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こっち、くるなぁぁぁ!

美形モブを1人残して寝取り対象者、ルキアス・クレインが颯爽と忍び寄ってくる。だって足音聞こえないもん、おかしいじゃん!


「初めまして、エイデン卿。僕は、ルキアス・クレインと申します。さしでがましいようですが、宜しければ…」アリアに隠れているのに、チラっと、いや、めっちゃコッチを凝視して「お嬢様とお話ししたいのですがよろしいでしょうか」疑問形もなく、ほぼ命令形。そしてキリィに挨拶をする隙を与えず私の手首を掴む。痛くない程度に。

一瞬の出来事でキリィは目を丸くして固まってるし、ルキアスを見たらアメジスト色の瞳がキラキラと輝いていた。怖い、なにこの子。ゲームの補正力、とても怖い!


と、反対で手首が掴まれ引っ張られた。咄嗟のことでルキアスから離れ、引っ張られた方を向く。

頬を膨らましたアリアが私に睨みを効かせたのが一瞬のこと、押しのけ私の前に立つ。


「はい!喜んでっ!」


語尾にハートマークが付くんじゃないかと言うくらい甘えた声でルキアスに手を差し伸べた。








地位が上の位の方には従いましょう。



心の中で家庭教師の婦人が口をすっぱくして黒板を叩いていた。











脳内先生の登場からあまり時間が経ってないと思う、多分ほんの数秒だったと思う。


目の前の美少年は誰にでもわかる愛想笑いをしながら銀髪を弄る。その仕草すらスチル絵の様だ。



「ねぇ、君の後ろにいる子の名前は?ほら、赤い髪の毛の緑色の瞳の子。僕の瞳に合わせた紫のワンピースを着ている子は君のお姉さんかな。君と違って落ち着いてるよね、似てないけど一緒にいるって事は繋がりがあるはずだよね?ねぇ、君、早く教えてよ」


僕の瞳?!ふぁい?!

あなたの瞳の色と今回のドレスは色は紫だろうけれど明さは違うんじゃないかなぁあああ!

そして遠回しにアリアの事ディスってやがる!

確実にやばい子だ、ねぇ、なにがあなたを掻き立てているの?!逆にここまで行くと怖さ突き抜けて足がすくむ。



「私の名前はアリアって言いますぅ!ルキアス様の髪の毛とドレスのレースの色が一緒なんですよ!ふふ」

アリアのヒロインメンタル尊敬するぅ!

ルキアスの髪の色、銀髪ぅ!レースの色味、ホワイトぅ!銀髪を白髪って言っちゃってるぅ!

相手の質問ガン無視の自己紹介、こうやって乙女ゲームのヒロインは攻略対象者を落としていくのねって…なるかいっ!



こいつダメだみたいな顔してる私を見るルキアスの顔は捕食者の目になっているんだけど!




私に話しかけようとするルキアスにアリアが突っかかるので変化球を加えたのか、キリィの方を見る。


「エイデン卿、そちらのお嬢さんのお名前は」

流石に失礼と感じたのかキリィは私を隣において「娘のリリアです」と答えた。少し顔が青ざめている気がしないでもない。

私もキリィの紹介に則り「キリィ・エイデンが長子、リリア・エイデンと申します」目上の方にする最上級のお辞儀を行なった。


「はじめまして、リリアだから…リアって呼んでもいいかな」

おい、補正力!仕事しすぎだろ!

そしてキリィも空気を読んでアリアの口を手で塞いでいる。

周りの、特に女の子達の視線が痛い。

「申し訳ございません、なにぶん初対面ですので…」

「じゃあ、僕の事もルキでもキアでも呼んでよ、ね?これから仲良くしていくんだし」

おい、補正力っ!!(二回目

首を傾げる美少年はかっこかわいいなぁぁぁ!

顔の好みはジョンだったけれど、美少年、美青年という世間一般的な女性の好みは間違いなくルキアスだ。じゃなくて…





仲良くなるだと…?



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