儀式
目が覚めると地下室だろうか、石の煉瓦に蝋燭、魔法陣と。いかにも闇魔術始めるのですか?!な、場所にいた。
もちろん魔法陣の中央にリリアはいた。
「目が覚めた?」
婚約者だった少年はアメジストの瞳を濁し、心酔した目でリリアを見据える。
少年の隣には先ほどの子爵と同じ髪色の青年が立っていた。
あ、攻略対象!
ハーフエルフのナルシス!確か、魔術が得意で…あっ、魔術…
魔法陣描いたのはコイツか!
「君には僕の可愛い奥さんのために利用させてもらうよ」
「彼とは利害の一致でね。大丈夫、すぐに終わるから」
お前ら悪役のセリフだぞ、ソレ!
「な、何をする気よ!」
思わず素で話してしまったけれど今更取り繕ってもしょうがない。
「前、失敗したからねぇ。今度は上手くしたいんだけどね」
ナルシスは呑気に手遊びをしている。
「聞きなさいよ、人の話!一体なんのためにこんなことしてるのよ!」
いい歳こいた大人と少年がか弱い少女をいたぶってたのしいか!
「リリア、黙ってほしいな」
「ルキアス!アンタってやつは!騙したのね!この3年間!」
「だましてないよ、僕はいつも君を見ていた。君にそっくりなあの子を、ね」
そう言うと首に手をかけられる。苦しい。
「ねぇ、僕はね。一目惚れだったんだ。だって、あの子にそっくりな君がいたんだもの。なんで僕が君のこと【リア】って呼んでいたと思う?あの子の名前にもその名前がついていたからだよ。リリア、君のことは好きだよ。でも僕はね、あの子以外の子を好きになれないんだ。本当は死んだ時に完璧に出来ていたはずなんだ。君の中にあの子が入ったら、あの子の魂が僕の隣で微笑んでくれるだけでゾクゾクするんだよ。だから、リリア…僕の為に死んでくれないかな?」
「あ、アミリアの事?」
「あっ、わかっちゃったんだ」
少し手が緩む。その名を呼んだルキアスの表情が幸せそうに見えた。
その時、階段からゆっくり女性が降りてきた。
見間違えるはずもない。彼女は
「ナナ、この子がアミリアの器だよ」
ナルシスが上機嫌にナナの腰に手を当てる。
「これでやっとアミリア様に会えるのね」
彼女も笑っていた。
キスをする距離まで来てルキアスは笑う。
「ようやく会えるんですよ、お嬢様」
アミリアの事をその呼び名で呼ぶ人物の名は…
「お前はジョンかぁぁぁぁぁぁぁ!!!」




