表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/276

必要とされなかった子

下ネタ入ります。

ふと、視線を感じ意識を戻す。

指差していた騎士がこちらを見た。


「何してるんですか?」


多分、口パクでそう言われた気がした。

おかしくて笑ってしまった。1人で笑うおかしな子。そう思われても仕方がない。

でも、真面目な顔して口パクとか…!

一気に力が抜けていった。

思わずしゃがみ込んだ。




「あの、大丈夫?」

目の前に影が現れたのは一瞬だった。

影の主を見ると、この国の王子だった。


アレク・ワーランド

第二王子。


先程までの微笑みとは違う少し心配した声音。

おかしな子って思われてるのかな。

「だっ、ひゃ、だいじょ、ぶです」

思った以上におかしな返事になってしまった。



ふと、ライアンの方に視線を戻すと、彼は警備場所から姿を消していた。




「あの、もし良かったらコレ…」

そう言って小さな紙を渡してくれた。

「医務室の場所。それでもわからなければ誰か捕まえて連れていってもらって」

真面目君かっ!

「幼馴染が緊張したらよくお腹を痛めるんだ。少し方向音痴なところがあるから地図に書くのが習慣付いてて」

とても優しい笑顔ではにかんだ。


王子様にとってその幼馴染は特別なんだろうな。


雰囲気で察して「ありがとうございます」

自然とお礼が出た。


いつもの作られた声じゃなかった。








とは言ったものの。

ただ笑いすぎてただけで元気なんだよなぁ。


あの後王子はすぐ他の令嬢達に捕まりスマートな対応で…以下略






「あらぁ、ごめん遊ばせ!」

冷たい液体が右腕から下に飛び散る。

腕を伝いドレスに黒い斑点が滴る。

鮮やかなピンク色を二つに縛った髪の少女が睨みを効かせからのグラスを手にしていた。



「姉は身体を使って公爵家のルキ様を貶めただけでなく妹は複数の男と関係を持って王子様まで嵌めるとはねぇ」

グラスを捨て、代わりに扇をパタパタさせる。


私は過去のこと覚えがあるけど、姉は違う。

リリアの身体の成長はルキアスがちょっかい出してるからだ。

本人意識してないだろうけどアレは特殊プレイの域に達してると思う。

姉に至っては眠ってる時に何をされてるか知ったら涙なしでは語れないほどに。


大体婚約翌日に現れて姉の不在時に部屋に上がり込み下着泥棒してたなんて誰が信じるか!


旅行から帰ってきてからもセクハラから始まりの知り合いの業者に頼んでミミと言う公爵家のスパイ…もといメイドさんに同じサイズとデザインの下着を頼んで置いてもらって換えてもらってるとか姉が知ったら泣き出す事案だ。


ルキアスに関しては全否定だ、アレは姉にしか興味がない。



まぁ、最近になって真実を知って昔憧れていた過去の自分を殴りたい。



話は脱線したが。

「王子様と仲良くしていませんよぅ。具合が悪くなって介抱してもらっただけですって」


頭の中で、わざとらしい話し方だ、と誰かの声がエコーする。

自分の声かもしれない。

…本当、わざとらしい。



「そんなこと言って。姉と違って愛嬌しかないのに男が釣れるのね…ずんぐりむっくりのくせして」

スタイルの件はお前も一緒だ、幼児体型ぃ!


存在が気に食わないのだろう。

令嬢は睨みつけながら罵声を浴びせ続ける。



存在、が、気に食わないのだ。

いらない存在。なんだ。


そう思うと、自分の手が自分から離れていく感覚に襲われる。



あぁ、わたしは。


誰からも、必要とされていないんだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ