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マーリ・エイデン(後編)

胸糞展開あります




アミリアは小さな個室で発狂していた。

目が虚になりぶつぶつ何か言うと思ったら叫んでいた。


その様子に祖父は殴りつけ「穀潰しが!」と詰り続ける。


「たかだか生娘相手に!本当ならマーリが寝ていたはずだろ?お前なさえいければ!!」


流石に様子を見ていたメイドは助けを呼び、執事と雇われていた衛兵が前主を抑える。


「服を脱がされただけで怯えよって!役に立たないなら役に立たないなりに男を立てろ!」

ワシは先代伯爵だぞ!

そう言いながら祖父は別室に案内された。




キリィが帰ってきたのは夜だった。

祖父とアミリアは別室で離され、流石にマーリを襲おうとした祖父を同じ邸に置いては行けないと、別邸に移した。

マーリの計らいで、女好きの祖父に娼婦を当てがった。まぁ、本人が連れ込んでいる分もあるのだが。





それから失った時間を埋めるようにマーリはアミリアを介抱した。

同時にキリィを諭し、いかに彼が祖父の影響を受けていたかを何度も説明した。

キリィが過去の呪縛から解放されたのは、結婚して11ヶ月目のある日だった。




結婚後1年手前。

マーリはアミリアを連れ、池のボートを漕いでいた。


「懐かしいでしょ?昔アミィがね、私が漕ぐんだってどっちが漕ぐのか喧嘩になったのよ。止めたのがミナでね」


最近では大きな声は出さず、呟くだけになったアミリアにマーリは学園時代に遊んだ場所を巡っていた。


「アミィ。私、たくさんあなたを傷つけた。何も理解してなかった。あなたはいつも優しいのにね」


彼女に声は届いていなくても。これだけは言いたかった。


「ごめんね、アミィ。大好きだよ」


俯いていた彼女が視線をあげ、翡翠色の瞳から涙がこぼれる。


「もぅ、ぃ、の。 マリ…ぁがと…つかれ、ちゃった…から、…ぉやす、する、」


立ち上がり、危ないと止める間も無くアミリアは池に沈んで…







自殺だった。










葬式は内密に行われた。

アミリアと言う者はいなかった。

そう箝口令をしき、伯爵家の中ではアミリアの存在はいなくなった。



共同の墓場に送られ、マーリは無表情のまま涙をこぼした。







今度はキリィがマーリを支えてくれた。

「君の方が賢いから」

自分はたくさん間違いを起こしてきたから。

君が私を正してくれ、と。




それから二人の間に双子が生まれてきた。

子供の名前はマーリが決めた。

アミリアの名前から取って

リリア と アリア




リリアはキリィにそっくりで。アミリアにそっくりだった。まるでアミリアが生きているみたいだった。


可愛い、アミリア。今度こそ、幸せにしてあげるね。

そう心に決めた。



もう一人の娘、アリアは蜂蜜色の髪色。

マーリはリリアに夢中でアリアの髪色に気付かなかった。




自分の幼い頃に亡くなった祖母と同じ髪色だという事に。





けして、アリアを愛していないわけでは無かった。


接し方がわからなかった。


学園時代の、アミリアを苦しめた自分に瓜二つな彼女をどんなふうに正せばいいのかを。

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