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城脱出

真夜中。

俺はランタンを持ち白の見回りをしている。

窓ガラスから月明かりが廊下を薄暗く照らしている。

午前0時に時計が針を指す。

ロイナ姫の部屋の前に来る。

今日、俺はロイナに会う約束を取り付けられたのだ。

俺は城の兵士でロイナはこの国の王の娘だ。

一人の一般兵士と姫が密会をするその理由は俺とロイナが恋仲にあるからだ。


「失礼します」


「待っていたわ、スグル」


部屋のベッドに座っていたロイナ。


「ロイナ...会いたかった...」


俺はロイナに走りだしキスをする。


「私もよ...んっ...」


濃厚なキスをした後、俺はロイナの服を脱がす。

お互いの熱い吐息が顔に当たる。


「しかし今はお預けだロイナ」


「どうして?」


「今は見回り中もしもこんなところを他の人に見られたり聞かれたりしたら」


「えー。折角愛し合えると思ったのにー」


「仕方がないことだ、ならば身分を捨てて駆け落ちでも?」


「私はいいけど」


ロイナは拗ねた口調で言う。


「ふーん、まぁ今度にしましょう」


扉を少し開けて辺りに誰もいないかを確認した後、部屋から出る。


(しかし...積極的だな...ロイナ...ああ言う女か)


恋仲になって二ヶ月まだまだ知らないことばかりだ。

俺は廊下を歩き出す。


「お楽しみでしたなスグル君」


背後から男の声がして振り向くと同時に剣を抜く。


「おぉっと危ない」


「誰だ?」


男は不気味に笑う。


「わたしはジュウガ騎士団、スカーと申す、そして問題、デージーの花言葉は?」


「何を唐突に...ジュウガ騎士団とは何だ?」


「正解は純真な死と言う意味だよ」


スカーは俺の間合いに入っていた。


「!!」


すぐさまスカーの剣の斬撃を剣で防ぐ互いの金属がぶつかった音が辺りに響き渡る。


「反応が早いな」


「そりゃどうも」


俺はスカーから距離を取る。


「まぁちょうどいい肩慣らしにはなったかな」


スカーが言う。


「どう言うことだ?」


身構えるとそこに奴はいない。

後ろを振り向くと奴はいた。


「なっ!」


剣が降りかかるが何とか防ぎ。

繰り返しスカーからの斬撃が繰り出され、それを防ぐことがやっとだ。

剣でスカーを突き飛ばし、高くバク宙をしてスカーに斬撃するが防がれてしまう。


「もういいよ」


俺は蹴飛ばされ近くの窓ガラスを破って転落する。

背中に痛みが走る。

地面に落ちたのか。

だが生きている、よかった体を鍛えていて。

しかし打ちどころが良かっただけだ。

俺は姫の部屋のベランダにジャンプして窓を叩く。


「スグル、どうしたの?」


「早く窓を開けてくれ!」


「うん...」


窓を開けてもらい真っ先に扉に鍵をかける。


「ふぅ...」


「どうしたのその傷?」


「この城に侵入者がいる、そいつにやられた」


「治癒魔法で治してあげる、じっとしてて」


「くっ!」


傷口が先程よりも痛くなる。


「大丈夫」


すると傷口が塞がって行くと同時に痛みが和らぐ。


「すごい...」


傷口が完全になくなる。

その時、廊下を走る音が聞こえる。

直後、悲鳴が響き渡る。


「え?さっきの叫び声...」


「あぁ兵士が殺されたんだ」


異常を知らせる鐘が鳴る城の壁を越えて敵が来たってことか。

まずい、いずれこの部屋に入られる


「何が目的なのよ」


「恐らく奴らの目的はこの城を崩壊させることによって王族を殺し恐怖でこの国を乗っ取ることだと考えられる」


その事をロイナに話す。


「いえ、そうだと断定はできなさそうね」


「何故?」


「それだったらこの城を壊す意味はないだって再利用できるから、国を乗っ取るのであれば偉い人...つまり私のお父様やお母様が民衆の前に現れる時にこう言うことをするはずよ、だから他に違う理由がある」


「そうですか...ともかく今はこの状況からどうやって生き延びるかだ」


すると、窓側から飛行音が聞こえる。

間違いない何かくる。

現れたのは箒にのった女の子。


「やっぱりいたのね!ロイナ姫の隣にいるのは護衛係かしら」


女の子は俺に視線を向けた後ロイナに視線を戻す。


「あー王族の一人を発見したわ、殺していいわよね」


誰かと連絡しているのか女の子は耳に手を当てていた。

俺は好機と思い宙を舞い斬りつけようとするが。


「グハァッ」


謎の力で壁に叩きつけられる。


「通話してくる時に攻撃してくるとか最低だね」


女の子は箒から降りてロイナに魔法で縛った。


「ロイナ!」


「私のことは気にせずに戦いに集中して!」


その言葉を受け止めて女の子と見合う。


「うぉぉ!!」


女の子に斬りかかるが箒で防がれて中段付きをされる。

体勢を立て直す。

剣を二回転させると同時に体を回転させつつ二回転させる、これにより五回斬撃を短時間で行える。

箒がそれにより吹き飛ぶ。


「ドォリャァァァァ!!」


勢いで女の子の両手を切断する。

手の甲に魔法陣が描かれてあったが何だったんだ。

しかし、そんな事を気にしている場合ではない。


「キャァァァ!!」


女の子が叫ぶ。

魔力が無くなったのかロイナは束縛から解放される。

女の子は発狂しながらベランダから転落した。


「スグル秘密の地下通路に逃げましょう」


壁に飾ってある絵画に描かれている太陽に手をかざすロイナ。

すると、隣の壁が開いた。


「こんな逃げ道があったとは驚いた」


「まぁ、王族しか知らないからね」


階段を降りる。


「水の音?」


階段を駆け下りている最中、そんな音が聞こえてきた。

更に異臭もする。


「臭いわね...」


「まさか地下通路は下水路か?」


「そうらしいわ詳しいことはよくわからないけど」


階段を駆け下りると通路が右に伸びている。

水は汚れている。様々な人達の糞尿が混ざっていると思うと気持ち悪く感じてきた。


「早く外に出ましょう気持ち悪いわ」


「あぁそうだな」


奥に走りだす。

通路をひたすら進むと水の中から魔物が現れる。


「ぐわぁ」


魔物はうめき声を上げる。


「どうして魔物が水の中から?!」


「知らないよ」


俺は剣を抜き魔物に斬りかかるが防がれる。


「か、固い...!」


魔物が体中から汚水を撒き散らす。

俺は後退りして魔物が顔を上げたタイミングで、振りかぶり、切り裂いた。

魔物は体を真っ二つにされ倒れた。


「行きましょう」


「ちょっとまって」


ロイナが魔物に近づく。


「よく見て」


魔物の体には魔法陣のマークが刻まれていた。


「このマーク...確か魔法使いの女の手の甲にあったような」


「あの女が仕向けた手下ということね」


俺達は確かな緊張感を胸に走り出す。




「光だ!」


俺はもうすぐ出口に近付いてるのだと思った。

しかし、後ろから数十体の魔物が現れた。

数体が俺達の前に跳び前身することを遮る。


「クソォっ!!」


「ねぇ、どうする?」


「どうするって...戦うしかないだろ」


剣を握りしめる。

しかしこんな数をどうやって相手するのか。

一人だったらギリギリかもしれないが守らなければならない人がいる。


「待て、手を出すな」


出口付近から声が聞こえる。


「お前は?!」

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