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ルキアスと(後編)

次のお茶会では彼女がエメラルドのネックレスをしていた。


「大切な人です」

そう言った彼女は【あの子】と同じ笑顔で微笑んでいた。


嫌だな、ソレ。あの子と同じ顔でそんな言葉言わないでよ。


ネックレスの色味が記憶の中の前世の自分と重なる。


前世の自分の瞳は植物の草みたいなあまり綺麗ではない緑色だった。あの子はその色を「とても綺麗なエメラルドみたいじゃない?そう思うのって私だけかな?」と言ってくれたのだ。


あの子が自分のことを好きだった。そうだったらよかったのに。

目の前で微笑む彼女が。

前世の自分の恋人になっていたかもしれない【あの子】を連想させる。


今の自分が過去の自分に劣る。

何も知らない目の前の彼女が、自分を否定したように感じた。







「嫌いにならないでね」

「ずっと、ずっと好きだから」



だから、君はあの子の為に死んでくれるかな?





1年間距離を置いた。煩わしい彼女の妹に男をあてがって一時の甘い夢を見させれば良い。こっちに構ってくるな。


自分は訓練所に行って訓練を重ねた。幸いなことに前世の体術の知識が活かせ、近衛隊のトップがまさかの前世の長兄だった。

脳筋なのは変わらず、好みの食べ物を渡すと積極的に訓練に参加させてくれるようになった。


僕は前回の自分に何一つ劣ってない。

【あの子】はきっと僕を見てくれる。

今度こそ絶対に一緒になってみせる。



約束の日になって、彼女の前で宣言した。



【本当】の恋人になりたい。と

















「お前はジョンかぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


彼女は目を見開き自分を見た。


何で?どうして?彼女が前世の自分の名前を?


今までに無いほど口調を荒くし、彼女は数発顔や身体にパンチを喰らわす。突然のことだったのでかなり痛い。彼女は意外に力があったのか…

少しよろけ、呆然と彼女を見る。

乳母のナンシーと抱き合い前世の、【あの子】だった時の記憶があったと話す。


では、前回の術式は成功していたのか。と、殴られた頬をさすりながら彼女を見た。


彼女、リリアはやっと本音が言えて安心したのか、ナンシーの前では素直な少女になっていた。

屈託のない笑みがアミリアを連想させて頬が緩むと同時に先程手を出したことがとても申し訳なく感じた。


もっと叩かれても、殴られてもしょうがないよなぁー。



「頬赤めて言う言葉じゃねぇよ!」


ちょっと言葉が悪いリリアにときめいた。




「ルキアスだってジョンのくせに!ジョンの見た目じゃないくせにぃ!ミナリーから死んだって…死んだって話聞いて悲しかったんだからね、このバカ…」



「ルキアスもジョンの顔のまま生まれ変わればよかったのよ!」


死んだはずの前世の自分に嫉妬した。え?ジョンの顔が好きだったの?なんで、僕がジョンに負けるの?なんで、リリアはジョンの事しか話さないの?




リリアは僕の中のジョンしか見ていないことを改めて知った。






僕もアミリアの面影を探してリリアを見ていた事。



お互い過去の自分達に恋をしていた。




それでもリリアがジョンにむけている感情に嫉妬している。


僕は、いつの間にか、リリアの事が好きになっていた。


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