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アリアと城下町

夏のある日。


学園の学生の帰省シーズンになり、城下は賑わっていた。


アリア・エイデンは今日も元気に男漁りという名の街を冒険していた。









昔から比べられる優秀な姉。両親の愛情を一身に受け、素敵な婚約者に愛される姉。将来が約束されても努力を続けている優しい姉。ワガママな妹に優しさをつけ込まれる姉。


ずるい。



アリアは自分の性格を熟知していた。だからこそ、姉と自分は違うのだ、と、認めてほしかった。





ママに。






母親はいつもアリアをいない子として扱う。

曾祖父は嫌悪を表していた。それならまだよかった。存在を認められているから。


母親はアリアに話さない。何もしてこない。物心ついた時にはアリアに無関心だった。


姉を困らせれば叱ってくれると思っていた。

ワガママを言えば、向き合ってくれると信じていた。

いっそのこと、嫌いって言われたら切り離すこともできていた。



小さな頃、母親が寝ているリリアに謝っている光景を見た。

「あの時はごめんなさい。あなたを犠牲にしてごめんなさい。代わりにこの子を大切にするからね」って。涙を流しながら。


パパにもママにも似ていないアリアは二人の子なのに。

パパに似ているリリアだけを見ている。


リリアとママのところへ行って三人で一緒に寝たかったのに。

足が動かなかった。






リリアの婚約者のルキアスもそうだった。

執着に近い。リリアばかりを追いかけてリリアしか見ていない。最初の頃は、素敵だな。と思った。年が経つにつれてその執着心がひどく歪んで見えた。

それでも、リリアを必要としているルキアスの気持ちがアリアには羨ましかった。





リリアは周りから認めてもらっている。


アリアの周りは何も残らない。 

一時期はリリアの真似をしていたのに、アリアはリリアになれない。


必要とされたいのに、誰も必要としてくれない。


ルキアスの誘いに乗って王城へ出かけた時も周りは見た目だけのアリアに寄ってきた。

でも見てくれだけ。

「好きです」と囁けば、アリアを見てくれる。


その一瞬だけ。



リリアとルキアスの様になれない。


そんな関係に踏み込めない。方法を知らない。





ひどい生き方だな、と、アリア自身が感じている。


その場限りの楽しみなんて。相手にとって本当に必要な時に、アリアを必要としてくれる事はない。見た目だけの飾り人形。



それでも、必要とされたいと願う。

出口のない心はどこに向かうのだろうか?




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