カフェタイム
ルキアスが学園に入学して、早一週間。
リリアも来年から学園なんだよなぁ。楽しい悲しい前世の学園生活を思い出し、元凶である父と母を見る。
あの劇的な前世の断罪?をした末の大恋愛カップルはまだまだ仲良しだ。アリアの事はあるけれど、マーリにキリィはとても優しいし、よく贈り物を送り合っている。
一応キリィも王城で文官として働いているし、マーリも元々は頭が良い特待生として学園に入学していたので、今ではすっかり伯爵夫人としての威厳とオーラが出ている。
二人で子供ほったらかして仲良くデートしているとはいえるし。
リリアとルキアスの関係の方がよっぽど枯れてるわな。
そう言えば、刺繍したハンカチ欲しいとか言ってたなぁ〜と思って、ミミさん連れて城下に出たのさ。
「今度、父と母が弟と一緒に帰ってくるんですよ〜」
あー、未遂事件の加害者パパですね。
「そうなんだぁ。ここで暮すの?」
「はぁい〜、母は働くのが好きみたいなのでクレイン公爵家に戻るらしいです〜。父は商会の会長なので、研究に明け暮れるって言ってました〜、弟は来年編入して学園に通いますよ〜」
ほわほわ、癒されながらミミさんは微笑む。
つられて私も笑顔になる。癒されるわぁ、この子は。
「子爵様商人だったんだ! 弟さん確か騎士学校通ってたよね」
「はい〜、弟はルキアス様の補佐候補なんですよ〜、ちょっと口煩いんですけど、根はいい子です!」
「そうなんだっ! そう言うとミミさんは学園に通ってないよね、子爵家だったのに。…私のお世話ばっかりしてて通えなかった?」
「いいえ〜、先に通って合格してサクッと卒業したんです。授業と試験だけ受けて」
確か、8歳の時です〜と和やかに言ってるけどそれってすごい事だよね?!
「ルキアス様もやろうと思えば出来たと思いますよぅ」
さいですか。
お目当ての手芸屋さんを見つけて刺繍糸を購入する。
紫、銀色、赤、緑。
この配色で出来そうな花は、薔薇かな…難しいから他のにしよう。
並縫いはできるんだけどなぁ、いかんせん刺繍は好き嫌い分かれるよねぇ。嫌いではないけど苦手だし!
ミミさんが荷物持ちますよ〜って言ってくれたけど軽いものだったので断りを入れた。
小綺麗なカフェに入りレモンティーを注文する。
ミミさんも向かいの席に座りコーヒーのブラックを。大人だ!
今日のデザートのワッフルのプリン乗せを食べながら優雅にスイーツタイムを堪能…出来たらよかったなぁぁぁ!
「私のために喧嘩しないでぇ!」
外から。
そりゃあもう可憐な声が聞こえてきたよ。
何事かと周りの客も私たちも声の主を見て…ため息をついた。
男二人の喧嘩を仲裁しているアリアだった。




