ジョンのプレゼント
胸糞展開あります。
エイデン家の別邸に到着し、ルキアスとライアンは執事に迎え入れられる。
「これ、お土産です。滋養強壮にいいらしんですよ。隣国のお茶です」
現在愛人は3人。個室をあてがい毎日違う部屋を訪れるらしい。
「ライアンはお茶を淹れてから来てね」
ふふ。と、ルキアスは年相応に笑いながら手を振った。
応接間に案内され、上品なソファに座る。
一級品…こんなに金の羽振りがいいのか。
背景に誰かいるのか。
賭博も手を出していたな、とソファをさすりながら別邸の主人を待つ。
来たのは10分後だった。
ドカドカと足音を立て機嫌が悪そうに現れた男はテーブルに置いていたお茶を一気に飲み干し、一瞥するとお辞儀した。
「これはこれは、クレイン公爵子息ではないですか」
年配の者は遅れてくるのが美徳とでも思っているのか。
男は悪びれもなく、笑みを浮かべる。
キリィにも、リリアにも似ていない下種な部類の。
ルキアスは表情筋を動かし、口を開く。
まぁ、想定内だ。早めにケリを付けよう。
「此度は、愛しい婚約者、リリア嬢との結婚の挨拶に訪れました」
「何を言っておりますか? リリアはエイデン家後継。結婚どころか、婚約も白紙に、という事ではないですか」
認めていない、と言いたげに。
男はルキアスを睨みつける。
嫌悪を隠す気が無いようだ。
「いえ、白紙にはしませんよ。そもそも貴方にはその権限がない。当主はキリィ様ですよね」
「エイデン家を支えてきた私が言うのに?キリィはわしの大切な孫ですぞ」
「本当の孫ではないくせに?」
何故知っているのか?
顔にすぐ出る、これでは貴族社会で生きていけない。
「何を言っているのかね?」
恐ろしいものでも見るかのように。確認を行う。
部屋には二人きり。にしてもらっていた。
「あんたは当時の伯爵を殺し、夫人に漬け込み、その息子を痛ぶり、キリィを教育し、何年も前からずっと使用人に手を出してきたよな。気が強い女が好き。自虐性があり、逆らおうとしたメイドに傷を負わせ、若い女を好む」
「お前…だれだ?」
男の顔が青白くなる。
「覚えてるわけないよな。俺は覚えてるよ、アンタのこと。ずっと調べていたから」
淡々と。ルキアスは話す。
調べていたのは前世の自分だが。
真実を突き止めたのはジョンだ、ルキアスではない。
ルキアスは、彼の代わりに男に伝える。
「お前がアミィを殺したんだ」
その言葉を聞き、男はルキアスに殴りかかろうとした。かかろうとしたのだが、身体が上手く動かない。脈が早くなる、呼吸が荒くなる。
ルキアスは立ち上がり男の胸元の服を破る。
少年にしては力が強く男は近づいて来た少年に赦しを乞う。
「わ、わしが悪かった!」
呼吸のリズムがだんだん乱れていく。
ルキアスは男を倒し、金縛りにあったかのように動かない男を蹴り上げた。
「お前が、アミィをアミリアを殺した、お前が殺した!」
何度も蹴りつける。しかし、痕が残らないように慎重に。
ルキアスの中にいる前世の青年の怒りだ。
「お前は死ぬんだ。僕じゃない、アイツに」
ジョンに、殺されるんだ。
「お前の死が僕たちの結婚祝いだよ」
動かなくなった男にルキアスはそう言った。




