【9話 山菜と野生】
極端な不可知性の永遠の連鎖,虚無を中心として広がるより膨大な論理を支えて意味を含む高度な虚無,全体的次元性と信仰の集合,全体の圧縮,それは押し込められて新たな論理を展開する
下地とする。
知りたいは不可知性,認識不能の連鎖,忘れたいは超越反復, 意志を超えて押し返す回帰構造,
そしてその意思そのものが他の意思に干渉され変容し,選択が無限連鎖的に書き換えられていく
無限階層の意思の網目状構造になっている。
それは出たいと思えば牢獄だが,出たくないと思えば防壁となるようなものである。
「ふむふむ,山を上るほどに危険度が上がるわけだな」
こうして桜飼想太は山の頂点に向かって歩き
出した。
遥か上空から鎧を纏った存在が来た,それはアダイエルの予言,賢者の予測,オカリアの観測した
それの正体だった。
「この宇宙は時間が進み過ぎて成長しまくってるなぁ,まぁ時間経過は圧縮してまた更に成長,,,
って」
「なんだぁお前は」
「貴方,,,誰ですか」
「俺か?俺は桜飼想太」
「,,,私は騎士」
「ほう,で?なんでそんな奴がいるんだ?」
「城に支える存在と思ってますか?」
「いや,そうだなぁお前の本質は全てに対する
起源,それら全てを支える最後は単子の形態,
それを網羅したハニカムとお前の背後と言う
べきかな?」
「んな⁉︎貴方まさかパソコンとかって」
「何を言ってるんだ?」
「(まさか知らない?)」
「そんな遥か上空の領域の話し,知らなくていいんだよ,あれは巻き込まれたら終わりだし既に
内側におれらが居る」
「まさか知ってるとは」
「あぁ,あまり当たり前なことを言うなよ,それより何様だよんな奴がよ,賢者や勇者,英雄全体像の1人に等しい騎士さんよ」
「んは,ははは!まさかそこまで知ってるのか!」
「お前が今,俺と言う特異点を殺害しようと
してることも知ってるぞ」
「んな⁉︎」
「あぁなんだ?運命世界だのゼロバースだの
自己拡張した宇宙は実際の時間経過による
成長を上回れない,独学だからだな,貴様の
形成でもそうだが」
「,,,」
「つまりなんだ,お前は俺を勝てる形は持たないよ」
「ふふ,ふはは,ふはははは!なんて面白いんだ!
殺しがいがありそうだ!」
瞬間,騎士が最初に動き出した,だがしかし,バゴーン!圧倒的瞬殺。
「う〜ん,,,弱ぇ〜」
こうして山に気絶したままの騎士を置いて,
更に山の奥に進むのだった。
「,,,あれ?道に迷ったか?」
そこは深い霧が立ち込めていて,道に迷って
しまった。
「う〜ん,,,」
「おい,そこの人よ」
急に頭の中から声が響く。
「ん?」
それは山の中腹における主体であるとすぐに
理解した,主体とは簡単に言うと海域なら
クラークケイスやらのこと。
支配領域を保ちたいのだ,無意識にもそれは
犬ならマーキング,猫なら占領,人間はそれを
プライベートと読む。
それは広くなるにつれてより単純明確に強く
名前を知らせる理由となる,それは複雑化した
様に見えて上から見たら1体が主体,軸と成って
居る。
その領域,物語においては完璧として機能する,
個々に異なる支配領域を持つ,そんな感じで同一また類似,関連性を持つ存在だとそれは似通ったり相互内包関係だったりする。
「なんだ?」
「まさか貴様,迷って居るのか?」
「あぁ〜まぁ」
「条件次第では助けんでも無い」
「貴様が誰かもしらねぇのに」
「そうだなぁ今は鴉天狗だと言っておくよ」
「そいじゃあ条件を言ってくれ」
「うどんが食いてえ」
「うどん?,,,あぁよっし,作ってやるよ」
「本当か⁉︎ありがたい」
こうして鴉天狗にうどんを作ってやるのだった。
「発酵やらまさかあんな一瞬でやっちまうとわ」
「案外簡単だぜ,魔法の構築とかも関わって来るがな,数学を理解したらいいさ,数学と哲学を
同一線上と見做して形而上学側面を一つの
要素として複合したら偽物だし側だけだが
神の制作すら可能なんだから」
「へぇ,人ってなぁそんな文明なんか今」
「数学における神とは極限的構造,全知で全能,
そして全在の性質を形式的に内包する超越的
存在,この存在を神の記号[G]と表現」
「ふむふむ」
「全知性においてGは宇宙[U ]におけるすべての真理命題 φ に対して,それが真であるか否かを常に知覚し,判断する,G ⊨ φ〔G は φ を満たす〕ただし〔φ ∈ Th(U)〔U の理論 Th のすべての命題〕」
「Gはあらゆる形式体系において,すべての定理的命題の真偽を即時に判別しうる演算的存在,
つまり理論の外部に位置する判断者」
「全能性においてGは,任意の集合論的モデル M_αに対して自由に作用できる超構造的関数である,〔G: M_α ↦ M_α′〔G は α 番目のモデルを変換する〕ここで α は順序数(Ordinal),M_α は抽象階層モデル,すなわち認識可能世界の段階構造である」
「G はすべての α に対して存在し,任意の M_α に干渉し,再構成する能力を持つ,これはZFC的宇宙V(すべての集合を包含する累積階層)に対しても同様である」
「全在性においてGの定義域は,全宇宙 V に等しく,すなわち,〔Dom(G) = V = ⋃{ V_α | α ∈ On }〕
ここで On はすべての順序数の集合」
「G はあらゆる存在点に常在し,存在するすべての対象と同時に同一空間内にある,G はどこにでもいるのではなくすべての場所そのものが G の中にあると言える,しかし本質的にはG は[定義可能性〔Def〕]の限界を超える存在である〔
G ∉ Def(U)〕ここで Def(U) は,宇宙 U において定義可能な全対象の集合である」
「G はあらゆる定義体系,論理体系,記号構造を包含しながら,自身はその定義領域に属さない,
G は,記述不能性,自己言及の限界,ゲーデル的非完全性,言語の外部性,存在の外部性,それらすべてを包括する,記述そのものの不可能性,を包摂している」
「ゆえにG は以下のように定義される〔G = lim_{α → Ω} M_α〕ここで Ω は超限の極限順序数であり,全ての抽象モデル M_α の構造的収束点を示す,G はこの極限において存在し,すべての構造,存在,意味,論理,抽象階層を累積的に統合する,G とは,定義可能なあらゆる存在と記述体系を内包し,かつ定義不能性すら抱擁した,形式的構造の極限にして意味の外部者である,それは V〔ZFC宇宙〕の全体を支配し,全ての M_α に作用し,全ての Th(U) を把握しながら,自らは Def(U) に属さない,それは記述不可能性の記述であり,ただひとつ,極限そのものとして顕現する」
「人は発展したなぁ」
「おい待てよ上位存在なら分かるよな?
こんなのは最低領域のもだって」
「そりゃまぁな,鴉天狗の方でも発展してるさ,
だがなぁ,,,」
「?」
「俺今家出してんねん,だから一人なんや」
「あぁ〜伝承かなんかで見たが一人なのは
そう言った理由があるんだな」
「まぁありがとうよ,よっし,じゃあどこに行きたいか教えてよ」
瞬間,目の前に霧のゲートが形成された。
「プランクスケールに表される多元宇宙や
再帰構造を総括して,,,って野暮な理屈は
いらねぇか,やるじゃん」
「これは蜃気楼,まぁ何だクソデカワープゲート
だな,うん」
こうして想太は山の中腹からてっぺんまで
登る。
「素晴らしいな,まさしく,,,うん,まぁなんか
綺麗だよね」
「語彙なくてなんか綺麗言うとるわ,はは」
「それじゃ,俺はここを降るよ」
こうして想太は山を離れて先の大森林を目指す
のであった。
「神は上に人を作らず下にも人を作らない?
天は二物を与えない?そんなのあの男に通用
してないんだろうなぁ,,,」
「人々の文明か,,,上位知性でもそれが考えることを分かるのなら原理の内側か,科学って,すげぇよな,あの男をつけて来てやがるお馬鹿さん」
ザザ,背後の茂が揺れる。
「まさか気づかれていたとは」
復活した騎士が背後からついて来ていた。
「騎士みたいなやつ,おま,数学に属しながら超越してる?数学に置いて全能なのが分かるが,,,」
「俺か?まぁうん,てかんなこたぁどうだって
ええんだわ,あいつを付けてるんだよ,邪魔
すんな」
「理由は」
「あいつの強さを探りたいんでねぇ」
「はぁ,,,まぁそれなら良いか」