやめた。それが施される際に生じる地獄の苦痛を想像するだけで、気が狂いそうになってしまったからだ。

 「どう。これ?」

 灯はあっけらかんとして言った。一馬の方を見て笑う。白い敷布団の隠されていた部分、血で汚れているところを一馬は発見する。まだ直っていない傷があるのだ。それも複数。

痛くないのだろうか。

 どうして笑っているのだろうか。

 どうしてこんなものを見せてきたのだろうか。傷そのものよりも、こんな傷を抱え込んだ灰村灯という人間が衝撃的だった。一馬の中にあった、無邪気で人使いの荒い命探偵の図が、音を立てて崩れ去っていくようだった。

 「……なんだよ?」

 一馬は言った。

 「これは、なんだよ? 大丈夫か?」

 「もっともな問いね」

 灯は言う。

 「心配してくれているのかしら? そうでしょうね。君はなんだかんだ、優しい人よ。だから中途半端なのね。だから罠にはまる。だから貶められる。一人で生きていけないのはその所為よ」

 「答えろよ!」

 一馬は怒鳴った。

 彼は幼かった。よって忘れていた。今まで灯と交わしていた会話も、自らの潔癖を証明するため動いていたことも、自分が一人で生きようと誓ったことも。

 ただ知りたかった。それは乱暴な感情だった。灰村灯という人間が所有する、この傷跡の秘密を。少女に根付く巨大で深刻な傷口に、少年は麻酔抜きで手を突っ込み、中に潜む腫瘍の正体を無理矢理確かめようとしたのだ。

 「足の感覚がないのよ」

 灯は言った。

 心中穏やかとは言わないまでも、灯は一馬を前にまるで達観したような表情を浮かべていた。それは一馬のことを受け入れたようだった。

 「だから痛い思いをしたかった」

 一馬は何も言わなかった。

 驚愕と疑問とに表情をゆがめて、しかしそれ以上のことをしなかった。自制したのではない。ただ次の言葉を待ち遠しく灯の顔を覗き込む。

 「生まれつきのことなの。あたしにとってこの足は、自分の体に付属している無用な部品でしかない。動かないし、当然何も感じない。だから苛めてやっても心は痛まなかった。この役立たずって、毎日のようにいたぶった。けれど足は何も答えない」

 灯はそこで、溜息でも吐くようにして言った。

 「ねぇ。こんな足で殺人ができると思う?」

 一馬は首を振った。灯は微笑む。それは一馬の知っている、ただの子供の微笑みとはまるで違うものだった。

 「あたし。嫌いなの。陽のことも輝のことも」

 灯は寂しそうに、情けないような声を出した。途端に少女らしくなった灯に、一馬は思わず引き込まれていた。

 「あたしの乗った車いすを押しながら、二人はいつも仲良く話してる。あの二人ってね、本当に仲が良いのよ。たまに恋人同士に見えることもあれば、お互いの一部みたいに見えることもある。主人と従者、騎士と姫、何でも良いわ。あの二人にとってあたしは荷物なの。荷物が喋っちゃいけないの。あの二人に聞かれている時に、一言でも喋ったら、あたしはその場で置いてけぼりにされるの。車椅子を蹴り倒されたりすることもあるわ」

 障害者虐待、などと生生しい単語が一馬の頭をもたげる。

 あって良いのか、そんなこと? 途端、一馬は心が震えた。

 だからなのか。一馬は納得する。灯が陽と輝の二人を疎んでいた理由。いや、疎んでいたなんてものではない。世界の巨悪そのものを相手どるように、あの二人には関わるな、耳を貸すなといい続けたのには、そんな理由があったのか。

 「それでも。あたしは頼るしかないの。一人じゃ段差だらけの学校を移動することもできないし、そもそも学校に通うこともできないわ。風呂に入るのもトイレに入るのも、一人じゃとてもできない。だからあたしは、あの二人の荷物でいるしかない。……一人じゃ生きていけないから、大嫌いな二人に頼るしかないのよ」

 ……無力とは、そんなものだ。

 一馬はずっと考えていた。だから強くなろうと思った。人に頼らない為には、自分一人で強くなるしかないと。

 だがしかし、灯はどうなんだ。

 一人で生きていこうと、努力したところで足が動くわけでもない。動け動けと、願いをかけて足に傷をつけた。叩いて裂いて貫いて折って砕いた。

 それでもダメだった。弱者は弱者のまま、足は動かないままだった。痛みはなく、反応もない。ただの体の付属品、無用なパーツ。それでも切り落とさずにいるのは、未だ希望が捨てられないからか……。

 「今まで、どうして隠していたんだ?」

 一馬は尋ねた。灯は常に体にふとんをかけて、動かない両足を晒さないようにしていた。

 「だって君、こんなの見たら引くでしょう?」

 「引く。つーか引いた」

 一馬はすぐに答えた。

 「けど理由を説明されたら納得したよ。おまえが俺をワトスン役に使うのは、こういう意味なんだってな」

 「あたしのこと怖がらない?」

 「誰がおまえを怖がるもんか」

 一馬は怒鳴るように

 「クソガキが」

 「君もでしょ?」

 灯は安心したようにけらけら笑った。

 「ねぇ木曽川。ベッドの向こう側よ、あたしの車椅子と松葉杖があるから。車椅子にあたしを乗せて。杖は脇に抱えといて」

 「……何をするんだ?」

 灯はにっと笑った。

 「あたしは全部知ってる。何せ名探偵なんだからね。工藤の事件のことも、君が陥れられようとしていることも」

 「どういうことだ?」

 「探偵ごっこなんてバカにしてた君が、どうやら色んなところに話を聞いて回っていたこと。これは西条の態度や言動で分かるわ。あいつにはだいたい予想がついてるみたい。……これはあいつの実力じゃなくて、後ろに何かが付いている感じなんだけど……。そんで、君の鞄にブラシで擦ったような跡がある。これは鞄に付着したものを洗い落としたと考えられるわ。そして昨日、保健室で会った君は『鞄を持っていなかった』」

 一馬は喉に石ころを押し込まれるように感じる。

 探偵に追求される犯人とはこんなものか、と一馬は思った。

 「君は昨日、鞄を忘れて教室に取りに帰った。そしたら工藤が死んでるところに出くわしたのね。鞄はそこで血に汚れてしまったの。そして君は事件を調べ始めた……。君には興味本位以外で犯人を見付けだす理由がある。そして君の必死さや、第一発見者として名乗り出なかったことを考えれば、すぐに分かる。自分が疑われると思ってるんだ」

 一馬は頷いた。すると灯は満足そうに、花が咲くようにして無邪気に笑う。

 「だから疑い晴らすの助けてやろうっつってんの。周りから孤立して誰にも助けを求められず、その癖一人で解決する力もない。そんな哀れなガキはね、誰かが助けてあげなくっちゃいけないの」

 それは救いの申し出だった。一馬はそれに戸惑ってしまう。

 ……どうして自分を助けるんだ、こいつは?

 考えたところで分からない。分かるはずがない。自分はこいつに、何度も何度も嫌なことを言ったはず。探偵ごっこだって付き合いが良かったとは言えない。そんな自分を、どうして助けてくれるというのだ?

 ただ一つ、言えることは。

 灰村灯は本当に心の底から、自分を助けてくれようとしている。そこには打算など介入する余地がなく、自分を陥れる気などさらさらない。ただの無邪気で、人に親切にすることに躊躇のない子供の笑顔。

 「何というか。大したもんだよ」

 一馬は言った。灯は首を傾げる。

 「良くもまぁ。おまえのことを何度も否定した俺に、そんな優しいことを言えるもんだな。まるで聖人だよ、おまえは」

 灯はいきょとんとして

 「良いじゃない。別に」

 首を傾げながら

 「あたし、君のこと好きよ」

 それが答えだった。

 「ごめん」

 一馬は深深と頭を下げた。もう適わなかった。こうするより他はないのだ。ただ全身全霊、平身低頭、徹底的に自分は謝らなければならないと思った。

 愚かだったのだ。

 一人で何とかしようだなんて。

 身の程知らずにもほどがある。

 「よろしい」

 灯は笑った。

 「それじゃあ。始めるわよ。分かったらさっさとあたしを車椅子に乗せることね」

 「ああ」

 一馬の行動は早かった。手際よく車椅子を組み立てると、灯の軽い体をそこに乗せる。カーペットで足の傷跡を覆い隠すと、松葉杖を抱えて準備完了した。

 「これからあたしのいうところに向かって。最初にすることは、決まってる。大丈夫、全部解決してみせるわ。なんたってあたしは名探偵。できないことなんて何もないの」

 自信満々にいう灯。一馬は打ちひしがれる思いで

 「なぁ灰村」

 「何?」

 「ごめんな。本当にありがとう。ちゃんと恩返しするから。いつか、絶対におまえの役に立つから」

 「だったら」

 灯はそこで、どこかしら請うような声で

 「一生。あたしの探偵ごっこに付き合ってくれる?」

 その要求には面食らったが、一馬は迷わず

 「ああ」

 と、そう答えた。

 読了ありがとうございます。

 これは私個人の意見なのですが、心の成長は女の子の方が圧倒的に早いと思います。だから小さな女の子はたびたび男の子のことを見下しますし、小学校などではそういった差異から、男女の間に隔たりが生まれてしまうのが常です。その隔たりは中学校でも続きますし、中学生程度じゃあ男は女にバカにされるガキでしょう。

 少年は下品で乱暴で、何より自分勝手です。少女はふつうはそんなバカな少年どもに愛想をつかし、軽蔑して日々をすごしています。ですがその中にも、少年のそう言った乱暴さを理解し、むしろそれを包み込むような知性と愛情を持つ女の子が必ずいます。そんな彼女のことを、私は心から尊敬しますし、そんな彼女のことを考えると頭が上がらない思いになります。きっと彼女は、本来なら人気者になるべきなのでしょうね。

 そんなこんなで第四話。みなさんなんか思わせぶりな行動に出て、正直収集つきそうにないというかすでに付いてない感じです。この「もんだい3」は後二話ほど続く予定ですが、それでもどうかお付き合いくださると川崎、うれしいです。どうかよろしくお願いします。それでは。

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