第1話「雷、目覚めの刻」
とある撮影所の倉庫整理で発見されたストーリーの覚え書きのような感じだと思って下さい
夜明け前の古寺。霧に包まれた境内で、若き僧侶・蓮華が座禅を組んでいる。
ナレーション(重厚な声)「言葉は剣なり。真実は雷なり。古より伝わりし秘伝『電光説破』――それは、機知の一閃で悪を砕く、究極の技…」
突如、空が暗転。黒い霧が街を覆い始める。
雷京市街地・朝8時
ネオンサインが立ち並ぶ繁華街。人々が突然、無表情になり、スマホを凝視したまま立ち尽くす。
サラリーマンA:「……何も考えたくない…」
女子高生B:「……笑うって、何だっけ…」
空に浮かぶ巨大なモニター。そこに映るのは、黒いマントを纏った怪人「沈黙のスライム」。
沈黙のスライム(ねっとりした声):「フハハハ…我が『無知の霧』が、この街を包んだ。お前たち人間は、もう考えることも、笑うこともできぬ。黙闇帝国の支配が始まるのだ!」
スライムが腕を振るうと、霧が濃くなり、人々がさらに硬直していく。
ここは雷京の寺院・雷光寺
寺のお手伝いをしているアキラ少年が駆け込んでくる。
アキラ「蓮華さん!大変です!街がおかしくなってます!みんな、ゾンビみたいに…!」
蓮華(穏やかに目を開ける)「…落ち着け、アキラ君。何が起きている?」
アキラ:「黒い霧が…それに、変な怪物が街を支配しようとしてるんです!」
その時、寺の奥から老僧・雷翁が現れる。
雷翁:「蓮華よ…時が来たようじゃな。」
雷翁が開いた古い木箱。中には青白く光るベルト、その中心に三つ巴が刻まれている、「サンダー・コアン」が収められている。
雷翁:「これは代々、我が寺に伝わる『電光説破』の証。お前の祖父も、かつてこれを使い、邪悪な思想を打ち砕いた。今、その力を継ぐ者は…お前じゃ。」
蓮華:「師匠…しかし、私はまだ…」
雷翁:「案ずるな。お前の機知は、誰よりも鋭い。この街を救えるのは、お前だけじゃ。」
蓮華、決意の表情で立ち上がる。
第二幕:初変身
市街地・霧の中心部
蓮華とアキラが到着。沈黙のスライムが民衆を見下ろしている。
沈黙のスライム:「フン…また一人、愚か者が現れたか。お前も霧に飲まれるがいい!」
スライムが霧を放出。蓮華の体が重くなり始める。
蓮華(苦しそうに):「くっ…これが…無知の霧…思考が…鈍る…」
アキラ:「蓮華さん!ベルトを!」
蓮華、サンダー・コアンを腰に装着。瞬間、雷鳴が轟く。
蓮華:「南無三宝…電光一閃!」
変身シークエンス:蓮華が合掌し、額から青白い雷光が迸る。体が光に包まれ、メタリックな金色の袈裟を模したプロテクター、白いマフラー、厳しい鬼のような形相は己に向けられたものなのかもしれない……蓮華はナムサンダーとなった。BGMは和太鼓とエレクトリックギターの融合。
ナムサンダー:「闇を照らす雷鳴…ナムサンダー、見参!」
アキラ(目を輝かせて):「かっこいい…!」
第三幕:初のトンチバトル
沈黙のスライム:「何だと!?貴様、何者だ!」
ナムサンダー:「俺は言葉の雷。お前の沈黙を打ち砕く者だ。」
沈黙のスライム:「笑わせるな!この霧の前では、いかなる言葉も無力!我が体は形を持たぬスライム…お前の攻撃など効かぬわ!」
スライムが触手を伸ばし攻撃。ナムサンダーは軽やかに回避。
ナムサンダー:「形を持たない、か…ならば問おう。」
ナムサンダー、手を翳す。額の稲妻が輝く。
ナムサンダー:「お前は『沈黙のスライム』と名乗った。だが、さっきからペラペラ喋ってるじゃないか。それって…」
間を置いて、指を突きつける。
ナムサンダー:「沈黙してないよね?」
電光が炸裂。スライムの体に亀裂が走る。
沈黙のスライム:「ぐああぁぁ!?バ、バカな!論理の矛盾で…体が…!」
アキラ:「すげぇ!言葉で攻撃してる!」
ナムサンダー:「まだだ。お前は『形を持たない』と言った。ならば…」
ナムサンダー、雷のエネルギーを集中させる。
ナムサンダー:「どうして俺の目に『見えてる』んだ?形がないなら、そもそも存在できないはずだろう?」
沈黙のスライム:「うぐぅ…そ、それは…!」
ナムサンダー:「答えられないか。ならば――電光説破!トンチ・ストライク!!!!」
ナムサンダーが両手を合わせ、稲妻の矢を放つ。「矛盾」という文字が光の軌跡となり、スライムを貫通。
沈黙のスライム:「グワアアアアッ!こ、この私が…言葉遊びで…!虚空大帝様ァァァ…!」
大爆発。霧が晴れ、街に光が戻る。人々が次々と正気を取り戻す。
第四幕:余韻と新たな脅威
市街地・夕暮れ
人々が笑顔を取り戻し、日常に戻っていく。
アキラ:「蓮華さん…いや、ナムサンダー、すごかったです!」
蓮華(変身を解き、穏やかな笑み):「まだ始まったばかりだ。あの怪人は言っていた…『黙闇帝国』と。」
雷翁(寺に戻り):「そうじゃ…古文書によれば、その帝国は数百年前にも現れた。人々から思考と言葉を奪い、世界を支配せんとした邪悪な組織…」
蓮華:「ならば、俺はこの『電光説破』で、奴らを止める。頓知の力で……!!」
その時、空に浮かぶ巨大な黒い城のシルエット。
謎の声:「フフフ…ナムサンダーよ。貴様の頓知、確かに見た。だが、我が黙闇帝国の真の力は、これからだ…」
画面が虚空大帝の赤い眼光に切り替わり、不穏な音楽。
エンディング
「今日のトンチ講座」コーナー
アキラが画面に登場。
アキラ:「みんな、見てくれてありがとう!今日のナムサンダーのトンチ、分かったかな?『沈黙なのに喋ってる』『形がないのに見える』――これって、矛盾ってやつだね。悪い奴は、よく自分で自分の嘘をバラしちゃうんだ。君たちも、おかしいなって思ったら、『それって変じゃない?』って聞いてみよう。それが、トンチの第一歩だよ!」
画面に「次回予告」
ナレーション:「第2話『謎かけの罠』――新たな怪人『リドル・ナイト』が出現!ナムサンダーは、三つの謎を解けるのか!?乞うご期待!」
エンディングテーマ「おほとけさま」が流れる。和風メロディでキラキラした静かなメロディー
── 第1話 完 ──




