物事は進む
昼は昼寝して、優雅にニート生活を満喫していた。
ナナの料理が美味しいのと、あの出来事が衝撃的すぎてまだ身体が休まってないらしい。
夕方、月が見え始めて入口から裏手に回り湖を見ていた。
澄んだ湖を水面に顔を覗かせると沈む石ころや丸いガラスの結晶がチラホラ見えてとても幻想的だった。
ゲームの世界〜!とか呑気に考えていたけれど、実際は知らない人たちが生活している。攻略対象だったナルシスがナナと結婚していたり、マークが父親大好きだったりとか。
ルキアスがまさかのジョンの生まれ変わりだだたり、とか。
食事中にあっけからんと「前回はね〜、君の死体が埋蔵されていた墓地が共同墓地だったからね、掘り起こして遺骨の一部を手に入れて魔術式を書いてジョンを生贄にしたんだ!両方蘇らなくてさぁ!まさかのルキアス坊ちゃんがジョンの記憶があるとは思わなくてさ!ははっ!生まれ変わりの魔術だったんだねぇ〜」
と、食事も喉に通らないヘビーな内容をナルシスが説明してくれていた。
語尾の呑気な口調はミミさんに受け継がれのかなぁーとちょっと現実逃避した。
ぼけ〜と水面を見ていると明かりが灯る気配がした。
辺り一面暗くなっていた。蝋燭のライトをルキアスが持って現れたのだ。
「ねぇ、リリア」
「なぁに?ルキアス」
他人行儀だなぁ。
「ごめんね、クビ…締めて」
「こっちこそ、ごめんなさい…叩いて」
「叩かれてないよ。殴られた」
蝋燭を芝生に置き、ルキアスも隣に腰掛ける。
久々に隣に座ってくれたな、とくすぐったい気持ちになるが視線は水面のままだ。
「ねぇ、ルキアスは…私をアミリアの代わりにしてたの?」
「…わかっちゃったんだ。…そうだよ。僕にとって君はリリアではなくアミリアだった。君が僕の言うことを聞いて、選んだ服を着てくれたりしたらさ、アミリアが僕の女の子って思えて嬉しかった。…リリアはジョンの事、好きだったの?」
「ーーー初恋だったの。アミリアの。多分、リリアにとっても。いない人を初恋だなんておかしいと思う。でも、忘れられないし、忘れたくないの。ジョンとルキアスは違う。生き方も、関わってきた環境も」
だから。
「生まれ変わり、じゃなくて、リリアとしてルキウスが好きよ」
それでもアミリアをとるのであれば、私は諦めるけど。
ヒロインじゃなくて、前世の自分に負けるとか…それは悲しい。
ルキアスが目を見開いてリリアを見る。
今の彼の目には私はどっちとして見えているのだろう。
身体を抱きしめられ、見詰められる。
「リリア、ありがとう。僕も君と一緒に生きたいな」
好きだよ、とキスされた。




