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瑠璃の姫は夢合う  作者: 西埜水彩
不確定な未来に振り回される
8/11

 瑠璃さんは12月15日に市場へ行ってはいけないと言っていた。


 瑠璃さんは市場のことをよく知らなかったはずだ。学校で禁止されている物が取引されている物を生徒が知っているわけないので、当然だけど。


「うーんどうしてかな?」


 今日はその12月15日。


 言ってはいけないのは市場だけだったから他の場所には行っていいはずだけど、気が乗らないので外出しないことにした。


 せっかくの休みだしね。本当は外出するのがもったいないだけかもしれない。


 この島に来るまで仕事が休みだったら家でひたすら引きこもるのが幸せだったから、今も基本的にはそんな感じだ。


 そうそうこの島に来るまでの記憶はほとんど戻っていない。船で眠ってしまっている間に記憶が封印されてしまったかのような、そんな感じすらしてしまう。


 まあ記憶が無くても問題はない。きっとこの島に来るまでろくでもない生活をしていたから、思い出さない方が幸せだ。


 そんな過去のことよりも、瑠璃さんのことが大事だ。


 確か存在していないぬいぐるみが盗まれるって話をしていたこともあったし、今回は存在を知らないはずの市場に12月15日行ってはいけないと語っていた。


 何よりも瑠璃さんの言うことに、海都さんや雀さんが信じていた。


 本当に突拍子もない話なら、この2人は信じないはずだ。となると瑠璃さんの話していることは、正しさがあるってこと。


 よく考えたら瑠璃さんはいつも未来の話をしている。未来はどうなるのか分からないのに。そこは気にせず、どうどうとした感じを瑠璃さんはしていた。


「まあいいや寝よう」


 いろいろ考えているうちに夜となってしまった。そこで寝ることとする。


『未来を夢見る、瑠璃姫さまの特別な島です。皆様も瑠璃姫さまの役に立ちますように』


 なんかよく分からない説教をされる夢を見ていたら、朝になってしまった。瑠璃さんのことを考えすぎて、訳分からない夢でも見たのかな?


 こうして12月15日が終わり、12月16日になってしまったのだ。


 今日も図書館は休みで、午前中に市場が行われているはずだ。


 そういえば12月16日に市場へ行くなとは瑠璃さん言っていない。


 瑠璃さんは12月15日にすべて終わることだと思っているのだろう。だから今日12月16日は関係ない。


 ということは今日市場へ行ってのいいのではないか?


 そんなわけで昨日とは違って、今日市場へ向かう。もしかしたら瑠璃さんの予想とは違って、12月15日に何もないかもしれない。なんちゃって。


「あっ市場やっている」


 いつも通りのひっそりとした感じで、市場が行われている。


 歩きづらい森の中を歩きつつ、市場の様子を見る。おかしなところは特にはない。


「こんにちは、昨日は大変だったよ~」


 (むかい)さんが私のところへやってきた。


 私とは違って、向さんは昨日も市場へ来たのだろう。


 向さんは瑠璃さんの話を知らない上に、市場が好きなのでそれはあり得る。


「昨日市場がある場所、立ち入り禁止だったのです。だから昨日は市場中止だったのです」


 丁寧な言葉で語る向さん。それほど市場が中止になったことが嫌だったんだろう。


「なんで立ち入り禁止になったのですか?」


 瑠璃さんは12月15日に市場が開かれないと言っていた。


 でも瑠璃さんは単なる生徒であり、偉くないはずだ。そこで森を立ち入り禁止にして、市場を中止にさせることなんてできない。


「それがよく分からないの。なんでも学校の生徒が授業中に市場のある場所へ逃げてきたって話も聞くけど。セーラー服を着たオレンジ髪の子がこの辺でいたって」


 市場のある森から学校まで距離がある。そこで学校から森へ行くのは難しい。


 何よりもセーラー服っていうのが気になる。この島の子供はブレザータイプの服を着ていることは多いけど、セーラー服はいない。学校の制服は自由ならセーラー服の人がいてもおかしくはないけど、気になる。


「授業中に脱出しなくて、放課後ここへこれるのですが、どうしてでしょうね」


「そりゃあその子はKPOP好きなんだって。世界ではやっているKPOPを好きな子が学校にいてもおかしくはない」


 そうかな? KPOPのために学校の生徒が市場へ来るとは思えない。


 そもそもKPOPを聞く機会はないのだから、存在自体生徒は知らないって可能性もある。


 でも市場へ逃げたって話はほんとうかもしれない? 瑠璃さんが12月15日に市場へ行くなって行ったのは、この事件関連のごたごたに私が巻き込まれないようにする配慮なんだ、多分。


「この森へどうやって学校からくるのでしょうか?」


「ここの学校に通う子って超能力者だらけって話だから、移動系の能力を使ったんじゃない?」


 向さんがさらりと非現実的な話をした。


 それはそうなのか分からない。いや常識的に考えるとそうじゃない。


 でも未来が分かるようなことを瑠璃さんは言っていたから、バッサリ否定もできない。


「なんでここの島にある学校に、超能力者がいると思ったのですか?」


「学校に通う子親いないらしいし、なんか超能力を使わなきゃ説明できないこと起きるから」


 向さんの話を聞いても、いまいち納得できない。


 そりゃ瑠璃さんは怪しい。でも分からないことをなんでもかんでも超能力で済ませたらいけないのじゃない?





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