私のケツを舐めろ！とか正気か？
「ちょっと男子！ 私たちのお尻に顔を埋めて舐め回すのやめてもらえる？ 気持ち悪くて仕方ないんだけど！」
女子たちの怒声が教室に炸裂した。アヤメを筆頭に、ハイレグTバックのパイロットスーツ姿の女子たちが、腕を組んで男子たちを睨みつける。その挑発的な姿は、今日も男子たちを困惑させるには十分だった。
男子のリーダー、タカシが即座に立ち上がって反撃に出る。
「お前らそんなこと言っておいて、尻を突き出して舐めるように強要するだろ！」
彼の声に、他の男子たちが「そうだそうだ！」と賛同する。
「言う通りにすれば『気持ち悪い』って罵倒してくるし、無視すれば『私たち仲間じゃないの！？』って非難してくる！ それより、舐めるだけならまだしも、肛門に舌を突っ込めとか無茶言うなよ！」
確かに、女子たちの行動は常軌を逸していた。訓練の合間に突然尻を突き出し、「絆を深めようよ！」と笑顔で迫ってくるのだ。男子たちが渋々従えば罵倒され、拒否すれば仲間はずれ扱い。しかも最近は「もっと奥まで！」と過激な要求まで飛び出す始末だ。
女子たちは負けじと反論する。
「これは宇宙戦争時代のパイロット間で行われた、仲間の絆を強める儀式だよ！」
アヤメが自信満々に胸を張る。
「女に罵倒されながらも男がひたすら舐め続けることで、仲間の絆がより強固になるんだから！ 訓練教官のミサト先生が教えてくれたよ。ミサト先生は担任の山崎先生と宇宙戦争時代から今に至るまでずっとこの儀式を続けてて、毎晩絆を強固にしてるって！」
その言葉に、担任の山崎は内心で盛大に頭を抱えた。
（何！？ そんな儀式ねえよ！ あれは俺がミサトに頼んでやってるだけの個人的なプレイだろ！）
山崎は元パイロットであり、妻であるミサトとは戦場を共にした仲だ。確かに毎晩、ミサトに「絆を深めよう」と言いながら尻を舐めるプレイを楽しんでいるが、それはあくまで彼の性癖だ。宇宙戦争時代の伝統でも何でもない。
（自分の性癖を暴露するわけにはいかねえし、ミサトの名誉も絡むし……黙っとくか……）
結局、山崎は苦笑いを浮かべつつ口を噤んだ。
男子たちは一斉に反撃に出る。
「嘘つけ！ そんな儀式存在するかよ！」
タカシが拳を握り潰す勢いで叫ぶ。
「そもそも仲間の絆と尻を舐めるのが何の関係があるんだ！？」
女子たちは涼しい顔で言い返す。
「尻穴も舐められないような男子に背中なんか預けられない！」
アヤメがニヤリと笑って続ける。
「戦場じゃ命を預け合う仲なんだよ？ これくらい出来ないでどうするの？」
教室が一瞬静まり返り、次の瞬間、男女のバトルがさらに加熱した。
「お前らの性癖に付き合わせるな！」
タカシが顔を真っ赤にして叫ぶ。
「はあ！？ 性癖関係なくて儀式だし、一度くらい感じさせてみろよ下手くそ！」
アヤメが挑発的に尻を突き出して言い返す。
「肛門に舌入れろとか正気か！？」
「絆のためなら当然でしょ！」
「気持ち悪いって言うな！」
「気持ち良くさせられないお前らが悪い！」
騒ぎは収まるどころかエスカレートし、教室はまるで戦場のような混乱状態に。山崎は疲れた目でその光景を見つめる。
（宇宙戦争よりこいつらの相手の方が過酷だな……）
彼の脳裏には、昨晩ミサトに「もっと奥まで舐めて！」とせがまれた記憶が蘇る。あの時は愛情の一環だったが、まさか生徒たちにまで波及するとは思わなかった。
そして今日も、女子と男子のバトルは平行線をたどる。
この過激で奇妙な日常が、このクラスの常態だった。
だが、そんな彼らの知らないところで、宇宙の深淵から新たな敵が迫りつつあった。次なる戦いの日、この「絆の儀式」が真の試練に直面する時が来ることを、彼らはまだ知らない。
