【2話 傲慢な男と始まりの冒険譚】
「暇だな」
くそデカい座に座る男,その名は桜飼想太。
「誰か来ぬか」
遥か昔,古来より存在する男である。
「うぉらぁ!」
「お!侵入者さんですか」
「うはははは!俺は極限体,この身体に傷は
付けられないぜ怪物が!」
極限体とは優れた硬さの総集合体の名前,
[精神的耐久性/忍耐力],[物理的耐久性/耐久力],[技術的耐久性/防御力]この全てが
高水準に発動している。
「オラ来いよ!」
ただでさえ硬い筋肉なのに防御は自身に入る
攻撃の威力を阻害また送迎して受けるダメージを減らす技術的耐久性まで持ち,精神攻撃や
痛みすら硬さを超えられない,,,だが。
「ふ〜ん,極限体,,,ねぇ〜」
瞬間,守りより遥かに強い攻撃が来た,バズ!,,,
ぴちゃ,ぴちゃ,ぴちゃ。
「は?」
両腕を貫通して手刀が腕を貫いて大胸筋の中心を貫いていた,それはまるで槍だった。
「その防御においては理想的なご自慢な身体の
ようだが,,,それだけだ」
じゃぎん,身体から手を引き抜く。
「あ,ぁが」
バタン,一撃で死ぬ。
「極限体,君以外にも居たよ君と同じ同類が,
タフネスでは完璧だろうがただそれだけの君,
スピードでは完璧だろうがただそれだけのガリ,
パワーでは完璧だろうがただそれだけの脳筋」
「回避力では完璧だろうがただそれだけの塵芥,,,
まぁそれを言ってしまえば私は塵芥が山を成したそれだがな,はははっはぁ〜,,,」
「つまらないのは皆同じだから安心して地獄に
行け」
桜飼想太,その身体を言い表すとしたら,,,
完全体としか呼べないだろう。
あらゆる分野に完璧に対応する肉体はもはや
一点突破のそれと同一の分類が無数に重なって
るに等しい,言ってしまえば全身が武器なのだ,
しかもどの武器も他の武器を超越する武器。
長い年月では様々な者が,彼のことをこう称した,怪物と,それ以外にも桜飼想太卿,長老,フィジカルマニアック,座に君臨する王,レッドデーモン,静寂の君主,強さの尊者,,,数千と名付けられた。
一番しっくり来る呼び名は,,,傲慢なる者だった。
「もっとくれ」
それは更に上を求めて座に座っていた,だがしかしある日のことだった。
「もう我慢ならない」
彼は飽き果てていたのだ,待ち焦がれるのに。
「俺はここを出るぜ」
こうして彼は外に出るのだった,出てすぐに見た
光景に絶句した。
「ウガァァァ!!!」
「キャァァァ!助けてぇ!」
目の前には巨大なトカゲがいた。
陸を渡り歩き,海を潜り泳ぎ,空を駆け回る,それはドラゴンと呼ばれる生命体だった。
気づけば想太は。
「あはぁ!」
「がう?」
バゴーン!笑いながら嬉しそうに駆け出していた,まるで少年が玩具を手に取り遊ぶが如く
純粋な瞳で,笑顔で,,,。
「ガゥァァァァァ!!!」
「あははははは」
ドラゴンを蹂躙していた。
地を歩けば大地を破る剛脚は。
「ふん」
鼻息混じりに。
「ぎゃあいあ!」
両足逆折に,吐けば豪炎を噴き出す喉,口,肺が。
「ふんふふ〜ん♪」
「が」
ばばばん,流れるような上段,中段,下段付き
三連撃で突き潰される。
「がぅ!がぅ!」
翼でなんとか空に逃げる。
「あう!」
爬虫類にも似た特性だがドラゴンは異常,高い
再生力で身体を再生すると滑空するように
加速して突撃する,,,だが。
「まさか回復までしてくれるのか!なんて可愛いんだぁぁぁ!❤️」
それはまるで家族とデパートに来てお父さんにゲームセンターでまだ遊んでも良いよと言われたが如し,キラッキラと目を輝かせていた。
「ガゥァァァ!!!」
ドラゴンは大きく口を開いた。
「なんだろ!」
滅茶苦茶ワクワクしながらブレスを待ち望んだ。
瞬間チャージされた豪炎は途轍もない熱さだ,
瞬時にして赤い炎は,あたり一体の空間の可燃物が燃え自然発火現象が発生する,砂がガラスに
成るほどだ。
「わぁ!綺麗だなぁお前」
「がう!」
先程やられた怒りから,更に強くファイアブレスを吐き散らす,周辺空間から酸素が燃え尽きて,
あたり一体が完全な真空と化しても更に加速的に熱を増し,色はと水色から濃い青に〜となって
行く,核融合反応により猛る恒星が如く熱く成る。
「幻想的だなぁ!」
遂にしてその熱量は,1015 GeVと言う宇宙の大爆発の熱量すら超える無限的熱量に到達する。
至りもはや色は消え去る,真っ白な白炎と化す,もはや喰らえば灰燼と化すどころの話ではない,
跡形も無くなるだろう,ドラゴンの特殊なブレスは纏わりつくようにして着火する,故に触れたら
最後燃え尽きるまで鎮火不可能だろう。
「ガゥァァァァァ!」
ドラゴンの高いプライドに,逆鱗に触れた,それが敗因だろう,,,敗因?
「ふ」
しゅ〜。
「あぁああ」
誰がって決まってるでしょ?
「次は何を見せるんだ?」
ドラゴンの敗因ですよ。
まるで誕生日に貰ったホールケーキの上の蝋燭に付く火を,軽く吹き消すが如くドラゴンブレスを鎮火してしまう。
「あう⁉︎」
するとドラゴンは飛び立つ。
「うぉ⁉︎今度はなんだぁ♪」
だがしかし。
「わぅ!わぅ!」
高く飛び去っていく。
「,,,は?まさか逃走しやがったのか?」
「あ,あの〜先程はありがとうございm」
「逃げんじゃねぇ!まだまだまだまだまだまだ
楽しみのたの字も出し切る前だぞ!」
すると想太は拳を握りしめる。
「え⁉︎」
「ふんぬぅぅぅ」
拳を引き溜めながら息を吸う。
「あ,あの〜」
ギン!目が赤く光る。
「喰らえ,1%の力をよ」
瞬間踏鳴,震脚とも呼ばれる踏みつけ程度で,
大地がかち割れるほどの膨大なクレーターを
作る,物質は圧縮して大地震が発生する。
「ひぃぃぃ⁉︎」
「はだぁ!」
瞬間放たれた拳は,光を纏う,いやもはや光子すら追いつけぬほどに加速した,瞬間その拳を
放った風圧,エネルギーが途轍もない速さで
進む,それは雲を分断して天候すら変えた。
そのパンチの名前をつけたとしたらば,
[天を貫く巨人の拳/ギガント・アーム]と
でも呼ぶべきだろう。
瞬間それはドラゴンの身体を直撃した。
「ガゥゥゥ⁉︎」
瞬間,途轍もない衝撃波がドラゴンを襲う,瞬間ドラゴンの体は上空300mから5000m,
10000mと一瞬にして大気圏を超えた。
「ガゥゥゥ!」
それは大量の星々を背に,更に吹き飛び続けて
最終的には。
「ワゥゥァァァァァ!」
巻き込んだ全ての惑星,隕石,恒星と共に
爆散して宇宙の藻屑と化した。
「ふぅ〜狩られる運命から逃げてくれるなよ」
「ひぇ〜⁉︎」
「あぁ?なんだあんた」
「あぁあいあああのののの」
「ガタガタ震えない」
「はいぃぃぃ!先程は助けて頂きありがとう
ございましたぁぁぁ!!!」
「,,,助けた?俺がか?何もして無いが」
「え?いやだってドラゴン」
「あんな逃げざる軟弱な翼蜥蜴風情がドラゴン?
はは!嘘は言わなくて結構,似てるだけだよ」
「私は本当のドラゴンとは戦って無いぞ!」
「え?え?え?」
「さ〜てと,これから何しよっかな〜」
こうしてドラゴンを叩き潰して今後のことを
考えるのだった。