めぐる季節
元々の性格と努力のおかげか貴族的な言葉遊びなんかもってのほか、敬語何それ美味しいの?状態で。
父の葬儀の後直ぐに祖父の指示により自室撤去からの使われていない裏庭の物置小屋へご招待。
なんでも父伯爵の爵位を祖父に戻し兄が継ぐまで祖父が伯爵代行を務めるらしい。
もはやここまで嫌われているとは思わなかった笑
ドレスは使用人ワンピースに早変わり!
母家はうろつくなという事で素晴らしきかな引きこもり生活!
アミリアちゃんおじいちゃんに嫌われすぎて何したの状態です。
何も交流もしてないわいっ!
幸いにも裏庭は家族(仮)の領域じゃないみたいで近づく恐れはなく昔から交流があった使用人の方々が裏ルートで必要なものを与えてくれるので家事さえできればイージーモードだったし。身内が様子見に来ないし。
昔のように兄と鉢合わせいじめられて、父親の胃を痛めると言うことがない分ヒッキー時々使用人の方々との交流生活は最高この上なかった。
言葉遣いも砕けたようになり庭師のお兄さんとはマブダチになった。
なんと子爵家の三男だった。お前こそ何故庭師になってるとツッコミを入れた。
「いやぁ、家を継がないし。昔たまたま家に来た師匠の技に惚れてさぁ!そのまま家出てさ師匠に押しかけたんだ!」8歳年上のジョンはアクティブであった。
普通子爵、男爵の長男以降の男子は執事見習いや騎士を目指すといいますが、まさかの庭師!
本人曰く護身術習ってるし騎士家系なので体力はあるはず!と…
「まさかお嬢様なのに一介の使用人に謝るとかおかしいと思ったんだよなぁ!」
背中バシバシ叩かれながらジョンの言い訳!
「うちな、アレが平常運転だったのよー!」
「そっかぁ。来て日が浅かったから初めて見たぞ、あんな光景」
「見苦しい光景見せてごめんねぇ」
少し苦笑いし、私は持っていた箒で枯れ木を集める。
季節は秋。
焼き芋がとても美味しい時期である。
メイドのナナさんは父の葬儀後に寿退社をしたと噂が来て、本当に良かった!ナナさんはなんと元貴族でご実家が没落したと言う、ちょっと小説に出てくる主人公属性ついてるなぁーと感動した覚えもあって、記憶が戻った後に1番優しかった人だから大好きだった。
今思えば、他の使用人の方々と違い字の読み書き出来たし、姿勢やお茶の飲み方はナナさんが教えてくれたなぁと…
父伯爵の計らいで無知な娘の教育係も兼ねてたのかな…
ナナさん、スイートポテト好きだったしなぁ…元気してるかなぁ。
秋が来るとナナさんを思い出すのであった。