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制服はきちんと着ろ


「ちょっと男子! 制服をちゃんと着てる時までいやらしい目で見るのやめてもらえる? 今回は言い逃れ出来ないよ?」


 女子たちの鋭い声が教室に響き渡った。アヤメを筆頭に、制服姿の女子たちが男子たちを睨みつける。その姿は一見普通の学生らしいが、よく見るとどこか異様だった。


 男子のリーダー、タカシが即座に立ち上がって反撃に出る。


「制服をちゃんと着てるって、どの口が言うんだよ!」


 彼の声に、他の男子たちが「そうだそうだ!」と賛同する。


「なぜ全員がノーパンノーブラなんだ? なぜ制服を改造して極端なミニスカートにして、股間や尻をチラチラさせるんだ? ブラウスのボタンを胸が見えるまで外すのは何だよ! 原因はそれだろ! つーか、制服の改造なんて校則違反じゃねえのか?」


 確かに、女子たちの制服は普通ではなかった。

 スカートは膝上30センチを超える極端なミニ丈で、ちょっと動けば股間や尻が覗きそうになる。

 ブラウスは上から3つもボタンが外され、胸の谷間が大胆に露出している。

 そして何より、全員がノーパンノーブラだった。


 女子たちは負けじと反論する。


「どうせ操縦訓練のためにすぐパイロットスーツに着替えるんだから、下着を履いてくるなんて面倒じゃん!」


 アヤメが髪をかき上げながら続ける。


「それに、この制服は軍のお下がりでサイズが合わないんだよ。だから改造するしかないでしょ。それぐらい理解してよ!」


 担任の山崎は内心で首をかしげた。


(サイズだけ直せば改造なんて必要ないだろ……)


 だが、彼の脳裏に昨晩の記憶が蘇る。

 妻であり訓練教官のミサトとの制服プレイで、彼女が着ていたコスプレ制服と女子たちが着ている制服のデザインが妙に一致していた。あの極端なミニスカートと大胆に開いたブラウス……偶然か? いや、ミサトが女子たちに何か吹き込んだ可能性が高い。


(下手に口出ししてミサトの名前が出ると面倒だな……)


 結局、山崎は苦笑いを浮かべつつ黙ることにした。


 男子たちはさらに反論を続ける。


「百歩譲って制服の改造には目を瞑るとしてもさ、なんで俺たちの目の前でブラウス開けて胸を見せつけたり、スカート捲って股間や尻を見せつけるんだよ! 原因はそれだろ!」


 女子たちは平然と反撃に出る。


「ブラウスを開けたりスカート捲るのは暑いからだよ!」


 アヤメが肩をすくめて続ける。


「パイロットスーツみたいに高機能じゃないこの制服じゃ仕方ないでしょ。別に男子の前で見せるためにやってるわけじゃないよ。勝手なこと言うな!」


 教室が一瞬静まり返り、次の瞬間、男子たちが一斉に声を上げた。


「少しは恥じらえよ!」


 タカシが拳を握り潰す勢いで叫ぶ。


「そっちが勝手に意識してるだけでしょ!」


 アヤメが涼しい顔で言い返す。


「何でノーパンノーブラなんだよ!」

「訓練の効率のためだよ!」

「胸や尻見せんな!」

「暑いんだから仕方ないでしょ!」


 バトルはますます加熱し、教室はまるで戦場のような騒ぎに。山崎は疲れた目でその光景を見つめる。


(宇宙戦争よりこいつらの言い争いがキツいな……)


 彼の脳裏には、昨晩のミサトの姿が浮かんでいた。


「学生になった気分にならない?私ら戦争でそれどころじゃなかったけど」


 と笑いながら極端なミニスカートを披露したあの時もノーパンノーブラだったが、まさか生徒にまで影響を与えるとは。


 そして今日も、女子と男子のバトルは平行線をたどる。

 この過激で奇妙な日常が、このクラスの常態だった。

 だが、そんな彼らの知らないところで、宇宙の彼方から新たな危機が忍び寄りつつあった。次なる戦いの日、改造制服とパイロットスーツの間で繰り広げられる真実が明らかになる時が来ることを、彼らはまだ知らない。


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