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初恋泥棒

「お前はジョンかっ!庭師の8歳上の学園中退した子爵家の三男坊かぁぁぁ!おい、ジョン!よくも今まで良い子ぶりっ子してたな?!過去お前がやらかしたこと思い出せよ、ジョン!」


この初恋泥棒!


「え?お嬢様?アミリア?リリア?」

「同一人物じゃい!」

グーパンでルキアスの皮を被ったジョンに数発お見舞いする。



「アミリア様!」

「ナナ!!」

こっちは害がなかったので感動の再会。


「記憶があったのですね!」

「うん!生まれた時からあったけど…知らない人達ばっかりで隠してたの。…両親のショックが大きすぎて」

「アミリアさまぁ!!」

「今はリリアだよー!」


ひしっと強く抱き合う。美しきかな女の主従関係。


「あっ、主人のナルシスです。子供は二人いますの」

「あら、本当〜」

「はい!長女がリリア様におつかえしてますよね?ミミと言います。息子の方は騎士学校に通っててなかなか帰ってこないんですよねぇ」

「あら、そうなの!やっぱりミミさんの!面影あると思ってたんだよね!」

「はい。あと、ルキアス様の乳母です」

「あの男はジョンだったのよ!?」

「アミリア様、…割り切りって大事ですよ」





「アミリア、いや、リリア…もっと殴って」

「頬赤めて言う言葉じゃねーよ!」




「オメェ、よくも私を殺してアミリアの魂を入れるつもりだったなぁ?!あぁん?」

「だってアミリアの見た目でいるリリアが悪いんだよ!リリアがアミリアなら一石二鳥だね!」

「ルキアスだってジョンのくせに!ジョンの見た目じゃないくせにぃ!ミナリーから死んだって…死んだって話聞いて悲しかったんだからね、このバカ…」

まぁ、実質生まれ変わりだからね、私たち。

「ルキアスもジョンの顔のまま生まれ変わればよかったのよ!」

無茶振り言うな、と我ながら冷静に思いながらも言わずにいられなかった。




ルキアスの酷く悲しそうな顔が見えたが顔を逸らす。




前世の初恋の生まれ変わりが、今世自分を殺そうと誰が思うだろうか?

めっちゃ、首苦しかったぞ!






なんか気がついたら地上に出され、ナナの料理を久々に堪能して湯浴みして部屋に案内された。

別荘と言うことだけあってナルシス、ナナ夫婦が二人で過ごすこじんまりとしたログハウスだった。夜見た時はわからなかったけど、ログハウスのベランダからプライベートな湖に行ける仕様になっており、少し小高い丘の位置にあるのか空を見上げるととても近い距離に見えた。


なんと、本日3日目の朝であった。どんだけ寝たんだ、リリアよ!


その間ルキアスを一切無視してナルシスが話しかけようならば威嚇し、ナナばかりと行動していた。



着替えを見ると、ミミさんが気を利かせてくれたのか見事にルキアスの配色に合わせたものばかりだった。


旅行って聞いて少し期待してたんだけどな…


悲しきかな殺人事件(未遂)しか起きなかった。

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